時差ボケを防ぐために機内食を食べる?食べない? shutterstock.com

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 7〜8月は出国者数が最も多い時期だ。夏休みに海外旅行を計画している人も少なくないだろう。

 とはいうものの、「時差ボケを考えると憂鬱になる」という人もいるのでは? せっかく海外に来たのに、ひたすら眠気で頭がぼーっとしたり、逆にベッドに入ってもいつまでも寝付けなかったり、さらには、頭痛やめまい、食欲不振をきたしたり......。時差ボケは旅行中だけでなく、帰国後も悩まされるから厄介だ。

 時差ボケには個人差があるが、4時間以上の時差があると、上記のような症状をきたしやすいといわれている。そして、時差は大きいのに移動時間は短い、つまり時差の調整をするための時間が足りないと、さらに症状はひどくなる。

 ちなみに、日本人に人気のハワイは、時差ボケになりやすい典型的なスポットだ。時差はマイナス19時間もあるのに、飛行機で約8時間しかかからない。「時差ボケを治すには時差1時間あたり1日」という説もあり、マイナス19時間の時差があるハワイの場合、20日近くもかかることになる。

 そこで知っておきたいのが、時差ボケが起こる仕組みや解消のコツだ。

時差ボケは体内時計が狂うことで起こる

 人間は体内時計を持っている。たとえ外の情報が一切入らないような窓も時計もない地下室にいても、夜になれば眠くなり、朝になれば目が覚める。また、食事の時間ば、自然に空腹を感じる。

 しかし、そんな生活が続くと、生活のリズムが少しずつ崩れていく。というのも、1日は24時間だが、体内時計の1日は24時間10分と、わずかにズレがあるからだ。そのズレは、日常生活の中で自然とリセットされている。

 体内時計と実際の時間とのズレをリセットするカギとなっているのが「光」だ。眠気を促すホルモンであるメラトニンの分泌量は、眠りから覚めた際に強い光(朝日)を浴びた時点を起点とし、それから約15〜16時間後に増え始め、約19〜20時間後にピークに達し、その後、次第に減少していく。つまり、眠りから覚めて強い光浴びた時刻によって、眠くなる時刻は決まるのである。

 たとえば、その日、朝8時に目が覚めて、夜8時の飛行機に搭乗し、8時間かかってハワイに到着した場合、現地時間は朝9時、日本時間では朝4時だ。ちょうどメラトニンの分泌量がピークに達している時間帯なので、眠くて仕方ないのは当たり前である。そして、本来であれば寝ているはずの時刻に、強いハワイの朝日を浴びれば、体内時計はさらに狂って時差ボケの症状をきたしてしまう。

時差ボケ解消のカギを握るのは食事

 体内時計のズレを正す、もうひとつのカギが「食事」だ。時差ボケのように、光がむしろ体内時計を狂わせる原因となっているときは、食事が重要になる。

 特に重要なのが朝食だ。体内時計はどのようにして、その食事を「朝食」と判断するのか? それは「断食時間」である。英語で「朝食」は「breakfast」、つまり「断食(fast)を破る(break)」という意味だが、まさに朝食は、睡眠によって長時間の断食をした後の食事である。

 たとえば、日本を夜8時に出発し、ハワイに朝9時に到着する飛行機の場合、離陸後、機体が落ち着いた頃(日本時間の夜9時、ハワイ時間の深夜2時)に夕食の機内食が出され、ハワイに着く直前(日本時間の深夜2時、ハワイ時間の朝7時)に軽食が朝食として出されることが多い。夕食から朝食まで約5時間しか間が空いていないので、これでは長時間の断食にならない。

 しかし、離陸前、日本時間の夕方6時に夕食を食べ、最初の機内食をパスしておけば、朝食までに8時間の断食がでいる。そして、機内ではできるだけ寝るようにする。日本時間の夜8〜9時では、なかなか眠気は来ないだろう。寝ようと頑張るとむしろ眠気は逃げていく。眠れなくてもいいので、体に夜だと思わせるために、しっかり光を遮断できるアイマスクをつけて静かに過ごそう。そして、夕食の機内食が配られるときに起こされないために、乗務員には事前に機内食不要を伝えておこう。帰国の際も同様に、到着する日本時間から逆算して夕食を食べ、断食の時間を空けて朝食を食べるように心掛けよう。

 食事のメニューは、炭水化物、脂質、たんぱく質という三大栄養素がバランスよく取れることが理想的だ。夕飯は体内時計をあまり動かさないGI値(グリセミックインデックス値)が低い玄米や全粒粉パンなどがいいが、朝食は体内時計を大きく動かす高GI値の白米や白いパンがいい。機内食のメニューが選べるときは、肉よりも魚を選ぼう。魚の脂には体内時計を大きくずらす効果があるからだ。

 ハワイ以外のときも、基本的に現地時間の朝に朝食を食べるように計算する。ちょうどいいタイミングで機内食が出ることを望めない場合は、軽食を持って飛行機に乗ろう。軽食を持ち込むときはシリアルバーなどが手軽でかつ栄養バランスがいい。朝食の前の断食時間がポイントだということを忘れないように!
(文=編集部)