東アジア杯メンバー発表、ハリルホジッチ監督会見要旨

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 日本代表のバヒド・ハリルホジッチ監督は23日、都内で記者会見を行い、8月の東アジア杯(中国・武漢)に臨む日本代表メンバー23人を発表した。

以下、ハリルホジッチ監督の会見要旨

バヒド・ハリルホジッチ監督

「長い時間をかけて、すべてのリーグ戦をすべてのテクニカルスタッフとともに視察した。3週間前に50人の(予備登録)リストを発表したが、50人以外にも高いクオリティーを見せてくれた選手がいた。50人のリストに入っていない彼らも、次の新しいリストをつくったときには入るかもしれない。

 50人のリストに話を戻すと、若い選手をたくさん選んだ。たくさんの選手に私のメッセージを伝えたいということでもある。A代表に入るためにより野心を持って、よりトレーニングしてほしいというメッセージでもある。50人の中には(所属クラブで)ベストメンバーの中に入っていない選手もいる。ただ、若い選手だ。オリンピック代表に入っている選手もいる。能力はある。伸びる可能性もある。彼らが今からがんばらないといけない。彼らの価値と能力を私に見せるときが来ている。日本代表はすべての選手に開かれている。このリストに入る資格があれば、問題なく呼ぶ。海外でプレーしていようが、国内でプレーしていようが関係ない。

 残念ながら、50人のリストを発表してからここまでの間に11人ほどがケガをしてしまった。50人の20%以上にあたる。これは警告として受け取ったほうがいいと思う。なぜこんなにもケガが起きてしまったのか。私はこれに関して考えがあるが、ちょっとケガの人数が多いと思う。この中から23人に絞るということで、かなり難しい状況が起きている。

 我々にはとにかく野心がある。常に同じ野心を抱いている。それをすべて見せることができるかどうかは分からないが、この大会においては難しい状況も想定している。(選手は)4つのグループに分けて集合してもらう。自分たちの所属するチームから直接来る選手もいる。29日にリーグ戦が終わって、30日の朝に出発する。新たなケガ人が出るかもしれない。そのために23人の選手以外にバックアップメンバーも準備している。

 大会までに1週間ほどトレーニングする時間が欲しかった。向こうに行けば、他にも難しい状況がある。4つのチームが一つのグラウンドで練習するということも聞いている。気温は40度、湿度は60〜70%。昨日はメディカルスタッフ、フィジカルスタッフも含めて『しっかり準備しよう』『さまざまなことを想定していこう』という話をした。料理長も2人連れていくことを要求した。たくさんの難しいことが起きるだろうが、向こうで何か成し遂げることができればと思う。いつも言っているが、負けるための準備はしない。向こうで勝つためのトライをする。

 何もなければ、この23人が中国に行くが、1、2人ほどケガをしている。(大会前)最後のJリーグで何か起きれば、最後の最後でバックアップメンバーを呼ぶこともある。23人の選手は全員がモチベーションが高いが、ケガ人の選手が最後の最後にケガを再発すれば、他の選手を呼びたい。国内組にとっては良いテストになる。彼らは見せないといけない。日本代表の『Aチーム』に入るための準備をしないといけない。良いトーナメントにしたいと思っている。そして勝つトライをしたい。

 これから23人を発表する。まず3人のキーパーだ。東口、西川、権田。彼らも見せないといけない選手たちだ。私の信頼を勝ち取らなければならない。彼らもしっかり良い経験をして、リーダーとしてこのチームに何かをもたらしてほしいと思っている。彼らにはかなり期待している。

 DFは8人。水本、丹羽、槙野、森重、太田、米倉――。米倉は新しい選手。まだよく知らない選手だ。藤春、遠藤――。新しい選手、オリンピック代表の選手も呼んだ。太田はケガをしているが、彼とは常にコンタクトを取り続けていて、月曜日(27日)には我々のメディカルスタッフが直接、コンタクトを取る。体の状態がポジティブなのかどうかを確かめる。大会前最後の試合(29日の仙台戦)にしっかり出ることができれば、(中国に)連れていく。もし太田に問題があれば、すでにバックアップメンバーを用意しているので、おそらく車屋になる。彼にも準備してほしいと思っている。

 最終的には29日のリーグ戦が終わった時点ですべてのメンバーを決める。正直に言うが、日本代表の監督として次のシーズン、カレンダーについてはアイデアを言いたい。日本代表のために少し日程をいただきたいと思っている。

 中盤に行く。柏木。新しい選手がここにもいる。運動量が豊富な選手だと思う。左利きだが、我々のチームには左利きが少ない。後ろからしっかり組み立てることができればおもしろいかなと思う。我々が呼ぶのは初めてだが、人間性もしっかり把握できればと思う。

 武藤も新しい選手だ。中盤に入っているが、FWとしても起用できると思う。少し攻撃のところに人数をかけたが、広島の柴崎(晃誠)がケガをしてしまった。彼もリストに入っていた。追跡していて、いい選手だなと思っていた。

 山口はよく知っている。かなりのポテンシャルがある選手で、伸びてほしいと思っている。米本も新しい選手だが、特に運動量、戦うところで期待している。中国ではより強いコンタクトがあるだろう。日本に対して敵意を出してくると思うので、オフェンス面でもディフェンス面でもそういったところで彼の良さを出してほしいと思う。

 谷口は川崎では3バックのディフェンスをやっているが、私は違うポジション、つまり中盤で使いたい。できればDFの前。良いテクニックを持っているし、身長もあるので、フィジカルやヘディングにも期待している。日本代表に少し足りないのはデュエル(1対1や球際の攻防)のところのパワー。そういうところも彼が埋めてくれるのではないかと思う。

 柴崎にも少し問題があって、彼ともディスカッションをしてきたが、(柴崎)岳は『みんなとプレーしたい』と言ってくれた。彼は我々の中で常によくやってくれているが、もし最後の最後でケガが再発すれば、バックアップメンバーと代わる予定でいる。

 ではFWに行く。興梠も以前、ケガをしていたが、いろんなポジションでプレーできる。真ん中も左右もできる。彼ももっとできるのではないかと思っている。しっかりディスカッションをしていきたい。なぜ頻繁にケガをするのかという話もしたい。彼の能力、クオリティーを見せる機会があると思う。日本代表の『Aチーム』には得点を取る選手が必要だ。我々の課題は得点者を見つけること。日本代表でできるだけたくさん点を取るということをやってほしい。

 倉田も新しい選手だ。彼もいろんなシステムでプレーできる。左サイドでプレーすることが多いと思うが、もしかしたらFWの後ろ、中盤でもプレーできるかもしれない。オフェンス面でかなり運動量がある。彼もチャンスをつかんでほしいと思う。

 永井は名古屋で違うポジションでプレーしているが、ものすごく速い選手だと思っている。できれば前で、できるだけゴールの近くでプレーさせたい。ゴールをたくさん奪えるポジションでプレーさせたい。我々と出会ってから、かなり伸びている選手だ。続けていってほしいと思っている。

 川又だが、もしシンガポール戦に川又がいたら、彼のフィジカルによって良い現象が起きていたかもしれない。前節も前々節も得点に絡んでいる。彼もしっかり伸びてほしい選手の一人だ。A代表のリストに常に入ってほしい選手。A代表の選手としてしっかり存在感を出してほしい。日本人には背の大きい選手がそれほど多くないので、川又のような選手がしっかりフィジカルを見せてほしいと思っている。

 宇佐美はかなり能力のある選手。たくさんのことをチームにもたらしてくれると思う。彼もしっかり向上していっている選手。彼にはたくさんのことを期待している。

 浅野は(所属クラブで)ベンチからスタートしているが、得点を取れる選手だ。かなり速いし、背後も狙っている。前節も彼のプレーを見たが、すごく良いプレーを見せてくれた。彼が入ってきて、広島は逆転した。彼にとっても良いチャンスだと思う。できれば自分のクラブで先発メンバーとしてプレーしてほしいが、真ん中でもサイドでもプレーできる選手だと思う。

 これが23人のメンバーになる。もしかしたら29日の夜に変更があるかもしれない。それは期待していないが、バックアップメンバーも用意している。東アジア杯では3つのオーガナイズ、3つのシステムを用意している。それに応じてこのチョイスをした。

 野心の話をしたが、向こうではいろんなことが起こると思う。1週間、準備の時間があればありがたかった。解決方法がないので仕方がないが、うんざりするのではなく、言い訳を探すのではなく、このグループにとってこの大会は非常に重要だ。勝つためのトライをして、できればカップを持って帰りたい。すでに相手国も分析している。難しい大会になると思うが、すべては可能だ。代表の選手たちはすべてを出すと思う。ただ、ケガを回避したい。気候や移動など、いろんな条件があるので、フィジカルスタッフを含めて疲労回復に努め、いろんな困難があると思うが、彼らがしっかり成長するように見守っていきたい」

―6月のシンガポール戦に勝てなかった原因は分析したか?

「もちろんシンガポール戦についてはしっかり分析した。簡単に忘れることのできない試合だ。統計も見た。素晴らしい試合をしたと思っている。おそらく日本代表は日本サッカー史上初めてあれだけたくさんのパスを成功させたのではないか。確か670本のパスを成功させたと思う。そして31本のシュートを打った。19回ほどの100%の決定機もつくった。相手は我々のペナルティーエリアの中に入ることができなかった。1回、シュートを打っただけだ。

 すべてをやったつもりだ。最後の決定機で仕事をすることができなかったが、私の一番の仕事は、日本の大きな問題でもあるが、得点を取る選手を見つけるということだ。リーグ戦で25点から30点取れる選手を見つけること。今のところ、これが私にとって一番大きな問題だ。1人か2人、3人ほどの得点者を見つけたい。

 シンガポール戦に話を戻すと、彼らはかなり引いてきた。9月の試合ではカンボジアもこのようにやってくると思う。最初のW杯予選だったので、本来であれば良い出発をしたかった。観客がすごく良い雰囲気をつくってくれたが、スタジアムに足を運んだすべての人に残念な試合を見せてしまった。ただ、我々は効果的な仕事もしたと思っている。この試合は特別な試合だった。成功しなかったし、運もなかった。ちょっと慌てた状況もあった。次はチャンスをしっかりものにしたい。すべての試合で効果的なチャンスをつくり続けていると思うが、このような試合はまたあると思う。選手のことは一度も批判していない。勇気づけることしかしていない。次の試合はおそらくより効果的になると思っている」

―東アジア杯で一番試したいことは?

「まずは選手を発見したい。日本代表の『Aチーム』に50%ほどの国内組が入ってくると予想している。次の『Aチーム』の合宿に向けて、だれが効果的なプレーをしてくれるかを見たい。もちろん、チームも向上させたい。常により良い可能性を探っていく。3つのシステム、3つのオーガナイズに応えることができる選手を選んでいる。

 今回の中国では、ちょっと特別な環境も用意されている。アウェーの試合になるので、メンタル面で強いものを見せないといけない。この場を借りて、メンタルのトレーニングにしたい。3つの対戦国は我々に対してかなりの敵対心を持っていると思う。彼らにしっかり対抗できる選手を見つけ、次の9月の合宿に連れていける選手かどうかを見定めたい。

 どんなクオリティーを中国で見せつけられるかはまだ分からないが、まず申し上げたいのは、タクティクスの練習を一回もできずに出発するということ、そしてグラウンドが本当にひどい状況だということだ。現地のそういった環境も踏まえて、どんなシステムが必要か、どんな選手がプレーできるのかを見定めないといけない。選手はかなりモチベーションが高い。太田と(柴崎)岳には直接電話をして話したが、『ケガがあったとしても、向こうで日本代表としてプレーしたい』と。このような選手の気持ちが大事。彼らの100%を見せつけてくれると思う」

―選手に「見せてほしい」プレーというのは?

「すべてを見せないといけない。特に最初の1試合目で勝つために見せないといけないことがある。特にメンタル面。アウェーで勝つのは難しい。昨日、一昨日にかけて中国と北朝鮮の試合を見たが、デュエルはかなり激しい。フィジカルの戦いで彼らに対抗しないといけない。テクニックのクオリティーはある程度見せることができると思うが、グラウンド状況も関係してくる。タクティクスに関しては、勝つためのトライをする。FWを多く呼んでいるが、毎試合、勝つためにトライしようと思う。

 ケガがないことを願っている。リーグが終わった直後に、このような連戦で、しかも移動もある。50人のリストの中の20%がケガをしたと話したが、なぜこんなにケガをしたのか、疑問に思わないといけない。これは多いと思う。向こうの環境にしっかり適応しないといけないし、3試合を短い期間でこなすことになるので、できるだけ多くの選手を使わないといけない。一人の選手が3つの試合に出るのは難しい。特に中盤と前線は頻繁に変えないといけないのかなと思っている。おそらく多くの選手がチャンスをつかむと思う」

―Jリーグへの要望があれば。

「霜田委員長と私でJ1・J2の強化担当者会議に参加し、彼らの前で話をした。まずは感謝した。Jリーグの方々に心の底から感謝した。そのうえで正直に話した。日本のフットボールはもっと違うレベルに行けますよと。たくさんのことを向上させよう。そして現代フットボールを見てほしいという話をした。

 まず球際のパワーのところ。そしてゴール前での効率、効果性。得点者を見つけるということ。それを向上させるトレーニングをしないといけない。現代フットボールはかなり速くなっている。デュエルはかなり激しくなっている。チームはオーガナイズされていて、それに適応したチームが勝つ。勝つチームには何かがある。違いを見せつける選手が含まれていることもある。特に得点を取るというところではそうだ。バルセロナやレアル・マドリーも、メッシとクリスティアーノ・ロナウドがいなければまったく違うレベルのチームになってしまうと思う。我々も違いを見せつける選手を探さないといけない。

 そのためにリーグの方々に『協力していきましょう、そして私を助けてほしい』と話した。この大会にはトレーニングなしで行かないといけないという話もした。彼らも私と同様に、リーグのカレンダーには意見を言いたいのではないかと思う。国内組で合宿をしたいという話もした。同意しないクラブもあると思う。ただ、(5月の)ミニ合宿で我々は完璧な仕事をしたと思っている。いろんなテストもしたし、ミニ合宿は大成功したと思っている。合宿の最後には、義務ではなかったのに全選手が私のところに来て話す機会をつくってくれた。たくさんの選手が『A代表でプレーしたい』と言っていた。彼らには野心がある。

 彼らにより良い環境を与えてあげたい。大きな仕事は自分のクラブでしないといけない。彼らがリーグの中、クラブの中でもっともっとトレーニングできる環境を整えてあげたい。私は批判するために、ここに来たわけではない。助けるために来ている。私が期待しているのはJリーグがより良いレベルになること。特にプレーのスピード、球際で戦う意識を上げていきたい。

(司会が質問を打ち切ろうとしたが)あと2つ、いいですよ。長い間、みなさんに会いたかったので、この時間を有効に活用してください」

―選手を発見することとカップを勝ち取ることは両立できるのか?

「まず大事なのは結果。結果を探しに行く。そのうえで新しい選手が見せつけないといけない。A代表の結果が最も大事だ。向こうで勝つことができたらかなり良いことだが、中国のグラウンドのことも考えないといけない。おそらく中国、北朝鮮との試合は普通の試合にならないと思う。政治的な要因も入ってくるのではないかと予想している。私はそこに何の関係もないが、彼らは日本に対してものすごく敵対心を持っている。彼らは100%以上のモチベーションで戦ってくると思う。

 つまり我々がまず見せないといけないのはメンタル。アウェーという特別な環境で、それを見せないといけない。勇気、決断、勝つ野心を見せつけないといけない。それを見せつけることでチームは向上していくと思う。勝つということを強く要求したい。トレーニングができない、グラウンドが悪い。そういった言い訳はしたくない。試合前には言い訳をする。『暑いよ』とか『グラウンドが良くないよ』とか、そういう話はする。しかし、試合のあとにそういう言い訳はしない。

 岳と太田と話をしたが、彼らは本当にモチベーションが高かった。ケガをしたとしても入りたいと。これは本当に素晴らしいチームのメンタルだ。それをグラウンド上で見せつけてほしい。宇佐美もそうだ。守られていない状況、保護されていない状況で戦わないといけない。国内とは違うデュエルになる。そういった準備をあらかじめしておかないといけない。宇佐美があるレベルを超えなければいけない大会になるかもしれない。彼がヨーロッパ(への移籍)を望むのであれば、より厳しいデュエルが待っているからだ」

―遠藤は予備登録でMFだったが、DF登録になったのは? 五輪世代から2人入ったが?

「遠藤は湘南では3バックの右でプレーしている。彼らのすべての試合を見ているが、4バックの右サイドを予想するのはちょっと難しい。Jリーグの中では3バックを使うチームが増えてきているが、4バックのサイドバックの機能ではないと思う。日本代表の右サイドバックでは、国内組があまり呼ばれていない状況が続いていたと思う。例えば内田、(酒井)高徳、(酒井)宏樹。彼らが右サイドバックの候補として選ばれていた。右サイドバックの国内の選手をA代表で見たことがありますか? 私の記憶では随分さかのぼらないといけない。塩谷はそこでプレーできるが、ケガをしてしまった。他の選手は? 松原。ケガをしている。

 松原はオリンピック代表の選手だが、我々のスタッフにはオリンピックの監督がいる。オリンピック代表の選手もみんなで分析している。岩波、植田、そういった選手もA代表に呼びたいと思っている。しかし、リーグの中でプレーする時間が少ない。私が今、探しているのはセンターバックでフィジカルプレーができる選手だ。50人のリストに彼らは入ってくるが、23人にはまだ入ってこない。さらに2、3人の良い選手がいる。彼らもしっかり追跡しているし、いいトレーニングをして、向上し続けてほしいと思っている。彼らに入る資格があるなと判断した暁には、すぐに呼ぶ。浅野もオリンピック代表の選手だ。23人のリストに彼も入った。彼らがクオリティーを見せつけるときだというメッセージを送りたい。他の選手も知っているが、ただ若いから、パワーがあるからというだけで呼ぶことはできない。呼べる資格があることを見せつけないといけない」

(取材・文 西山紘平)


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