Flashは消滅してしまうのか、なくなっても困らないの? 現状と今後

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最近になって相次いで深刻な脆弱性が発覚しているFlash Player。
Flashは、Webサイトでの動画やアニメーションの再生、ゲームでも利用されることが多い機能だ。

最近の相次ぐ脆弱性の露呈に、米Facebookの最高セキュリティ責任者Alex Stamos 氏は、「AdobeはFlashの終了をアナウンスすべき」とも言っている。

Flashの何が問題なのだろうか? そして、なくなると困ることはなんだろうか?

●HTML5への置き換えが進むFlashの環境
Flashは、Adobe Systems社が提供するWebコンテンツの制作環境や動作環境だ。
動画サイトなどで利用されることも多い。また、人気の『艦これ』などのゲームを遊ぶにはFlash Playerが必要になるなど、利用しているコンテンツは多い。Adobe Systems社のサイトから無料のFlash Playerをダウンロードすれば、こうしたコンテンツを楽しむことができる。

しかし、広く利用されているFlashは、クラッカーにとっての攻撃のターゲットになることも多く、最近でもイタリアの企業が攻撃を受けて顧客リストが流出する事件が起きたばかりだ。

情報処理推進機構(IPA)は13日に注意喚起の文書を出し、Flashの無効化を推奨するほどの事態となっている。それに対し、Adobe Systems社は14日に更新版を緊急リリースしている。

攻撃の対象とされやすいFlashは、最近ではサイトやコンテンツなどでサポートされないことも増えてきている。
iOSのSafariは、最初からFlashをサポートしていない。
Androidもバージョン4.4以降は正式対応から外されている。

Flashがサポートされなくなってきたのは、セキュリティの問題だけでなく、HTML5の普及も要因だ。HTML5は、動画やアニメーションの作成や、ゲームなど動きのあるコンテンツを作ることができるので、Flashにかえて採用するサイトやコンテンツが増えているのだ。

パソコンだけでなく、iPhoneやAndroidなどスマートフォン環境にもWebコンテンツを提供することを考えれば、今後はHTML5の利用が主流となっていくことは間違いないだろう。

ただし、Flashゲームなど過去の資産は、現在も豊富にあるため、引き続きFlash環境を利用するニーズは残っており、すぐに消滅するということはなさそうだ。