東芝『不正会計』に福山雅治のCMギャラが利用されていた!

写真拡大

 かつて“財界総理”と呼ばれた経団連会長を2人も出した名門企業、東芝が揺れに揺れている。帳簿上の数字を操作して積み上げた1,500億円に及ぶ“利益水増し”が発覚したのだ。この東芝の不正な会計には「有名人のCM契約も含まれていた」と、東芝で経理を担当する現役社員が打ち明ける。

「08年以来、『REGZA』のCMに出演し、イメージキャラクターを務めてくれたのが福山雅治さん(46)なんです。福山さんは、東芝の企業イメージのCMなどにも出演してくれた“東芝の顔”とも言うべき存在でした」
 
 福山に支払われたギャラは1億3000万円だという。現役経理社員は続ける。

「東芝のテレビ事業は東京の青梅事業部が担当していました。そして、この青梅事業部も上層部からより多額の利益を計上するように命じられていたのです。ここでは、取引先への支払いの一部を翌期に繰り越すなどして、利益を水増ししようとしました。ですが、それだけでは足りずに、福山さんたちへのCM出演料の支払い計上を先送りして、“不正会計”に利用していたんです」

 だがそもそも、なぜここまで無茶な“不正会計”が必要だったのか。前出の経理担当社員は、歴代社長から業績を向上するよう過剰に要求されていたことが背景にあった、と説明する。

「東芝の場合、業績の実績は事業部ごとに評価されていきます。そして社内では、『社長月例』と呼ばれる報告会が事業部ごとに毎月開かれます。社長はそこで各事業部に、“チャレンジ”と称する業績ノルマを設定するのですが、その目標を達成できなかった場合、その事業そのものからの撤退を示唆されるなど、厳しいプレッシャーをかけられ続けていたんです」
 
それがどれほどまでひどい叱責であったか、社員は佐々木社長時代(2009年6月〜2013年6月)の例を挙げておそるおそる口を開く。

「社長室で、業績が目標に達しなかったことを報告した部下に、『もういい、出て行け!』と退室を促したのですが、ドアから出て行こうとした部下に向かって窓を指さし、『出口はそっちじゃなく、こっちだろ』と、暗に飛び降りを示唆したそうです」
 
 対して、2013年に佐々木社長の後を継いだ田中久雄社長は、社内での評判も比較的よかったという。

「田中さんは派閥抗争で疲弊した組織を立て直すべく、社内SNSで業務や職場環境の改善意見を一般社員につのっていました。ある事業所から、喫煙所に衝立を設置するよう嘆願があったときには、社長自ら素早く返信するなど社内の評判もよかったのですが、この時期に辞任に追い込まれるとは……」(前出・経理担当社員)

本誌は、一連の告発について東芝本社に事実を確認したが、「ただいま監査法人が今回の問題に関しまして監査をしておりますので、個別の案件にお答えすることはできません」と話すのみ。佐々木前社長の“パワハラ”についても「こちらとしては把握しておりません」と明確な答えは得られなかった。

長年、“企業の顔”を務めた名門企業の思いも寄らぬ不祥事。今回のニュースに福山自身も、割り切れない思いを感じていることだろう。