オジサン 小泉さんの気持ちはわからないでもないが、郵便だけは民営化しないほうがいいんじゃないかなぁ。
デスク なぜですか?
 ボクが長いこと住んでいたアメリカだって、郵便は連邦政府がやってるからさ。日本って、「アメリカがやっている」といえば何でも通るようなところがある。アメリカがやっていないことを日本がやる必要はないということさ。
 そうですかねぇ。でも、民営化は世界の潮流だ、というようなこともいってますよ。
 そうかもしれないけど、失敗例も多いって聞くぜ。
 ドイツの例ですね。確かに、ドイツでは10年間で約3万局から1万4000局に減ってしまったっていわれてますからね。ボクは小泉さんの肩を持つつもりはないんだけれど、なんだか今日は旗色が悪いようですね。
 そうかなぁ。別に、郵政民営化反対論をブチにきたわけではないんだがなぁ。

アメリカの郵便配達事情

 ところで、さっき言ってたアメリカの郵便のことですが、日本とはだいぶ違うんですか。
 ボクの知っているかぎり、アメリカの郵便は、日本とはちょっと違っているようだね。まず配達員が局で郵便物を配達区域ごとに麻袋に仕分けして、自分は空身で配達区域に歩いて行くんだ。そうすると、あらかじめ仕分けされたその麻袋をトラックが先回りして区域内にある集積ポストに入れていく。配達員はその麻袋の中身をカバンに詰めて、区域内を一軒一軒歩いて配達して、一つの区域が終ると次の区域に、って具合に1日で受け持ち区域全部をカバーするって仕組みなんだ。わかるかい。
 ええ。なんとか……。
 夏は半ズボンにアフリカ探検みたいな帽子をかぶって、カッコ良いんだぜ。何十年も同じ区域で配達してるから、住民とは顔馴染みになってて、パトロールの警察官と同じくらいに住民から信用されてるんだよ。
 でも、それはアメリカの田舎での話なんじゃないですか。
 とんでもない。ニューヨークだよ。
 へぇー。そうなんですか。日本では、過疎地にある郵便局の配達員はそんな感じかもしれないですね。地方に行くほど、郵便局と地元の関係が深いということですね。
 そういう関係は大事にしなくちゃいけない。だから、安易に「民営化」なんていってはいけないんだ。
 やっぱり今日は、どうも旗色が悪い。そろそろ、一杯飲みに行きませんか。続きは、そこでということで……。
 オッケー。(つづく)