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健康のためには、さまざまな栄養素をバランスよく摂取することが基本ですが、女性には、特に不足しがちな栄養素や積極的にとりたい栄養素があります。それぞれの栄養素の役割や、どんな食材に多く含まれるかを知って、毎日の食事づくりやメニュー選びに役立てましょう。

○女性に多い貧血の予防に「鉄分」を

女性は毎月の月経で血液とともに鉄分が失われるので、鉄欠乏性貧血になりやすい傾向があります。そのため、鉄分はもっとも重要な栄養素のひとつ。鉄分は体中に酸素を運ぶ役割を担っているため、不足すると酸欠状態になり、体がだるい、疲れやすい、めまいなどの症状が出てしまいます。

鉄分には、吸収率が高い「ヘム鉄」と、吸収率が比較的低い「非ヘム鉄」の2種類があります。ヘム鉄は、カツオ、マグロなどの魚やレバーに、非ヘム鉄は、ほうれん草や小松菜、ブロッコリーなどの野菜に特に多く含まれています。また、非ヘム鉄は、動物性タンパク質と一緒に食べると吸収率が高まるので、肉や魚と組み合わせて調理するのがお勧めです。

○妊活中&妊娠中に必須! 「葉酸」

細胞の生成を助ける働きを持つ葉酸は、妊娠を考えている女性や妊娠初期の妊婦さんに必須の栄養素として、近年特に注目を浴びています。その理由は、葉酸は細胞分裂が盛んな胎児の発育にとって不可欠な上、胎児における神経管の先天異常の発症リスクを低減させることがわかったためです。

厚生労働省は、妊婦に対し、食事から480μgの葉酸をとることを推奨しています。葉酸は水溶性のビタミンB群の一種で、ほうれん草などの緑黄色野菜や果物に豊富に含まれています。ただし食事だけで十分な量をとるのは難しいので、サプリメントで補ってみてください。妊娠を考え始めている女性も、妊娠前から葉酸を摂取し始めましょう。

また、「フォリアミン」という葉酸の薬もあります。1錠で5,000μgと高用量なので普通は処方されませんが、抗けいれん剤服用中の人や、過去に二分脊椎の赤ちゃんを出産したことがある人には葉酸2,000μg〜5,000μgの投与が勧められるので、フォリアミンを1日1錠服用する場合もあります。

○将来の骨粗しょう症対策にもなる「カルシウム」

カルシウムは骨や歯を作る主要な成分。日本人の食生活には不足しやすいと言われているため、普段から意識してとりたい栄養素です。骨の代謝には女性ホルモンが深く関わっており、女性は閉経を迎えると骨粗しょう症になりやすい傾向があると言われています。

カルシウムが豊富に含まれているのは、牛乳、乳製品、豆類、大豆製品、小魚、海藻、ほうれん草などの緑黄色野菜。また、ビタミンDにはカルシウムの吸収を助ける働きがあるので、あわせて摂取するとより効果的です。

ビタミンDはきのこ類や魚に多く含まれますが、日光浴によっても皮膚で産生されるので、適度に日光を浴びることが大切です。日本人女性はビタミンDが不足していると報告されており、よしかた産婦人科で行った妊婦さんのコホート研究では、約9割の妊婦さんがビタミンD不足ということが判明しました。

○女性ホルモンの働きをサポートする「大豆イソフラボン」

大豆に含まれるイソフラボンは、女性ホルモン(エストロゲン)によく似た化学構造を持っていると言われています。その効果についてはまだよくわかっていない部分もあるのですが、 女性ホルモンが低下する更年期の女性の場合、大豆イソフラボンの摂取で更年期障害などが改善すると考えられています。納豆などの豆製品にはカルシウムも豊富なので、毎日の朝食に取り入れるのもいいですね。

○便秘体質の人は特に多めに!「食物繊維」

女性は生理周期によって女性ホルモンの影響を受けるため、便秘になりやすい傾向があります。便秘改善に作用するとされている成分が食物繊維です。

食物繊維には、穀類、野菜、豆類などに含まれる「不溶性食物繊維」と海藻、こんにゃくなどに含まれる「水溶性食物繊維」があります。前者には腸を刺激して便通を促す働きがあり、後者には腸内環境を整える働きがあるので、両方をバランスよくとることが大切です。現代の日本人の生活では、食物繊維が不足しがちなので、意識してとるようにしましょう。

そのほか、ダイエットのために控えがちな脂質には、髪や肌のうるおいを保つ働きがあるので、最低限の量は必要。また、美肌をつくると言われるビタミンCも味方にしたい栄養素です。

健康や美容のプラスになると思うと、ちょっと苦手な食材や料理にもチャレンジする気がわいてきませんか? 今回ご紹介した以外にも、幅広い栄養素や季節の食材を取り入れて、食生活を楽しみましょう。

※画像は本文と関係ありません

○記事監修: 善方裕美 医師

日本産婦人科学会専門医、日本女性医学会専門医
1993年高知医科大学を卒業。神奈川県横浜市港北区小机にて「よしかた産婦人科・副院長」を務める。また、横浜市立大学産婦人科にて、女性健康外来、成人病予防外来も担当。自身も3人の子どもを持つ現役のワーキング・ママでもある。

主な著書・監修書籍
『マタニティ&ベビーピラティス―ママになってもエクササイズ!(小学館)』
『だって更年期なんだもーん―なんだ、そうだったの?この不調(主婦の友社)』
『0〜6歳 はじめての女の子の育児(ナツメ社)』など

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