入会者が殺到する東大の投資サークル。彼らは何を見て投資してる?
 ギリシャの不安や上海株の一時急落などで上下の動きが大きかったものの、再び2万円台に戻し、まだ投資の機運は消えない日本株。株ブームもまだまだ続きそうで、一般の投資家も増えつつあるという。

 日本が誇る最高学府、東大の投資サークルも受験を勝ち抜いたエリートたちの入会者が殺到しているという。

◆新入生が殺到した東大の超人気サークル!

「親が持っていた新日鐵住金の株を譲り受けたのが、株式投資を始めたきっかけ。大学1年のときでした。それから株に興味をもち、2年のとき、このサークルに入ったんです」

 そう話すのは日本の最高学府・東京大学の投資サークル「Agents」に所属する原慶一郎氏だ。今年は前年の2倍以上となる20人超が入部を希望し、人数を絞らざるを得なかったという。東大生も投資に熱いまなざしを注いでいるわけだ。

「利益ですか? TOPIXを上回るくらいには儲かっています。取引するのは、なるべくボラティリティ(株価変動率)が大きく、機関投資家があまり見ていないような銘柄が中心です」

◆「低ROE銘柄は買いたくない」

 気になるのは、その分析方法。東大生は何を見て判断しているのだろうか。

「『どの銘柄を買うか』はファンダメンタルズ分析。『いつ買うか』はテクニカル分析を使っています。よく見ているのはROE(自己資本利益率)。ROEが低い会社は買いたくありません」

 ざっくり言えば、元手を使ってどれだけ稼いだか、利益の効率性を示す指標がROE。ROEが高いほど、「あの会社、上手く儲けてるよね」ということになる。大雑把な目安として、10%を超えていれば優秀といえる。

「あとは『ディスカウント・キャッシュ・フロー法』(DCF法)ですね。企業が将来生み出すキャッシュ・フローを現在価値に割り引いて合計したものが、その企業の適正な時価総額になるとする考え方です。昨年は調剤薬局大手のクオールをDCF法で分析し、大きな利益がとれました」

◆東大生の頭脳が着目したのはあの業界!

「注目しているのが人材派遣業界。とくに看護や建設業界の人手不足は顕著ですから、エス・エム・エス(2175)に注目しています。人材派遣の会社ですが、医療業界に特化しているのが強み。自己資本比率は60%と高く、ROEに至っては30%超。財務の健全性が高い上に、非常に効率的に利益をあげているということになります。今年5月以降、上昇トレンドに入っているので、テクニカル的にも悪くない」

「もうひとつ注目しているのがフィットネス業界。ライザップがブームとなったり、コナミが参入したりと、健康需要の高まりとともに裾野が広ってきています。ここで注目しているのがルネサンス(2378)とセントラルスポーツ(4801)。この2社のどちらがよりいいのか、今、詳細に検討しているところです」

「日本株を買いたいけど、銘柄がわからん!」と悩んでいる人、東大生の頭脳が発掘したこの3銘柄なら安心して買えるのでは。

<文/高城 泰(ミドルマン)>

◎Agents
東京大学の株式投資クラブ。株式投資を通じて社会や経済を学ぶとともに 学生という立場を活かし金融のプロと一般人の「仲介役(Agent)」となるべく活動している。
http://www.ut-agents.com

【高城 泰】
マネー系記事を得意とするするフリーライター。「週刊SPA!」本誌をはじめ、さまざまな媒体で活躍している。