『中原昌也の人生相談 悩んでるうちが花なのよ党宣言』中原 昌也 リトル・モア

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 90年代より「暴力温泉芸者」名義でミュージシャンとして活躍。そしてB級映画からメジャーな映画まで、世界の映画を網羅した唯一無二の映画評論を執筆。さらに、その小説は数々の賞を受賞する等、多方面にわたって活動を続ける中原昌也さん。

 本書『中原昌也の人生相談』では、中原さんが、さまざまな人たちから寄せられた悩みの数々に答えていきます。

 陰口が怖くて飲み会で中座できないと悩む24歳男性には、「盗聴器を置くことです」と断言し、薄毛に悩む30代男性には、「もう剃りましょう。少ないのはよくない。髪の毛はゼロか一〇〇じゃなきゃ!」と恐ろしいアドバイス。

 自分より劣っている人を見て安心しようとする、自身の醜さに悩む29歳女性には、「僕は他人から『こいつよりマシ』と思われる立場ですけど」とことわった上で、「今の自分に満足してる人なんているんですか? 誰ですか? 叶姉妹ですか? いませんよ、そんな人」とひと斬り。

 さらに大勢の前で話すのが苦手だという26歳女性には、かなりハードルの高い解決方法を伝授。

「大勢のなかで自分の意見を言いたいなら手を挙げればいいんです。ハイハイハイ!って。ドラスティックなことで輪に入るしかないですね。自分が受け入れられるかどうかなんて考えてもムダ。大勢がいるところに猛ダッシュで入っていって、人にバーンとぶつかる。(中略)それとも無意味に舌打ちばっかりするとかね。チッとしか言わない。舌打ちの練習をしてください。それで、『なにが不満なの?』って聞かれたら意見を言えばいいんですよ。まず注目させて、存在感をアピールする。図々しくなれということです」(本書より)

 休日に友だちと会うこともなく1人でイベント等に参加し、アイドルに元気をもらっているものの、ふと我れに返ったとき、これでいいのかと悩む20代男性には、次のように回答します。

「何をいまさら恥じらっているんでしょう。孤独を感じて、このままでいいのかなって思うのかな。それじゃあ元気もらってないじゃん! 騙されてるだけだよ。僕は誰からももらったことないですよ、元気なんか。(中略)孤独が怖いというのは永遠の悩みかもしれないけど、誰でも、ずっと孤独でしょう。一言で言うと、まぁ、どうにもならないってことですよ。受け入れるしかない。独りであることに耐えたり、慣れたり、耐性をつけることしかないのでは」(本書より)

 また本書では、幼少期より培ってきた、中原さんの映画にまつわる圧倒的な知識量のなかから、それぞれの悩みに応じた映画作品がセレクトされており、その驚くべき組み合わせの連続をもまた、存分に楽しむことのできる一冊となっています。