Doctors Me(ドクターズミー)- 【ハイヒール病&デスクワーク病コラム】Vol.6: デスクワークによる不良姿勢と健康被害

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デスクワーク癖のついた人の身体


写真のような姿勢で一日中仕事をしていませんか?この姿勢をとり続けると、猫背が助長され、胸の筋肉は縮こまった状態になり、呼吸が浅くなります。更に首の筋肉も固まり、脳への血流量が低下します。酸素と栄養素が脳にも全身の細胞にも送られにくい状態が続けば、ひとつひとつの細胞から活力が失われ、原因不明の体調不良を引き起こす原因となります。

慢性的な頭痛や肩こり、気分の落ち込みを訴えるデスクワーカーの一部に、首の付け根辺りに異常なコブのような盛り上がりが見受けられます。長時間のデスクワークや、スマホ依存症による不良姿勢がその原因だと推測されますので、同じ姿勢をとり続けないことが、まずやるべき予防法です

癖がつくまでの経緯

1.骨盤を寝かした状態で背骨を立てず、重力に身を任せて座ったままでいると、収縮しっぱなしの腹筋群、肋間筋、胸部の筋肉が癒着、硬直し(筋繊維、筋膜、骨膜の癒着)収縮機能が低下していく。

2.猫背になった背中の部分は突っ張った状態になり、こちらも筋機能が低下する。

3.首の筋肉が詰まった状態で硬縮し、筋機能が低下する。

4.硬縮、或いは突っ張って筋肉が正常に伸び縮みしなくなった個所では血流量が低下する。

5.脳への血流量が低下し、集中力の低下、ダルさ、精神的な不安定感を覚える。

6.肋間筋と胸部筋肉の癒着、背中の突っ張りによって、肺が膨らみにくい状態になり、呼吸が浅く酸素の取り込みが弱くなる。酸素は体内のあらゆる代謝活動に必要なので、原因不明の体調不良に見舞われる。

7.癒着、硬縮し、堕落しきった腹筋群と肋間筋の筋機能は低下し、スタイルを保つ筋力を保有しなくなる。それに伴い脂肪を燃やす能力も低下していく。

8.お尻の筋肉は常に圧迫されているので、血が流れにくい状態になっており、お尻の筋機能が低下する。

9.以上のような状態が続くと、筋機能が低下した個所へ、脂肪が乗っかりはじめる。また座った姿勢から立ち上がる時、身体の強張りを覚える。筋肉の強張りを通り越すと、関節の痛みとして認識できるようになる。

10.猫背が座った状態だけでなく、立った状態でも固定化されてくる。下っ腹を出し、猫背となって首が前に突き出た姿勢は、疲れた人を象徴するような姿勢で、見る人に陰鬱な気持ちにさせる。

血が流れないと脂肪が燃焼されない?


筋肉が固まり、十分に伸び縮みせず『血が流れ込まない』という事は、その部分の体温が下がり、脂肪が付きやすい状態になっているということです。また脂肪は、血の流れと共に運ばれてくる水と酸素によって、はじめて燃え始めるので、凝り固まった筋肉周辺の脂肪は燃焼されにくい状態にもなっています。

全く正常な状態から、身体が強張り始めた時は、痛みやダルさなどを強く感じられますが、それが日常になってくると、痛みや突っ張った感覚が弱くなってきます。それは良くも悪くも身体の適応能力なのですが、痛みを感じないからと言って、不良姿勢の状態を放置してもいいわけではありません。必ずいつかは、関節のどこかに嫌な痛みとして現れるか、原因不明のメンタルヘルス障害を引き起こします。

「じゃあどんな姿勢が正しいの?」と質問されるかも知れませんが、私は正しい姿勢は無いと思った方がいいと考えています。正しい姿勢でも長時間同じ形をキープすれば、必ず不要な筋肉の強張りが出てきます。逆に身体の防衛本能で自然と不良姿勢をとる場合もあるのです。問題はずっと同じ姿勢をとり続けることにあると考えます。『学校のテストのように何にでも1つの正解がないと不安がるところ』。また『周りの目を気にして、痛くても我慢して綺麗に座り続けてしまうところ』。この2点が、日本人に腰痛、首・肩こりを訴える人が多い原因になっていると思います。

私がお勧めしたいのは、デスクワークの最中でも身体はリラックスさせ、一定の姿位で固めないように習慣付けることです。時間もお金もストレスも掛かりません。身体は動きたがっているのです。動くことで血が流れ、栄養と酸素が運びこまれ、いらなくなったモノが排出されるのです。

〜パーソナルトレーナー:生西 聖治〜