[国際ユースサッカーin新潟]セルビアが試合続行不可能に・・・U-17日本代表の“7年ぶりV”で大会に幕

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[7.20 国際ユースサッカーin新潟第3節 U-17日本代表 - U-17セルビア代表 デンカS]

 U-17日本代表、U-17メキシコ代表、U-17セルビア代表、そしてU-17新潟選抜の4チームが総当たりのリーグ戦形式で優勝を争った第19回国際ユースサッカーin新潟は20日、デンカビッグスワンスタジアムで最終節を行った。2連勝で優勝に王手をかけていたU-17日本代表はU-17セルビア代表と対戦。日本はFW吉平翼(大分U-18)とMF黒川淳史(大宮ユース)がゴールを奪って前半を2-0で終えたが、ハーフタイムに熱中症を発症したセルビア2選手が救急搬送され、また3連戦の今大会で他選手も体調不良となっていることもあってセルビアは試合続行不可能を訴えた。その結果、マッチコミッショナーが試合続行不可能と判断。大会規定で想定されていない事態となったU-17日本代表対U-17セルビア代表戦については不成立、そしてメキシコ、新潟選抜に勝利している日本を優勝扱いとすることになった。試合についての詳細は改めて協議される模様。日本は08年以来7年ぶりとなる“優勝”となった。

 4-4-2システムで試合をスタートさせた日本の陣容はGK山口瑠伊(FCロリアン)、右SB森岡陸(磐田U-18)、CB橋岡大樹(浦和ユース)、CB森下怜哉(C大阪U-18)、左SB杉岡大暉(市立船橋高)。中盤は渡辺皓太(東京Vユース)、冨安健洋(福岡U-18)のダブルボランチで右MF佐々木匠(仙台ユース)、左MF黒川。2トップは岩崎悠人(京都橘高)と吉平が先発した。

 セルビアは運動量こそ少ないものの、球際での強さと巧さを示していた。対して、日本は序盤からトレーニングで取り組んできたパススピードの速さと、“各駅停車”にならず、ひとつ先の選手へボールを配球することを意識したパスワーク。13分には右中間、PAやや外側での混戦で佐々木がボールを拾うと、吉平がPAへスルーパスを送る。これを岩崎が中央へ折り返すと、飛び込んできた吉平が右足シュート。このこぼれ球に反応した吉平が右足でゴールへ押し込んだ。さらに岩崎や吉平がスペースへの動きを繰り返し、渡辺や冨安が積極的にPAへ割って入るプレーを見せるなど、勢いのある攻撃を見せる日本は、25分にも岩崎とのワンツーで前を向いた黒川が右足シュートをねじ込んで2-0とした。

 セルビア側の申し出によって前半のうちに2度の給水タイムが設定されるなど選手の安全面への対策は取られていたが、それでも熱中症の症状が出て前半終了間際に救急車がピッチに入れられる事態となった。協議が行われていたハーフタイムには後半開始から投入される予定だったMF田中康介(京都U-18)やFW菅大輝(札幌U-18)が準備を進めていた日本だが、ここで試合は打ち切られる形に。U-17日本代表にとって国際ユースサッカーin新潟は、10月に行われるU-20W杯アジア1次予選、AFC U-19選手権予選(ラオス)へ向けたU-18日本代表の選手選考も兼ねた大会となっていた。内山篤監督は「この暑さの中で厳しいとは思うんだけど、相手に固められた時に少し選手を代えたり、(攻略法の)少しヒントもあったんですけれども、(それを試すことができず)ちょっと残念かな。だが最後45分できなかったけれど、いい刺激になってチーム内でいい競争が生まれていると思う。(U-18日本代表は)これからもタイトルかかった暑さの中で、SBSカップ(8月)、中国遠征(8月)もそうなんですけど、キチッと結果にこだわりながら、交代選手も含めてしっかりと戦って、いい準備をしていかなければいけない」

 U-17代表にとっては佐々木や岩崎、黒川と言ったU-18代表経験者がチームに加わった中で、選手それぞれにより上の年代の代表を目指す意識が芽生える意義のある国際ユースサッカーin新潟となった。一方で今大会は1チームの登録選手18人で3日間連続の90分間ゲーム、この試合はまだ陽の高い14時10分の試合開始。セルビアに体調不良となる選手が続出したように、真夏の大会の難しさ、危険度を示し、「少しでも選手のコンディションということであれば、たとえばナイターにするとか、(より)選手目線の環境にしてあげるとか」(U-17日本代表・内山監督)選手の安全面、試合日程についての配慮、見直しを考えさせられる大会にもなった。

(取材・文 吉田太郎)