試合開始早々、失点を重ね、日本列島が悲鳴に包まれたサッカー女子ワールドカップ(W杯)カナダ大会決勝戦。なでしこジャパンが初優勝を果たした2011年のドイツ大会に続く米国との再戦とあって早朝から注目が集まったが、結果は2対5という“泣きたくなるような大敗”だった。

 この惨敗により、思惑を大きく狂わされたのが安倍政権だ。「安保法制」や「マスコミ弾圧発言」で支持率が40%台に低下。ここで安保法制の強行採決をすれば、さらに10%以上はダウンし、政権はレームダック(死に体)化してしまう。
 その前に「なでしこのW杯連覇」で日本中がお祝いムードに包まれ、次は東京五輪だ、頑張れニッポン!などと話題の転換を期待していただけに、自民党内のショックは計り知れない。

 そしてもう一つ、この惨敗が、なでしこの次期監督争いにも影響を与えそうなのである。
 前回、今大会と率いてきた佐々木則夫監督(57)は、'16年8月のリオ五輪を最後の花道とし、なでしこの監督を勇退するというのが既定路線になっている。
 次期監督の最有力候補は、'14年のU-17(17歳以下)女子W杯で優勝に導いた高倉麻子監督(47)。この17歳以下のチームが、東京五輪でのベースとなるからだ。そこにライバルとして、日本サッカー協会の女子委員長・野田朱美氏(45)が立ちはだかる構図だった。
 「東京五輪のメーン競技場となる新国立競技場にフランチャイズ移転を画策している読売新聞社グループは、“朝日新聞色”の強いサムライブルーの男子日本代表に対抗し、女子日本代表の主導権を握ろうと躍起になっています。次期監督を争う高倉も野田も、実は日テレ・べレーザのOGで、どちらでもいいという出来レースだった。しかし、ベレーザOGの重鎮・澤穂希(36)がカナダW杯で先発メンバーを外され、決勝戦でボコボコにやられたことで状況が一変。第三の候補が現れたのです」(スポーツ紙デスク)

 その人物とは、なでしこリーグ二部のAC長野パルセイロ・レディース本田美登里監督(50)で、今大会なでしこをけん引したエース宮間あや(30)を発掘した人物として知られている。その後ろ盾が、澤のW杯フル起用に見切りをつけた佐々木監督なのである。
 この本田-宮間ラインに危機感を募らせた読売新聞グループが考え出したのが、今大会で不完全燃焼に終わった澤のなでしこ監督案。読売新聞グループは、澤に日テレ・ベレーザで監督のキャリアを積ませた後、東京五輪とW杯で日本代表と五輪代表の監督を兼任させようと計画しているのだ。

 いずれにせよ、決勝戦の赤っ恥で、W杯後に欧米への海外移籍を目論んでいたMF阪口夢穂(27)、DF有吉佐織(27)、鮫島彩(28)らの“夢”は消滅。結果、有力選手の日本残留が決まり、澤派、アンチ派なども表面化してくるはず。
 皮肉にも、W杯惨敗で面白くなった『なでしこ』から、今後も目が離せない。