中国のニュースサイト「環球網」は22日、「5.5億ドルの軍事費のフィリピンに、どうして中国を害することができようか」と題する記事を発表した。(イメージ写真提供:CNSPHOTO)

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 中国のニュースサイト「環球網」は22日、「5.5億ドルの軍事費のフィリピンに、どうして中国を害することができようか」と題する記事を発表した。

 記事は、フィリピンのアキノ大統領が国会に提出予定の2016年度国家予算案で、国防予算案は5億5200万ドル(約682億4200万円)と紹介。前年度比で約25%増だが、「中国の2015年国防費の200分の1にも満たない数字」と評した。

 記事は続けて、「ベトナムの軍事費はフィリピンよりも相当に多額で、2014年には40億ドル(約4945億円)以上に達した」と紹介。続けて「ベトナムの国内総生産は2000億ドルにも満たない。中国の広西チワン族自治区よりも少ない。これが、彼らの軍事費の規模を制約している」と論じた。

 中国とベトナム・フィリピンは南シナ海に存在する島の領有権を巡って厳しく対立している。

 記事は、フィリピンやベトナムについて軍事費の状況から「両国とも、南シナ海において中国の『深刻な軍事的脅威』にはならないだろう。ただし彼らは、言いがかり、攪乱(かくらん)、外部勢力の引き入れで、南シナ海における中国の主権と利益を侵食するかもしれない」と論じた。

 フィリピンについては「海軍力をますます増強する中国について、『やや心配』しているのだろう。ただし領土の主張で彼らは貪欲だ。彼らの中国に対する感情は複雑でデリケートだ」と論評した。

 さらに、南シナ海における「面倒」は主にフィリピンとベトナムが巻き起こすが、その背後には米国と日本があると主張。中国は「平和台頭」のイメージを大切にしているが、「フィリピンとベトナムが米国と日本にそそのかされて、あまりにも厚顔な振る舞いに及び、中国の『限界線』を踏み越えれば、われわれは国家イメージのために忍耐を続けることができなくなる」と威嚇した。

 また、南シナ海の問題にとって「中国国内世論は欠かすことのできない応援団」とした上で「中国でカードを切るのは高度に専門的な外交当局と戦略機構。従って中国の大衆は南シナ海についての真の実力と布局を知らねばならない」と、過度の愛国論に釘を刺した。

 「環球網」は別の記事でもフィリピンの国防費を紹介し、「中古船を買って中国に対抗するつもりか」などと揶揄(やゆ)した。(編集担当:如月隼人)(イメージ写真提供:CNSPHOTO)