安倍晋三公式サイトより

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 安倍首相の安保法制をめぐる発言をあらためて検証。そのトンデモ発言をランキングにしているこの企画、いよいよ後編、第4位から1位の発表である。書いているこちらも怒りで頭がクラクラしてきたが、ぜひ最後までお付き合い願いたい。


★第4位 「実際、(自衛隊員の)リスクは下がっていくと思います」
(7月8日、ネット番組で)

 ■自衛隊のリスクはむしろ下がる? 小学生低学年以下の反論で輪をかけてわかりにくく■

 前編でも紹介したネット番組で、自衛隊員のリスクについて「例えば1あるリスクが1増えて、更に1増えて、1+1+1=3で、今まで2だったものより増えたじゃないかという単純な話ではない」というわけのわからない発言をした安倍首相。

 上から目線で分かりやすく説明しようとして、逆に自分の頭の悪さを露呈させたかたちだが、もっと驚いたのは"むしろ自衛隊のリスクは下がる"などと言い出したことだ。

「今度私たちがつくる法律は恒久法ですから、あらかじめ各国とも連携した情報収集や教育訓練が可能となり、色んな事態に対応できる訓練が可能になりますから、実際、リスクは下がっていくと思います」

 地球上のあらゆる戦闘場所に出かけて行って、後方支援、つまり一番狙われやすい兵站を担当するのに、訓練さえすれば大丈夫!って、そんなわけないだろう。

 むしろ、安倍首相は「1+1+1=3」という小学生レベルの当たり前を一から勉強し直した方がいいのではないか。


★第3位 「戦争法案などといった無責任なレッテル貼りは全くの誤りだ」
(5月14日、記者会見で)

 ■または首相は如何にして説明するのを止めてレッテル貼りを愛するようになったか■

 閣議決定の日の記者会見で言ったこのセリフ。もはや説明は不要だろう。昨年7月14日にも、集団的自衛権をテーマに開かれた衆院予算委員会の集中審議で、民主党の海江田万里代表(当時)が「抑止力を高めると軍拡競争が始まるのでは」と指摘。すると安倍首相は「レッテルを、私がレッテルを貼ったなら謝るが、海江田さんもレッテルを貼ったなら取り消していただきたい。お互いにレッテルを貼りあうという不毛な。海江田さんがまずレッテルを貼ったから、私もレッテルを貼った。レッテル貼りの議論ではなくて、レッテル貼りではなく中身の議論をすべきだと思う」と、なんと1回の答弁で8回も「レッテル」という単語を使った。"首相の異常なレッテルへの愛情"はなんなのか? 

 前述の"捏造認定"にしてもそうだが、結局「捏造だ!レッテル貼りだ!」と連呼することによって、説明から逃げ続けているだけだろう。しかも、それでいて、自分は例の「日教組」発言のように、ネトウヨ並みのレッテル貼りを平気でやる。まったく度しがたい人物である。

 きっと、戦争をおっ始めて国際社会から批判されても「今、我々がやっている平和のための戦いを"戦争"だなどというのはレッテル貼りです」とか言うんだろうなあ......。


★第2位 「日本を攻撃しないと言いながら、意図を隠して攻撃の用意をしていることは当然あり得る」ほか
(7月3日、特別委での答弁)

 ■集団的自衛権の条件をいつのまにか拡大! 陰謀論を駆使して侵略戦争も可能に■

 二転三転した安倍首相の答弁のなかでも、もっとも酷いのはいつの間にか集団的自衛権発動の条件が変わっていたことだろう。7月10日の特別委で、集団的自衛権の行使が可能となる状況について「邦人輸送中やミサイル警戒中の米艦が攻撃される明白な危機がある段階で認定が可能」と言い放った。しかし、首相は6月には「米艦にミサイルが発射された段階」で判断できるとしていたわけで、いつのまにか条件を拡大していたことになる。

 ようするに、「あの国から米艦隊が攻撃されるだろう」と政府が恣意的に認定しさえすれば、いつでも集団的自衛権を行使することができるらしい。

 また、7月3日の特別委では「日本を攻撃しないと言いながら、意図を隠して攻撃の用意をしていることは当然あり得る」と説明しており、つまり明白な危険が「ない」ことが確認できないなら、自衛隊が攻撃することがあり得るというのだ。さすが、イラク戦争について「大量破壊兵器を持っていないことを証明しなかったイラクが悪い」と言ってのけた安倍首相。こういうのを悪魔の証明というが、その論法はまさに独裁者が粛清するときのそれ。中国か北朝鮮への戦争に踏み切るのも時間の問題か?


★第1位 「我々が提出する法律についての説明はまったく正しいと思いますよ。私は総理大臣なんですから」
(5月20日、国会党首討論で)

 ■俺が言ってることは正しいのだから正しい! まさにファシスト! さようなら民主主義■

 やはり、栄光の第1位はこれをおいてないだろう。他でもない"安倍ファシズム宣言"だ。5月20日の国会での党首討論会では、共産党・志位和夫委員長とのポツダム宣言をめぐる攻防が話題となったが、むしろ見逃してはいけないのはこっちのほうだ。

 煮え切らない首相の答弁に、民主党・岡田克也代表が「何一つ納得できない。間違っていますよ!」と怒りをあらわにしたことに買い言葉の安倍首相。「何をもって間違っていると言っておられるのかわかりませんが、我々が提出する法律についての説明はまったく正しいと思いますよ」とをまくしたて、そして小バカにしたように吹き出しながらこう続けた。「私は総理大臣なんですから」(笑)。

 まさかの「俺が法律だ」宣言である。もうあきれ果ててツッコむ気にもなれないが、安倍首相の民主主義観というのは、つまり「一度選挙で選んだら国民は白紙委任して黙っておけばいい」ということだろう。そう考えてみると、今回の安保法制法案について、国民の理解が進まないのは、法案の内容が複雑だからでも、政府の説明が下手だからでもない。ひっきょう、安倍首相が国民のことなどどうでもいいと思っているからだ。おとなしく俺の言うことに従っておけばいい、と。

 いかがだっただろうか。こんな人間がいま、日本国行政のトップに君臨しているのだ。

 しかも、真の恐怖はこれからだろう。なにせ、自衛隊の最高指揮監督権を持っているのがこの男で、しかも安保法制により、その自衛隊の活動範囲が飛躍的に拡大し、他国への攻撃が可能となるのだ。はっきり言うが、安倍晋三が総理大臣であるかぎり、日本は他国との戦争はさけられない。

 だが、前編の冒頭でも言ったように、まだ望みはある。世論がもっと盛り上がり大きな反対運動になっていけば、安倍内閣を倒し、安保法制を廃案にすることも、決して不可能ではないのだ。

 そのためにも、この史上最悪の総理大臣の危険な本質をさらに多くの人に知らせる必要がある。奮って拡散していただきたい。
(梶田陽介)