出産を機に信仰心が強くなるママが多いとか

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 ママ友の中で意外と多いのが、出産を機に“健康志向”に目覚める人。それまで普通に食べたり飲んだりしていたのに、急にマクロビオティックというような肉類・卵類を一切口にしない食事療法を始めたり、カフェインやアルコールを飲まなくなったり。健康志向にハマるようなママ友に共通しているのが“信仰心が強く、人に勧める”というところ。

「ワクチン接種は悪」と説くママ友

 実際に、ママ友から勧誘を受けたと言う理恵さん(仮名・32歳)に話を聞いた。

「同じ地域で子育てをしているママ同士のコミュニティで知り合ったママ友なのですが、高学歴の“リケジョ”で、雑誌に載っていた無農薬や有機野菜に興味を持ち、送料を浮かすために共同購入を勧めてきます。児童館などで会うたびに、パンフレットを持ってきて“農薬は有害”と洗脳してきたり。一歳半の歯科検診の話題になった時、“フッ素はIQが低くなる”と真顔で言ってきて、うちは子供が元気ならばそれでよいと思っているので、対応に困っています」

 身近な人が、出産を機に信仰心が高まるケースも後を絶たない。3歳児を育児中の沙紀さん(仮名・34歳)はこう語る。

「職場の同僚が、不妊治療を行い妊娠できたのですが、同時にスピリチュアルに目覚め、パワーストーンを身に着けるようになりました。妊娠や自然分娩もすべてパワーストーンのおかげだと思っているみたいで、二人目を希望している私に、“ムーンストーンがいいよ。良い店紹介してあげる”と誘ってきます。毎日、顔を合わせるので断りづらく、ランチなども別々に行くようになりました」

 ネットや雑誌でも、意見が分かれることもある「ワクチン接種」。昔と違い、0歳台で受けるワクチンは6〜7種類、接種回数は15回以上にも及ぶ。特に初めての育児になると、ワクチンの同時接種や、副作用など不安も多い。

「子供にアレルギーがあるため、マクロビオティックの食事療法をしているママ友が、“ワクチン接種は悪”と考えていて、定期的に開かれる“ワクチンの有害性”を説く説明会に招待してきます。うちの子はもう一歳半を過ぎているので、ワクチン接種済みですが、これから接種するような0歳児のママさんは、周りに極端な人がいると、何が正しいのかわからなくなるだろうし、かわいそうって思いました」(理恵さん)

 沙紀さんも、世話好きなママ友とのつきあいに悩んでいる。

「親と離れて育児している場合、周りに聞ける人がいないので、どうしても身近なママ友の存在が重要になる。信仰心が強いママ友は、“子育てに良い”と思って勧めてきているので、興味がないと言うと一気に険悪なムードに。相手の育児論も否定していると勘違いされるので、断りづらいです」

 昔と違い、ネットの普及によって育児にまつわる情報が手に入りやすくなった。信憑性に欠けても、子供に良いと聞けば試してみたくなるのが親心。周りに流されず、いいとこどりができるようになれば信仰心も悪くないかも。

(取材・文/如月小百合)