東アジアカップメンバー発表直前、ファンが選ぶ日本代表23名はこれだ!

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文=河治良幸

 今年3月にヴァイッド・ハリルホジッチ監督が就任して最初のメンバー選考を前に行った平日12時放送のニコ生『ハーフ・タイム』における視聴者アンケートをもとに寄稿した記事が好評だったこともあり、再び同番組の投票結果をもとに東アジアカップのメンバー選考に関する予想記事を書く機会をいただいた。

 今回は事前に大会の予備登録メンバー50人が発表されていたため、その中から候補者をポジションごとに割り振り、それぞれ番組の放送中に投票していただく形を取った。欧州組が参加しない大会でJリーグの選手により多くのチャンスが与えられる分、やはり各クラブのサポーターの期待値は高い様だ。

 残念なのは予備登録50人の中に多くのけが人が含まれていること。松原健は4月に重傷を負い、もともと大会までの回復が難しいと見込まれていたが、発表後のJリーグで負傷が多発したのはショッキングだった。大会までに何とか回復が見込まれる選手もいるが、参加が絶望的か少なくとも無理して参加しない方が良いと思われる選手もいる。

 そうは言っても、Jリーグでしっかり結果を残している選手が多く、ここからどういう構成になっても組み合わせが非常に楽しみなメンバーであることは間違いない。ここまで基本フォーメーションとして採用されている[4−2−3−1]を想定しながら、GKから順に結果を見ておいきたい。

【GK】
◯西川周作(浦和レッズ)
◯東口順昭(ガンバ大阪)
◯権田修一(FC東京)
六反勇治(ベガルタ仙台)
林彰洋(サガン鳥栖)
櫛引政敏(清水エスパルス)

 まず林が右太ももの負傷で大会には間に合わない状況で、候補は事実上5人。U−22日本代表の櫛引は高いポテンシャルを持つが出演者の青山知雄氏(サッカーキング編集部)が「最近は試合に出られていない」と指摘する通り、杉山力裕にポジションを取られている状態だ。

 過去の2回では4人のGKが選ばれてきたが、大会に臨む今回は3人となる。欧州で移籍先を探している川島永嗣が対象外で、5月のミニ合宿に参加した六反も候補ではあるものの、ここまで継続的に招集されている西川、東口、権田が順当に選ばれるだろうという予想が数字に表れた。

 その中でも西川が42.6%という高い支持を得て、今大会のファーストチョイスとして予想された。やはりカバーリング能力とビルドアップの技術に優れる西川をハリルホジッチ監督のスタイルで見てみたいというファンは多い様だ。

 権田が2番手、東口が3番手となったが、実際は3試合それぞれ違う選手を起用するかもしれない。ハリルホジッチ監督は声を出せるGKを求めており、そうした部分でも練習から大いにアピールしてほしいところだ。

【DF】
◯丹羽大輝(ガンバ大阪)
◯槙野智章(浦和レッズ)
◯森重真人(FC東京)
◯車屋紳太郎(川崎フロンターレ)
◯米倉恒貴(カンバ大阪)
◯藤春廣輝(ガンバ大阪)
◯岩波拓也(ヴィッセル神戸)
◯植田直通(鹿島アントラーズ)
水本裕貴(サンフレッチェ広島)
武岡優斗(川崎フロンターレ)
塩谷司(サンフレッチェ広島)
太田宏介(FC東京)
大武峻(名古屋グランパス)
昌子源(鹿島アントラーズ)
松原健(アルビレックス新潟)
山中亮輔(柏レイソル)
川口尚紀(アルビレックス新潟)

 DFの候補は全部で17人だが、松原と塩谷はけがで参加が難しいと判断。前節は前半のみで交替した太田も出場を不安視する声はあるものの、番組放送時には「太ももにピリッと来て、前に同じ箇所を痛めたこともあり大事を取った様です」と青山氏も語っていたため、現在は欠場している武岡と共に候補として残した。

 基本的に右SB、左SB、CBに分けられるが、複数のポジションをこなせる選手はそれぞれの投票にエントリーさせる形で選出。その結果、右SBは米倉が42.4%という圧倒的な数字に。2位が昌子、3位が僅差で丹羽となったが、彼らは本職がCBでもあるためマルチロールとして保留した。

 米倉は高校時代が攻撃的MF、千葉でプロデビューした当初はボランチで出場しており、その後SBにコンバートされ新境地を開拓した。それだけにSBとしては技術が高く、しかも周囲とバランスを取りながらも球際で戦えるという部分でハリルホジッチ監督のスタイルに合う可能性が高い。

 おそらくG大阪のサポーター以外からも多くの票を得たのは実際に対戦して嫌な選手ということもあるのだろう。普段は欧州組の内田篤人、酒井宏樹、また左との併用で酒井高徳がほぼ独占しているポジションだが、アピール次第でアジア予選のメンバーに残っていく可能性も十分にあるはずだ。

 左SBは太田、藤春、車屋、山中と専門色の強いレフティが揃った。山中と同じ柏レイソルでスタメンを張る輪湖直樹が予備登録から外れたことに関して番組内で筆者がコメントしたが、視聴者にも輪湖を待望する書き込みは多く、引き続きJリーグで活躍を続け、先の選出につなげてほしい。

 さて4人での投票は負傷の不安もある太田が代表メンバーの常連として貫禄の1位。2位には藤春が入った。太田は前回の代表合宿で豪快なシュートを決めるなどハッスルが目立っていたが、先発したシンガポール戦は消化不良に終わり、Jリーグの選手を中心に挑む東アジアカップにかける思いは強いはずだ。しかし太田は22日になり、復帰まで数週間かかるとの見通しも報じられたため、太田が選外の場合は左SBで投票3位の車屋が繰り上がりと予想する。

 投票では2番手の藤春も持ち前のスピードに加え、ハリルホジッチ監督の指導でハードワークや球際の意識が高まっているが、前回は外れたこともあり、さらなる成長を指揮官に見せてほしい。

 候補が多数のCBはこれまで継続的に選出されている槙野と森重が3位以下を離しての1位と2位になり、そのままレギュラー候補として推薦するに相応しい。3位はU−22代表でもある岩波が近い将来の期待も込めて入ったが、続く植田と昌子の鹿島コンビに差がほとんど無かったため、右SBで保留となっていた丹羽も含め、CBとSBのマルチロール枠として3人のうち2人を選ぶことになった。

 その結果、丹羽が大きく票を伸ばして1位となり、やはり僅差だったが植田がわずかに昌子をおさえて2位。出演陣の確認が甘く、番組内の終わりには昌子が選出と伝えてしまったが、ここは数字に正直に植田を選出するべきだろう。丹羽は緻密な守備と万能性に加え、チームを明るくするムードメーカーでもある。代表キャリアは少ないが、同僚の宇佐美の様な若い選手にも良き見本になれ、大会においてはピッチの内外で重要な存在になりうる。

【MF】
◯青山敏弘(サンフレッチェ広島)
◯高萩洋次郎(FCソウル/韓国)
◯柏木陽介(浦和レッズ)
◯山口蛍(セレッソ大阪)
◯森岡亮太(ヴィッセル神戸)
◯遠藤航(湘南ベルマーレ)
今野泰幸(ガンバ大阪)
柴崎晃誠(サンフレッチェ広島)
大谷秀和(柏レイソル)
藤田直之(サガン鳥栖)
遠藤康(鹿島アントラーズ)
米本拓司(FC東京)
谷口彰悟(川崎フロンターレ)
柴崎岳(鹿島アントラーズ)
大森晃太郎(ガンバ大阪)
喜田拓也(横浜F・マリノス)
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倉田秋(ガンバ大阪)

 チームの心臓となる中盤はハリルホジッチ監督の言う「守備的なセクション」であるボランチと「攻撃的なセクション」のトップ下で構成される。とはいえボランチは左右で明確に分けることが難しく、9人までしか候補を出せない投票システムの事情もあった。

 そのためオプションの[4−1−4−1]でアンカーのできるボランチとインサイドハーフに配置されそうなボランチに分け、万能型の米本と大谷は両方の候補に入れて集計した。またけがから回復途上の柴崎岳は選出の余地を残すものの、ここで無理をする必要は無いという判断で今回の投票では対象外としている。

 結果はアンカータイプのボランチではU−22日本代表の遠藤航が全体の40.6%でダントツの1位。2位には山口が入った。13.6%にとどまった今野はやはり年齢的な部分がファンの期待からもネックになっている様で、7.2%の米本に関しては青山氏が「真ん中だとボールを奪うまで良くても、そのあとのつなぎが厳しい」と語る様に、日本代表の速い展開の中では厳しいという見方もできる。

 遠藤航に関してはU−22代表でも湘南でも飛び抜けた存在になっており、選ばれて当然という意見が多数。湘南では3バックの右を担うが、ここに来て攻撃面の貢献も目立っており、A代表のボランチとしても期待できる。同じU−22代表の喜田は4.8%だった。ここ最近の成長に関して多くのファンが認めるものの、けがでここ最近の試合を欠場している事情から「無理をさせたくない」という意見が大勢を占めた。

 インサイドハーフを担えるボランチは青山がなんと67.6%と全体の3分の2を超える得票でトップ。青山に関してはハリルホジッチ監督も実力を評価しつつ、5、6月の時点では状態があまり良くないことを理由に選外としていたが、現在は絶好調。今回は文句無しの選出となる期待が高まっている。

 2番手に選出されたのは中盤で浦和の攻守を支える柏木。アルベルト・ザッケローニ時代より成長が見られるのは多くの人が認めるところだが、ファンの中でも賛否両論がある様だ。青山氏もその才能を高く評価しつつ「スピードの部分が代表ではより大きな問題になるかもしれない」と指摘する。ただ、持ち前の技術に加えてトータルの運動量は高く視野も広いため、うまく周囲の選手と補完関係を築けば東アジアカップでも輝けるはずだ。

 攻撃的MFの候補は高萩、遠藤康、森岡、柴崎晃、大森、登録上はFW枠の倉田の6人。これまで主に欧州組が活躍してきたポジションなだけに、誰が選ばれても新鮮なイメージの強いセクションとなる。ただ、柴崎晃は残念ながら浦和戦で負傷し、診断結果待ちではあるが参加が厳しそうな状況だ。

 その中で上位3人の森岡、遠藤康、高萩で決選投票を行ったところ、アジアでの実績が豊富な高萩が1位に、2位は森岡が選ばれた。唯一の海外組となる高萩は3月の招集でバックアップメンバーに入ったが、ハリルホジッチ監督が会見の中で能力の高さに名指しで言及しており、今回の東アジアカップが絶好のチャンスであることは確かだ。FCソウルに移籍して間もないが、アジア最終予選に向けて豪州と韓国の特徴を良く知っていることも助けになる。

 森岡に関しては青山氏も「ファーストステージではボランチをやっていた」と語る通りだが、ハリルホジッチのスタイルではボランチよりトップ下がメインになりそう。ただ、試合の流れで[4−1−4−1]などに変更した場合でもそのまま機能できるのはメリットだ。高萩とともに特徴的なのは高さで、このポジションの選手に高さがあるとセットプレーの守備での頭数を揃えやすい。高萩と森岡という大型の攻撃的MFが揃うことは普段の日本に無いアドバンテージだ。

【FW】
◯宇佐美貴史(ガンバ大阪)
◯武藤雄樹(浦和レッズ)
◯豊田陽平(サガン鳥栖)
◯興梠慎三(浦和レッズ)
◯浅野拓磨(サンフレッチェ広島)
◯永井謙佑(名古屋グランパス)
小林悠(川崎フロンターレ)
倉田秋(ガンバ大阪)
大久保嘉人(川崎フロンターレ)
川又堅碁(名古屋グランパス)
杉本健勇(川崎フロンターレ)
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大森晃太郎(ガンバ大阪)
遠藤康(鹿島アントラーズ)

 注目のFWはウィング部門とCF部門に分け、ウィングはMFから遠藤康と大森も加えた9人で投票した。大方の予想通り宇佐美が33.5%で1位となったが、3位には浦和でブレイク中の武藤雄が入った。また3位の浅野、4位の永井と10%を超える選手が4人いたため、ここはシンプルにその4人を選出。順位から行けば宇佐美と武藤雄がスタメン候補となるが、得意のポジションが左ウィングでかぶるため、武藤雄はジョーカー枠に。ただ実際に宇佐美はCFやトップ下もできるので、2人が並び立つケースもあるだろう。

 浅野はU−22のコスタリカ戦で使われたCFでも候補だが、抜群のスピードを右ウィングで活かすのがA代表でははまるかもしれない。同じくスピードを持ち味とする永井の期待も高く、どちらがスタメンでも本来の主力である本田圭佑とまた違った色を出してくれそうだ。5位で選外となった小林は故障明けで、試合感を含めたコンディションの部分で割引になったのは残念だ。ただ、ハリルホジッチ監督は高く評価しており、もし投票の通り東アジアカップで外れても、また選ばれるチャンスはあるはずだ。

 本職のCFは2枠で、Jリーグでゴールを量産中の豊田が34.7%の支持率で1位に。2位は3月のメンバーに選ばれながら負傷で離脱した経験のある興梠が川又をおさえて入った。この2人であれば場合によっては2トップでも面白そうだが、「調子を上げてきている」と青山氏が評価する川又もファンの要望が強く、ハリルホジッチ監督のお気に入りでもあるため、正式メンバーがどうなるのか読みにくいセクションではある。

 結果として『ハーフ・タイム』の視聴者が選ぶ東アジアカップの23人はこうなった。

▼GK
西川周作、権田修一、東口順昭

▼DF
米倉恒貴、丹羽大輝、森重真人、植田直通、槙野智章、岩波拓也、藤春廣輝、車屋紳太郎

▼MF
遠藤航、山口蛍、青山敏弘、柏木陽介、浅野拓磨、永井謙佑、高萩洋次郎、森岡亮太、宇佐美貴史、武藤雄樹

▼FW
豊田陽平、興梠慎三

 やはりJ1のファーストステージで首位を争った浦和とG大阪からの選出が目立つ結果となったが高萩を含め広島の出身者が多く、ミシャ&森保ラインの強さを示す結果ともなった。その2人が監督とコーチをつとめればいいという冗談半分の声もあがったほどだが、ハリルホジッチ監督のもとで彼らがどういう戦いぶりを見せてくれるのだろうか。

 正式なメンバーは23日の発表で出されるが、前回大会もフレッシュなメンバーが結束した戦いで優勝していることもあり、Jリーグを中心としたメンバーの武漢でのプレーに注目していきたい。