ISS にデブリが接近。クルーはソユーズ宇宙船に一時退避するも、衝突なく無事

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日本時間7月16日、ロシアの古い気象衛星の破片(デブリ)が国際宇宙ステーション(ISS) に接近しました。万が一の事態を避けるため、滞在中のクルーは一時ソユーズ宇宙船に退避しましたが、幸いにもデブリは ISS から3kmほどのところを通過し、現在は通常運用に戻っています。
 
 ISS のクルーにデブリの接近が伝えられたのは最接近予測時刻まで1時間半に迫った時点でした。現在 ISS に滞在中のグナティ・パダルカ、スコット・ケリー、ミカエル・コニエンコの3名は、すぐにソユーズ宇宙船への退避準備を開始しました。

そしてすべての準備を終え、クルーがソユーズのハッチを占めることができたのは、最接近予測時間のわずか5分前でした。

結局、デブリは ISS から3km ほどのところを通過。事なきを得ました。クルーはそのまま1時間半ほど待機し、ISS の安全確認を完了してからふたたびステーション内に戻っています。

まるで映画「ゼロ・グラビティ」をそのまま現実にしたかのような話ですが、こうしたデブリが接近する問題は初めてではありません。NASA によると、ISS に接近するデブリがみつかり、クルーが退避しなければならなくなった事例は今回で4度目を数えるとのことでした。

過去には人工衛星どうしが接触事故を起こした事例もあり、軌道近辺のデブリは増え続けています。とはいえ、まったく対策が考えられていないわけではありません。たとえば迫り来るデブリを誘導して大気圏へ落とす方法や、レーザー光線を使う方法、さらには捕獲カゴを備える宇宙船でパックマンのように回収する方法などが研究されています。
 


 
日本の 油井亀美也 宇宙飛行士が ISS へ向かうのは今から1週間後の7月23日。今回のデブリ接近問題による打ち上げ日程への影響はありません。順調かつ安全な滞在になることを願わずにはいられません。

ちなみに、かつては ISS もデブリを定期的に宇宙空間へ放出していました。それはクルーが排泄した尿。液体は船外へ放出されると一瞬にして凍結し氷の結晶となります。これが一種のデブリとなって、宇宙空間をしばらく漂っていました。ただ、2008年に尿から飲料水を精製するリサイクルシステムが導入されたため、現在は"尿デブリ"の放出は大きく減っています。