<全英オープン 2日目◇17日◇セントアンドリュース・オールドコース(7,297ヤード・パー72)>
 今大会で全英オープンを引退するトム・ワトソンがスウィルカンブリッジで大喝采を浴びた時から、さかのぼること4時間。ワトソンがデビューした翌年のバークデール大会で「全英オープン」初出場を飾ったイングランドの“サー”ニック・ファルドも予選通過はならず2日目で全英と別れを告げた。
【写真】大会前に会見に臨むニック・ファルド
 ファルドは87年と92年にミュアフィールド、90年にはセントアンドリュースで優勝。地元のビッグタイトルを3度制して伝説の仲間入りを果たした。そして、セントアンドリュースで勝利した25年後の今大会を最後と決めて、息子のマシューをキャディに従えて出場。しかし、普段からメディアの仕事を多くしているため、実際に選手としてコースに立つ機会は少なく練習不足は明らかだった。
 初日は11オーバーと大たたき。しかし、2日目は1アンダーで回って見せて、レジェンドの面目躍如に成功した。試合後の会見では「悪くないだろう?」と茶目っ気たっぷりに笑った。
 最終的なスコアは通算10オーバー。決勝ラウンドには進めない。とはいえワトソン同様、最大の望みであったスウィルカン・ブリッジでの写真撮影ではまずマシューと肩を組み、その後は一人で万歳のポーズを取った。巻き起こる大歓声。この時18番とフェアウェイを共有する1番グリーンにいたのが松山英樹。パターを小脇に抱えると控えめながら祝福の輪に加わった。
 実は、ファルドは2日前のチャンピオン・ゴルファーズチャレンジ後のロッカーで手に怪我を負っている。この日の朝、またその傷が開いたために棄権も考えたという。しかし家族の後押しもあり強行出場。今大会の最大の鬼門とされる17番でバーディを取り、思い出の橋で記念撮影をするなど、その決断は正しかったことを証明した。
 橋の上で天を仰いだファルドはこう呟いたと言う。「ゴルフの神様、ありがとう。セントアンドリュースの17番のゴルフの神様、バーディを取らせてくれて本当にありがとう!(笑)」。
 そんなレジェンドにゴルフファンも感謝の気持ちで一杯だ。だから言いたい。「サー。感動をありがとう、お疲れさまでした」。

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