Skype翻訳、中国で使うとなぜか「ヒワイな罵詈雑言」に

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マイクロソフトの画期的なリアルタイム音声翻訳ツールだが、中国では、翻訳文を罵り言葉でいっぱいにするという不具合が確認されたようだ。中国の検閲システムが影響している可能性があるという。

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マイクロソフトのリアルタイム音声/テキスト翻訳ツール「Skype Translator(以下、スカイプ翻訳)」は、2014年12月にスペイン語と英語が公開され(日本語版記事)、2015年4月にはイタリア語と中国語が加わった。

しかし、中国では、この翻訳文が罵り言葉でいっぱいになるという不具合が確認されたようだ。

この現象を見つけたトム・カーターが「Global Times」に寄せた記事によると、同氏は、スカイプ翻訳の力を借りて中国各地の人々と中国語で会話しながら、Skypeのコマーシャルを撮影していた。中国に住んで10年になるカーター氏が、まだ訪れたことのなかった中国各地を探検し、スカイプ翻訳で言葉の壁に挑戦するという趣向だった。

しかし、カーター氏が、陽朔県にいた親切な中国人のロケ案内人に「お話しできてうれしいです」と話しかけたところ、Skypeはこれを、「お前をフ○ックしてク○うれしい」(It’s f*cking nice to f*ck you)という風に翻訳した。カーター氏はそれ以上は具体的に書かなかったが、これでは終わらなかったと言えば十分だろう。

カーター氏はこうしたSkypeの不具合を、1976年のSF映画『2300年未来への旅』(原題:Logan’s Run)における、意図せずに卑猥なまたは冒涜的な言葉を発してしまうトゥレット障害の汚言症を患ったかのようだったと語っている。

「何度も撮り直したが結果は同じで、(話しかけた相手の)ヤン氏は怒ってしまった。わたしはそのあいだ、思わず笑ってしまったのだが、技術チームは笑うどころではなかったようで、彼らは徹夜で何か作業をしていたようだ」

カーター氏はこの不具合の原因について、中国の検閲システム「金盾(グレート・ファイアウォール)のせいではないかと推測している。

中国でヴィデオチャット・サーヴィスを利用しようとすれば、遮断や一時的なブロックといった不具合を誰もが経験することになる。中国の検閲システムが常に見張っているからだ。マイクロソフト側がこのシステムを考慮していなかったために、こうした“笑える不具合”が生じたのではないか、とカーター氏は考えている。

いずれにしろ、Skypeの広告で主役を演じるカーター氏が、Skypeの不具合を明らかにしたことを、マイクロソフトは快くは思ってはいないだろう。Skype翻訳はビジネスと教育をターゲットにしていることを考えると、マイクロソフトは笑ってはいられないはずだ。

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