日本外国特派員協会で会見する村山富市元首相

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村山富市元首相(91)が2015年7月29日、東京・有楽町の日本外国特派員協会で会見し、安倍政権が今国会で成立を目指す安保関連法案を改めて批判した。

村山氏7月23日夕方に国会前で行われた反安保法制デモに参加し、自らマイクを持って演説したことが注目されたばかり。外国記者からは、かつてのリーダーがデモに参加することが「理解できない」という声も出たが、村山氏は「『国民の声を大事にして政治をやれ』ということを声を大にして叫ぶ必要がある」などとデモ参加の意義を強調していた。

「国のかつてのナンバーワンがやる必要があるのか」

村山氏がマイクを握って演説したのは約20年ぶり。安保関連法案の衆院通過を「こんな暴挙を許してはならない!」と91歳とは思えない力強い声で批判したことが話題になった。

ただ、この光景に違和感を持った記者もいた。インドネシア人の記者は会見で、

「国のかつてのナンバーワンがやる必要があるのか」

と、デモ参加が「理解できない」と質問した。質問に答えた村山氏は、

「『国会の中には任せられない』『国民の声を大きく反映して、主人公である国民が国を動かす必要がある』、そういう自覚を持って今の若い人たちは立ち上がっている、私はそういう風に見ている。だからこれは、日本を変える非常に大きな力になっていく」

とデモは自発的に起こったことを高く評価しながら、そのデモに自らが参加する意義を語った。

「『災い転じて福となす』ということで、これをもって日本が本当に民主主義の国になるんだ、国民が主体になって民主的な国になっていくんだ、というようなことになっていけば、非常にいいことだと思う。いい機会。この際、あと何年生きるか知らんけれども、生きる限りにおいてはね、『そういう国民の声を大事にして政治をやれ』ということを声を大にして叫ぶ必要があるのではないか」

「互いに備えれば戦争になる」と持論

安全保障に関する持論も改めて披露した。仮に指摘されているような北朝鮮や中国の軍備増強が事実だったとしても、

「そういう危機を醸し出してお互いに備え合うということをすれば、やがて戦争につながる。過去の歴史がそう。そんなことは防がなければならない。そのためには日本が平和憲法を持っているのだから『戦争はしない』『話し合いをしよう』と外交問題を解決する。そういう問題を未然に防ぐことが大事」

と主張。国家間の「いざこざ」はあり得るとしながらも、「国と国との戦争はあり得ないと思う。あっては困る」と述べ、外交努力で本格的な軍事衝突を回避すべきだと改めて主張した。

安倍首相が8月上旬をメドに出す70年談話についても、「なぜ70年談話を出す必要があるのか」と改めて批判。村山氏のところには若い人からの問い合わせもあるといい、

「いったいあの戦争が何だったのか、いったい何がこんなに問題になっているのか、そんなことを学習する意味では、歴史を知るという意味からすると、安倍さんは反面教師でいいことをしている」

などと皮肉った。