「ドル」といえば米国ドルが有名ですが

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 円安が進み、訪日外国人も増えたことで、外国語でのガイドやパンフレットの充実、さらには免税対策など、利便性の向上を図っている業界も増えてきました。多くの外国人が来日するようになった背景には、日本のサービスや商品の質の良さもありますが、やはり最大ポイントは最近の円安(つまりが外貨高)です。

 さて、海外旅行となると気になる各国通貨。そもそも円やドルのように世界の主要国でその国の通貨に交換可能な通貨にはどのようなものがあるのでしょうか?

 現在、国際決済通貨として認知されているのは、米ドル、ユーロ、日本円、そしてイギリス・ポンド、スイスフランです。認知されている通貨の方が、国際的にも支払いの上で便利です。私も先日、日本国内のゴルフショップで、足りない分を持っていた数十ドルで支払いました。日本国内ではまだまだ一般的とは言えませんが、このように国際通貨は街角でも使える場合があります。

 ところで、「ドル」といえば米国通貨のイメージが強いのですが、実はカナダなども同じ「ドル」表記ですね。「ドル」という呼称の起源は、貨幣が流通し始めた時期において、南ドイツで「ターレル(thaler)」と呼ばれていた銀貨が、信頼性のある通貨という意味合いで広がり、「ドル」として呼ばれるようになったのが始まりだといわれています。

 では、全世界で「ドル」という呼称を持つ通貨はどれくらいあるのでしょうか。
 
「ドル」と呼称される国の通貨は米国以外に全世界で22カ国もあります!
 
 これらの「ドル」表記通貨の分布をみますと、主にアメリカを中心とした経済圏と貿易相手国が多いようです。ちなみに通貨コードは「ISO(国際標準化機構) 4217」で規定されています。3文字のアルファベットで表記され、原則として最初の2文字が国の識別コード。3文字目が通貨のイニシャルです。

●北米
カナダ(CAD)
●中南米地域
ケイマン諸島(KYD)、ジャマイカ(JMD)、バルバドス(BBD)、バハマ(BSD)、ベリーズ(BZD)、バミューダ(BMD)、東カリブ(カリブ海の8つの国家と地域、KCD)、トリニダード・トバゴ(TTD)、ガイアナ(GYD)、スリナム(SRD)
●アジア地域
台湾(呼称、TWD)、香港(呼称、HKD)、ブルネイ(BND)、シンガポール(SGD)
●オセアニア地域
オーストラリア(AUD)、ニュージーランド(NZD)、フィジー(FJD)、ソロモン諸島(SBD)
●アフリカ地域
リベリア(LRD)、ナミビア(NAD)、ジンバブエ(ZWD)

 台湾(TWD)と香港(HKD)は、現地では一般的にはドルとは呼ばれていません。台湾・香港の現地では「圓」であり、銀行・国際通貨取引上TWD、HKDとして表記されているだけです。「圓」つまりは日本の通貨呼称の「円」と同じ、と漢字の繋がりは面白いものです。

 ドルという表記は、アメリカとの経済的交流が深いためです。それと同じく、スペイン語圏では「ペソ」、イスラム圏では「ディナール」、北欧圏では「クローネ(クローナ)」など、経済的なつながりが深い関係国の間では、通貨の呼称が共通しています。通貨の呼称を調べるだけでも、経済・歴史的なつながりが見えてくるのが外国為替の面白さです。

 そういえば、中国が人民元(元と表記しますが、現地では「人民幣」(Remimbi レミンビといわれています)の国際通貨としての認知度を向上させるため行動していますが、歴史的な背景や国際的な決済での信任という点をクリアしていく必要を考えますと(他国の街角でも支払いに使えるなど)、決済金額の大きさでだけで認知させようとするのは、無理があるかもしれませんね。(FXストラテジスト 宗人)