「ホウチ民」でニューヨークに放置されたゆりやんレトリィバァ

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海外に行って無茶をしまくるTBSの深夜バラエティが話題だ。

海外経験のないタレントたちが、いきなり知らない国に連れて行かれ、放置されたらどうなってしまうのか!? を観察する『ナイナイの海外定住実験バラエティー 世界のどっかにホウチ民』(TBS系・水曜23:53〜)、あるジャンルにクレイジーなほどのめり込み過ぎている旅人たちと世界を巡り、麻薬の実体や、見たこともない裏社会など「こんな映像、テレビで見たことないよ!」というレベルの映像を放送しまくっている『クレイジージャーニー』(TBS系・木曜23:53〜)。

ここ2週間、放送がお休みで待ち遠しかった人も多いんじゃないかと思われる両番組も、今夜の『ホウチ民』から放送再開!

ここまでもすごい展開が目白押しだったけど、これからさらにどうなってしまうのか!? 『ホウチ民』の演出・井上整、『クレイジージャーニー』の演出・横井雄一郎の両氏に、ますます盛り上がっている番組の裏話を訊いた!

前編はコチラ

景色のいい場所にかわいい子を


──『ホウチ民』は、3ヶ月間海外に放置されちゃうという過酷なロケですけど、事務所にはどういうオファーをかけているんですか?

井上 どんなタレントさんでも、さすがに90日間となると、いくつか仕事が入っているので、それをキャンセルしてもらって海外に行けるという条件でオファーしています。

──この人はこの国、というような割り振りはどのように決めたんでしょうか?

井上 ゆりやんレトリィバァさんなんかは、もともとアメリカ人の日常やセレブのあるあるネタをやっていたので、「オーマイガー」みたいな、あのキャラを活かすためにニューヨークに行かせようというのは迷うことなく決まりました。世界一高い場所にあるボリビアの首都・ラパスなんかだと、行った瞬間に酸素ボンベが必要になるんじゃないか……ということも予想されたんで、そこにはベテランの芸歴20年目のスパローズ森田さんに。さらに女優の田中美晴さんは、景色のいい場所にかわいい子が行ったら、少なくとも画はきれいなものが撮れるだろうという発想でザンビアに行ってもらいました。

──景色がきれいっていっても、アフリカですよ。女優さんにはキツイでしょう!

井上 そこは、本当に行かせてもいいかどうかっていう迷いはあったんですけど、事務所さんもその辺はオッケーしてくれたので。

──行くに当たって、本人はどの程度企画について理解していたんですか?

井上 行く前はほとんど説明しないままですね。

──まったく前知識も準備もなしで現地に行かせちゃう?

井上 当然、行くに当たってビザの申請だなんだをしなきゃいけないので、うっすらとは分かっていますけど、なるべくギリギリまで本人には伝えないようにしました。普通、海外に住むとなったら、事前にリサーチをして準備して「どうやって家を探すんだ?」とか、動線を作った上で行くじゃないですか。それをあえてさせないで、現地に連れて行き「はい、よーいスタート」で、まずは街を探すようなところからスタートしてますから。そのリアル感をドキュメントとして出したかったんで、「絶対に事前に調べないでくれ」っていうのは徹底していましたね。

──いきなり連れて行かれたとしても、ニューヨークやタイくらいなら概要が分かりますけど、ザンビアやボリビアなんてもう何が何だか分からないですからね。

井上 ちなみに、ザンビアは『地球の歩き方』を見ても4ページくらいしか載ってないんですよ。調べても無駄ですね。

あの変な人たちはスーパーMCじゃないと回せない


──一方、『クレイジージャーニー』の濃いゲストさんというのはどういう風に探したんですか?

横井 特殊な旅をしている人や、ひとつのことを突き詰めている人。なおかつ、その範囲が海外に広がっている人という条件で調べて探している感じです。

──よく出演されている丸山ゴンザレスさんって、今まで「裏モノJAPAN」みたいなアヤシイ雑誌でしか見たことがなかったんですが、そういう人をいきなりテレビで起用するというのは思い切りましたね。

横井 丸山ゴンザレスさんの『アジア「罰当たり」旅行』とか、そういう単行本が好きだったんですよね。『奇界遺産』の佐藤健寿にしても、本を読んだりして興味を持った人には片っ端から会っていくという感じにしているんですよ。いざ会ってみると、そういう人ってエネルギー感がメチャクチャ伝わってくるんです。そこでグワーッて来た人にはすぐお願いするっていう形ですね。

──『クレイジージャーニー』では、VTRで旅の様子を見せるだけじゃなくて、ゲストさんをスタジオに呼んで、松本さんや設楽さんと直接トークをさせるという形式を取っていますよね。

横井 出てもらっているゲストさんというのはみんな……良い意味でちょっとイカれてるんで(笑)。あるジャンルが好き過ぎて、テレビもロクに見ていないような浮き世離れした人たちばっかりで「松本さんは分かりますけど、設楽さんっていうのは知りませんねぇ〜」とか本人を前にして平気でいっちゃうんですよ。

──設楽さんなんて、日本で一番テレビに出ている人なのに!

横井 そのくらい変わった人たちと、スーパーMC陣が絡むと不思議な空気が生まれるんですよね。あの松本さんがずっと敬語でしゃべってますから。あれだけの人が圧倒されちゃうんですよ。

──逆に、あの変な人たちは、松本さんや設楽さん、小池さんじゃないと回せないでしょうね。

横井 一応、ゲストさんには「こういうことを話してくださいね」みたいなメモを渡しているんですけど、ほとんどの人たちが、はじまったら1ページも見ないで勝手にバーッと話しはじめちゃうんですよ! それがいいんですけどね。ホントにアンコントロールだし、自分のやりたいようにやっちゃう人たちなんで、それをさばけるのはあの3人しかいません。

実は『ホウチ民』の方がヤバイ!?


──こういうチャレンジングな企画をやっていると、どちらの番組もトラブルがいっぱい起こってるんじゃないかなと思いますが、一番キツかったトラブルは?

井上 うーん、細かいトラブルはいっぱいあるんですけど……。ザンビアに行っている田中美晴さんが現地に到着した直後、「安いホテル知ってるぞ」ってタクシーにキャッチされて、トランクに荷物を入れてホテルまで連れてかれて、案の定、通常の5倍近く料金をぼったくられて。それはまだよかったんですが、そのタクシーがスーツケースを取り出す前に走って行っちゃって……。あれはさすがにヒヤッとしましたね。本当はディレクターがタレントさんに話しかけるのは禁止にしていたのに、早くも「大丈夫? 現金はどこにあるの?」って声をかけちゃってましたから。結局、そのタクシードライバーさんは窃盗じゃなくて、ただ単に荷物を下ろすのを忘れて行っちゃっただけだったんで、荷物が戻ってきたからよかったんですけど。

──でもまあ、海外で慣れない人を生活させるとなったら、現金を全部取られちゃうくらいのトラブルは想定内じゃないですか? 本当にそうなった場合、どう対処するか、みたいなことは決めてあったんですか?

井上 当然、置き引き、スリ、ぼったくり、いくらでも考えられますけど……。まあ、みんな気をつけているみたいで、自分の財布や貴重品は肌身離さず持っているようです。海外ロケだったらタレントさんの貴重品はコーディネーターさんが預かったりするケースももあるんですけど、ウチの場合は全部自己管理でやってますね。

──タレントさんならまだしも、スタッフさんの機材や財布が盗まれちゃう可能性もありますよね?

井上 いやー……今のところ大丈夫ですけど、それもあり得ますよね。ナイナイさんからの指令で「深夜の街を歩く」っていう企画をやったんですが、その時はディレクターたちもさすがに怖かったっていっていましたね。そういう危険なことが起きるというトラブル以外にも、ボリビアに行っているスパローズ森田さんは、新築の家を契約して住もうとしたら、まだ工事中で完成していなかった……みたいなトラブルもありますね。いまだに完成してないみたいですけど(笑)。

──えっ、スケジュール的にはもう帰ってくるくらいの感じですよね?(インタビュー当時)

井上 そうなんですよ。そういうトラブルがどんどん起きるから「無事に帰ってくるのか?」っていうドキドキ感もあるんですが、逆に「とりあえずこの国で暮らしてくれ」って放置しているだけなんで、何も起きないんじゃないかっていう不安もありますね。日本で普通に暮らしているだけだったら、まあ何も起きないじゃないですか。でも、それじゃあテレビとしては成立しないですもん。危険なことが起きないで欲しいという気持ちと、それでも何か起こって欲しいという気持ち、両方と向き合っているという状態ですね。

──『クレイジージャーニー』の方は、ある意味すべてがトラブルみたいな部分もありますけど。

横井 とはいっても、基本的に「本当にヤバイ時にはやめる」というゲストさんの判断に従っているんで、本当にヤバイ場面っていうのは実はないんですよ。トラブルといえば……丸山ゴンザレスさんは、とにかく現地の食べ物を食ってそこの人たちと馴染んでいくということをやっているんですけど、インドで色々食べた後にお腹を壊しちゃって、スタジオの収録日に来れないかもしれなかったという……まあそれくらいですね。行こうと思っていたところに行けなかったり、天気などの都合で画がまったく撮れないという可能性もあるんですが、今のところ大丈夫ですね。

──こう聞いていると、一般的には『クレイジージャーニー』の方がヤバイことをしていると思われていると思いますけど、実は本当にヤバイことをしているのは『ホウチ民』の方という気がしてきますね。

井上 ええーっ、そうですかねー!?

横井 「暮らす」っていうのは結構ハードル高いですよ!

──しかも、海外初心者にほとんど情報も与えないでやらせているわけですからね。

井上 そういった意味では『ホウチ民』の方が、身近なヤバさっていうのはあるかも知れませんね。僕はニューヨークに行ったことなかったんですけど、今までは「洗練された大都会」っていうイメージを持っていたんですよ。それが、行った初日から自由の女神のコスプレをした人から金取られたりとか、ラッパーが絡んできたりとか……そういうのはやたらとありましたね。ザンビア、ボリビアでも、命の危険まではいかないですけど、ぼったくり被害なんかは見飽きたよというくらいしょっちゅう起こっていますから。

これからの見どころは!?


──やはり同じ枠で放送されている番組というのは意識してしまう部分があると思いますが、お互いの番組を見ての感想は?

横井 井上さんの作る番組からは「お祭り感」というのをいつも感じているんですが、『ホウチ民』もお祭り感がスゴイですよね。4人のタレントさんが4カ国で同時進行で暮らしてしまうという……。絵面もどんどん変わっていって見飽きないし、うらやましいですよ。こっちは基本的に毎回ひとつの旅を集中して紹介しているので、時々、画が足りなくなっちゃったりして……苦労しています(笑)。それに、僕は将来的に一度は海外に住みたいと思っているので、そういう意味でも真剣に見入っていますよ。

井上 そうなんだ(笑)。横井くんは、前々からマニアックな本をよく読んでいるなーというのは知っていたんですが、それが上手い具合に形になったんじゃないですかね。以前『ジュニアラマタの世界ウイット遺産』という横井くんの番組に携わったことがあるんですけど、あの番組も世界の有名人のマニアックな名言なんかを紹介していて、横井くんらしいなーと思っていたんですが、今回の『クレイジージャーニー』では、さらに普通だったらテレビでやらないような海外のマニアックな場所に行っちゃって、しかもそれが数字も取っているというのはスゴイと思いますよ!

──それでは最後に、今後の放送の見どころを教えてください。

横井 16日放送の『クレイジージャーニー』では、丸山ゴンザレスさんがジャマイカのスラムに潜入して、なかなかスゴイ映像が撮れていますね。

──ジャマイカというと、レゲエくらいのイメージしかありませんが?

横井 レゲエに付随して、大麻の生産地という側面もあって、アメリカやメキシコに供給する拠点になってしまっているんですよ。そういう面を丸山ゴンザレスさんが見に行きたいといっていて、実際に色々と見れたし、接触することもできています。かなりスリリングなところまで踏み込んで流せると思います。

井上 15日放送の『ホウチ民』は、いよいよ3ヵ月の滞在の後半戦に突入していくわけですけど、それだけ長いこと生活していると、色んな人との交流があるわけで……。実は、現地の人から恋をされたり、ホウチ民自身が恋をしたりと、色々と恋愛が動きはじめます。そこは後半の肝になっていくと思いますのでお楽しみに!
(北村ヂン)