「連続テレビ小説 まれ Part2 」NHK出版

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朝ドラ「まれ」((NHK 月〜土 朝8時〜)7月27日(月)放送 第18週「親心ロールケーキ」第103話より。脚本:篠崎絵里子(崎の大は立) 演出:村橋直樹

月曜はまったりしているのが常だった「まれ」ですが、18週はいきなり週末のような盛り上がりです。

希(土屋太鳳)にロールケーキづくりを課した大悟(小日向文世)。なにをつくっても「不味い」連続で希を困らせますが、結局「不味いからクビ」と突き放します。
このままでは気まずい退職になってしまう、希は浮かない気持ちに・・・。

今日の、つっこ「まれ」


自信をもって提示した「横浜ロールケーキ」を大悟にさくっと「不味い」と言われて、「ええ!」
このタイミングに、いらっ。
師匠との別れかもしれない(希は「はなむけ」と思いこんでいた)真面目なシーンのはずで、これか。
従来の朝ドラだったら、ここで「はなむけ」に卒業させてもらえるけど、「まれ」は斜め上をいきますよ〜ってことなんでしょうか。話の展開はそれでいいけれど、それをコントっぽいノリで見せるのは、傾斜がきつ過ぎませんかね。

演出は、「まれ」初登板の村橋直樹氏。
BS ドラマ「狸な家族〜徳島発地域ドラマ〜」(13年)を演出している方のようです。地域ドラマということで、「まれ」の世界観にも合いそうなのかもしれませんが、いきなりこのノリだと少々心配です。

今日の、つっこ「まれ」2


「人生の優先順位はひとそれぞれでしょ。」(大輔)

「自分の期待に応えない人間が許せない?」「どうせおれなんか透明人間だもんね。」などと拗ねる大輔。
父子の確執がいよいよ本格化してきましたが、以前、ケーキ対決のとき家族の絆を取り戻していたような気もするし、なんか唐突。

今日の、つっこ「まれ」3


「怒られて当たり前なんやさけ 元気だせ言うとるげんよ」(一子)

フリーライターやることにした一子(清水富美加)が、希を訪ねてきて励まします。むしが良すぎる行為を指摘されてしゅんとなる希に、意地悪言っているわけじゃないと言う一子。
なんだろ、希の、自分のやっていることの無自覚さ。

一子は今後、フリーライターになって、能登に戻った希たちの活躍を取材したりするんでしょうか。

今日の、つっこ「まれ」4


「言えばいいのに。おまえにはすごくすごく期待してたんだ。可愛くて仕方ないんだって。」(輪子)

意地を張る大悟に、輪子(りょう)がアドバイス。
「気持ちを素直に伝えたことある?」などともっともらしいのですが、なんだか白々しく聴こえます。セリフの語尾の音が娘の美南(中村ゆりか)ともども、どうも嘘くさいせいもある気がしますが、それだけではけっしてなく、希に都合いいほうに話を進めるためのセリフって感じがするので、冷めてしまうのかも。演じているほうもそのせいで嘘くさい言い方になるのかも。

「まれ」放送直後「あさイチ」での、「本音を言わない」ことについての司会3人の会話のほうが響きました。

いままでさんざん簡単にものごとを解決して、がっかりさせられてきたことがトラウマになって、登場人物が何を言っても心に入ってこないというか・・・。
再三訴えておりますが、こういう一週間単位で話をまとめてしまう作り方はかなり限界ではないかと。たまたまドラマを見たひとにはわかりやすいかもしれませんが、半年も続くドラマで、毎度毎度ものごとを単純化し過ぎることは、毎朝毎朝欠かさず見ているひと(こういうひとが多いはずですよね、本来は)を無視している気がしてなりません。
作劇の「優先順位」を考えてほしい気持ちでいっぱいです。あ、これ、「意地悪で言ってるんじゃない」んですよ。

今日の、名場面


ロールケーキ4種を並べて一本にしたやつは美味しそうで、ここだけ癒されました。
(木俣冬)

エキレビ!にて月〜土まで好評連載中! 木俣冬の日刊「まれ」ビュー全話分はこちらから

いまひとつ視聴率が伸びないが、奮闘は讃えたい。NHK朝ドラ「まれ」おさらい(54話までを総括))