ふるさと納税の返礼品として人気の高い長崎県平戸市のさざえ

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 日本人であれば歴史の教科書で必ずその名前を目にする長崎県平戸市。450年ほど前にポルトガルから貿易船がやってきて、フランシスコ・ザビエルが平戸港に降り立ちキリスト教の布教を始めた、などと聞くと「あー、あの平戸市か」と思う人が多いはずだ。16世紀〜17世紀の数十年、南蛮貿易で栄えた土地である。

 そんな平戸市が、ふるさと納税による資金調達額で平成26年度に日本一になり、400年ぶりのバブル景気に沸いている。この平戸市の賑わいは、いっときのバブル景気で終わってしまうのか、あるいは地方創生のきっかけや秘訣に通じるのか。それらを学ぶべく、先日平戸市で行われた「ふるさと納税九州サミット」に参加してきた。

 九州は、ふるさと納税が活発な地域であり、平成26年度のふるさと納税による資金調達額では、長崎県平戸市が1位、佐賀県玄海町が2位、宮崎県綾町が4位(申込件数では綾町が1位)であり、トップ10に九州の自治体が5つランクインするという状況になっている。

 それら九州のふるさと納税に積極的な自治体が中心となり、ふるさと納税のさらなる発展と今後の課題についてノウハウと情報を共有しようということで、「ふるさと納税九州サミット」が開催された。九州に限らず、本州も含め合計70以上の自治体からおよそ200名の参加で二日間様々なテーマで議論がなされた。

 参加自治体からは、それら先行自治体に対してふるさと納税の返礼品の選定や、納税申込から返礼品の発送までのオペレーションの流れ、返礼品の生産者とのコミュニケーションなど、日々の業務にまつわる様々な質問が飛びかった。それらについて詳細に記載するとキリがないので、ここでは2日目に行われた平戸市の見学ツアーから、平戸市の強さの秘訣を垣間見ることとする。

平戸市の人気の秘密は
「納税額を永久不滅ポイントにして返礼品をカタログ化」

 先に、平戸市のふるさと納税の特徴を整理しておく。平戸市の1番の特徴は、ふるさと納税の返礼品をカタログ化しており、ポイント制を導入したことである。

 納税者は納税金額に応じて平戸市からお礼としてポイントを付与される。納税者は、各自が保有するポイントの範囲でカタログ内にある返礼品を選ぶ。結婚式での引き出物や、お中元、お歳暮などでカタログが送られてきて商品を選んだ経験のある人も多いと思うが、まさにあの仕組みと同じだ。

 納税者にとってポイント制のメリットは、納税タイミングと返礼品を選ぶタイミングを切り分けることができることだ。通常は、ふるさと納税を納めるときに返礼品も選ばなくてはならない。しかし、返礼品の種類が多い場合など、納税者側がじっくりと時間をかけて選びたいという状況もある。思い立った時に納税をまとめて納めておきたいが、返礼品選びは後回しにしたいなどの状況にも対応できる。また、平戸市のポイントはいわゆる永久不滅ポイントであり有効期限はない。

 したがって、翌年度以降に持ち越すことも可能だ。この持ち越し可能という点は、平戸市の納税額を引き上げたひとつの要因であろう。ふるさと納税は、毎年確定申告の直前となる12月に大きな駆け込み需要が発生する。とりあえず年内に納税しておきたい、しかしドバッと返礼品が来ても困る、年の瀬に返礼品を選んでいる時間的な余裕がないという場合など、平戸市の制度は使い勝手が良い。

消費者に選んでもらえる体制、商品づくりに挑戦

 平戸市の返礼品は、受け取るタイミングを指定することもできる。そして贈答品扱いとすることも可能である。こうなると、単なる返礼品ではなくほぼ完全なる通販仕様ということになる。

 これらポイント制、受け取りタイミング指定、そして贈答品扱いの導入に対しては、返礼品を通販化しておりふるさと納税の趣旨に反するという批判的な意見も存在する。実際、私自身、贈答品扱いまで対応するということに対してはいかがなものかと思う部分もあった。しかし、現地での様子を拝見するに、平戸市の取り組みは地方再生につながる大きなヒントがある、と考えるようになった。

 平戸市の考え方は明確である。

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