7月18日から20日かけて行なわれた新潟国際ユースサッカーで優勝したU-17日本代表。同じ場所で合宿をしていたU-18代表の存在も刺激に。

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 昨年秋、日本サッカーはふたつの年代別ワールドカップの出場権を逃している。
 
U-16アジア選手権・準々決勝:日本 0-2 韓国
U-19アジア選手権・準々決勝:日本 1(PK4-5)1 北朝鮮
 
 このふたつの敗戦により、日本は今年5月にニュージーランドで行なわれたU-20ワールドカップと、10月にチリで開催されるU-17ワールドカップに出場できず、2世代の代表が揃って世界でガチンコ勝負をする機会を失った。
 
 とりわけ、U-19日本代表は実に4大会連続で出場権を逃しており、この足かけ7年に及ぶ大きな損失は、昨年の2世代同時敗退というショッキングな事態(U-21代表のアジア大会、A代表のアジアカップを含めれば、4世代が準々決勝敗退)で、ようやく強烈な危機感を日本サッカー界に与えるに至った。
 
 正直、“ようやく”な感は否めない。だが、この衝撃は決してネガティブなものだけでなく、非常にポジティブな動きを生み出す重要な分岐点にもなっている。
 
 日本サッカー協会は原博実専務理事、霜田正浩技術委員長(強化担当)、山口隆文技術委員長(育成担当)が音頭を取って、抜本的な構造改革に着手した。
 
 重要視したのは、年代別代表の一貫したフィードバック体制だ。U-15、U-16、U-17、U-18、U-21とそれぞれのスタッフが別個に帯同し、活動するのではなく、年代間のスタッフ同士のコミュニケーションを重視し、お互いの活動状況、選手の状況(コンディション、成長度)などを議論し合いながら情報を共有する。そうすることで、より一貫した育成強化を実現する狙いがある。
 
 U-15日本代表監督に森山佳郎氏を、U-18日本代表監督に昨年のU-19日本代表で鈴木政一監督の下、コーチを務めていた内山篤氏を据えた。ここに新たなに『育成アシスタントコーチ』を設置。元代表選手や海外リーグ経験者が、育成年代の選手たちに対して、その経験をアウトプットする狙いだ。
 
 U-15では98年フランス・ワールドカップを経験した「エスパルスアンバサダー」の斉藤俊秀氏がヘッドコーチを務めることになった。
 
 さらに、このふたつの代表と、J3を戦うU-22選抜を統括する担当ダイレクターも新設。このポストに元横浜F・マリノス監督の木村浩吉氏を据え、年代別代表全体を統括することで、よりフィードバックしやすい体制を整えた。
 そして今回、今年の10月にU-19アジア選手権予選(ラオス)を控えるU-18日本代表は、「新潟国際ユースサッカー」に参加するU-17日本代表と新潟で合同合宿を行なった。
 
「U-17とU-18が合同で合宿することは、すごく意味のあること。選手たちに良い刺激を与えている。特にU-17の選手たちにとっては、学年がひとつ違うことで、どれだけ質が違ってくるのか。それを目の当たりにすることで、『自分も』という気持ちになる。今でこそ、U-16、U-17、U-18と分かれているが、来年U-19になり、再来年U-20になれば、正直そのカテゴリーは関係なく、全員が目指す対象になる。なので、この時点で下のカテゴリーが上がってこないといけない」(内山監督)
 
 実際問題、このカテゴリーのチームはU-18からU-19に上がった途端、一気に選手間のコンディションにばらつきが出てしまう傾向がある。それを引き起こしているのが、プロ1年目の選手の『出場機会の激減』だ。U-18世代は高校3年生が中心のため、多くの選手が所属チームで主軸として活躍しており、実戦経験は豊富だ。
 
 その一方で、一足早くプロになった早生まれの選手は、どうしてもプロの厚い選手層の壁にぶち当たり、実戦から遠ざかってコンディションを落としてしまう。常に試合に出ている選手と、そうではない選手。合宿で一堂に会すると、動きの質の違いは歴然たる差となって表われてしまう。