夏バテによる精力減退を防ぐ--。夏のED対策で最も重要なのは“現状維持”と説く、医学博士の志賀貢氏がこう語る。
 「暑い季節は水分補給が大切です。ただし気をつけて欲しいのは、この時期、ついつい糖分の多いドリンクを取り過ぎてしまうことなのです」

 確かに、夏場は外回りに出たときなど、自販機でジュースを購入することも多い。また、暑さをしのごうと喫茶店に入ることも増えるはずだ。
 「意外と知られていませんが、スポーツ系飲料水も、糖分がかなり入っているんです。そのため、当然ながら飲み過ぎると糖尿病などになる可能性も高くなってしまう。そしてこの糖尿病は、EDの原因となります」

 神経系の要因による「器質性ED」は、神経に障害が生じ、脳が興奮しても勃起命令を伝達しないことで起こる。
 「この症状を引き起こす原因で最も多いのが、糖尿病なんです。糖尿病になると、血液中のブドウ糖濃度が高い状態が続き、血管を傷つけるだけでなく、神経にも障害を起こしてしまう。これを『糖尿病末梢神経障害』と呼びます」

 こうなってしまうと、たとえ気持ちは興奮していたとしても、体が言うことをきかない状態になってしまう。つまり、肉棒が勃たなくなるのだ。
 「失敗したらどうしよう…といった予期不安から起こる『心因性のED』の場合は、心の持ち方次第で解決できますが、『器質性ED』は治療が必要になってきます。EDを治す前に、糖尿病を治療しなければならない。完治するまでには長い道のりになってしまうのです」

 そうした失敗をしないためにも、夏の水分補給には十分、注意が必要であるわけだ。
 「炭酸飲料も飲み過ぎないほうが良いでしょう。大量の糖分が含まれていますからね。ただし、炭酸飲料には疲労回復や利尿作用もあるため、一概に悪いとは言えません。その点、“カロリーゼロ”の炭酸飲料などはオススメですね」

 一方、糖尿病とは関係なくても、飲み過ぎると良くない飲料がコーヒーだという。
 「理由は二つあります。一つは、カフェインの過剰摂取による不眠です。夏場の暑い時期に睡眠不足が続くと、アッチの元気もなくなります。ただ、それ以上に怖いのが、カフェインには亜鉛の吸収を阻害する作用があることです」

 亜鉛は男性機能を正常に働かせる大事なミネラルだ。そのため、このミネラルの吸収が阻害されるとEDを招く要因にもなる。
 「しかし、カフェインには心を落ち着かせる作用もあります。セックス前などに一杯飲むことで、副交感神経を優位にして、勃起力を高める効果があるんです。要は、すべての飲み物に通じることは、過剰な摂取に注意することです」

 しかし、何よりも怖いのは身体の水分不足だ。
 「体の水分が不足すると、体の各器官に血液が流れにくくなる。これが一番危険で、脱水症状までにはならなくても勃起力が衰えてしまうのは必至。以上のことを考えると、夏場に最もオススメなのは、水、もしくは、お茶となりますね」

 上手な水分補給で下半身力の減退を防ごう。

志賀貢
医学博士。内科医として診療する傍ら、260作以上の小説やエッセイを執筆。また、性感研究の第一人者で『かなりHな夜の教科書』(河出書房新社)など、医学的見地に基づいたSEX&口説き術にまつわる著書も多数。