名スターターの最後となる、聖地での全英オープンが始まった。

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<全英オープン 初日◇16日◇セントアンドリュース・オールドコース(7,297ヤード・パー72)>
 全英オープンの声といえば、やはりこの人、オフィシャルスターターのアイバー・ロブソンだ。1975年以来、40年にわたり継続して聞かれてきたあの独特の甲高い声は今年も健在。だがロブソンは、セントアンドリュースで開催する今大会を最後に、現役を退くことを表明している。
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 コアな全英オープンファンにとっては、記念すべき開幕ファーストショットは逃せないところ。少なくとも今朝セントアンドリュースの1番ティグラウンドのスタンドに集まった300人程度の観客は、そう感じていたはずだ。
 早朝の気温は上がっていないものの、ギャラリーの中には半袖半ズボンの人もいる。とはいえ、名物スターターの装いはまるで違う。彼がそんな恰好で選手の呼び出しをしていたら、これは大問題である。いつもどおりのグリーンのブレザーにネクタイの正装で、いつもどおり選手たちが来るずっと前からその瞬間を待ち構えるのだ。
 プロ意識の高いロブソンは、前日の夜から水分と食事を極分控えて試合に臨む。「もし用を足したくなったら困りますからね(笑)」と本人が話す通り、スターターの仕事には安心してトイレ休憩する時間がないからだ。
 41年目となるこの大会で、最初の組で登場したのはロッド・パンプリングとグレッグ・オーウェン、そしてトーマス・ビョーンの3人。スタート時間の数分前に姿を現した。そのすぐ近くには、R&Aのチーフエグゼクティブ、ピーター・ドーソンの姿もある。
 選手たちはキャディと真剣に話をし、その間ロブソンは目の前に置かれた書類を忙しそうに動かしている。そして迎えた6時32分、ついにその時がやってきた。
 「グッドモーニング、レディス&ジェントルマン」
 ハイピッチだが聞くものを安心させるその声に、ギャラリーの中には笑顔がこぼれた。
 「第144回全英オープンゴルフ選手権へようこそ。大会初日の最初の組。ティグラウンドに立つのは、オーストラリア出身…… ロッド・パンプリング選手です!」
 ロブソンのアナウンステクニックは素晴らしく、特に選手の名前を呼ぶ前に一呼吸入れるスタイルは、もはや円熟の極み。同時にギャラリーの中から拍手が生まれ、選手が登場する。
 ベテランスターターにとっては最後となる、聖地での全英オープンが始まった。

<ゴルフ情報ALBA.Net>