ベストメンバーを組まないで臨む大会は、評価自体が難しい。選手としてもそうだし、チームとしても、例え3試合に全勝したところで大きな名誉にはつながらないし、全敗しても大ダメージとはいかない。写真:SOCCER DIGEST

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 義務を“こなし”に行くだけの大会。今回のメンバーを見れば、そういう印象が強くなるよね。3試合を差し支えなく戦えれば、それでいい。そんな思惑が透けて見えるんだ。日本としては諸事情で参加せざるを得ないけど、そこまで重きを置いていないってこと。ハリルホジッチ監督も言っていたように、カレンダー的にも「いかがなものか」と思うよ。
 
 事前に50人のリストが発表されたけど、その時点でチームは、名目上“若手”や“育てる”というキーワードを使っている。でも、北朝鮮、中国、韓国と戦うだけで、なにが見えてくるというんだろう。そもそも、“若手”という言葉自体が不自然に聞こえるね。
 
 日本では、“若手=年齢を重ねればレギュラーになれそうな選手”というニュアンスで使われる。ただ、世界的に見れば若くても代表で中心を担う選手はたくさんいるんだ。育てる名目で代表に呼ばれるような選手なんて、所詮はその程度のレベルの選手だと言われているようなものだよ。
 
 今回、レッズの武藤やガンバの米倉、ベルマーレの遠藤といった初選出の選手もいる。ではなぜ、彼らは国内の親善試合では呼ばれなかったのか。答は簡単。国際Aマッチであるその試合には、欧州組が呼べるからだ。
 
 新戦力はまず国内の試合で試すべきなのに、そこでは興行を重視する。そして、欧州組が呼べない今大会に限っては急に育成云々と言い出す。チーム作りに一貫性がないし、旨みの少ない東アジアカップ用の“方便”と受け取られても仕方ないんじゃないかな。
 
 また、今大会で活躍した選手が、その後も代表に定着できるかは疑問だ。たった3試合でどれだけチャンスがもらえるかも未知数だし、相手の実力によって発揮できるパフォーマンスにも差が出てくる。主力不在の東アジア勢相手に結果を残したとしても、ここから急にトップまで駆け上がる姿は想像つかないよ。
 
 ベストメンバーを組まないで臨む大会は、評価自体が難しいからね。選手としてもそうだし、チームとしても、例え3試合に全勝したところで大きな名誉にはつながらないし、全敗しても大ダメージとはいかないだろう。その意味でも、価値が見出しにくい。
 
 いっそのこと、リオ五輪世代中心のチームを組んでも良かったんじゃないかな。彼らはこれまでなかなかベストメンバーが揃っていないし、来年1月のアジア最終予選まで実戦の機会も少ない。国内組だけでもいいから、ここで“本当の五輪代表”を見たかったんだけどね。
 
 見どころはほとんどない大会だけど、せめて新しく呼んだ選手が活躍してくれることを祈っているよ。