【第97回南北海道大会展望】東海大四を中心に、虎視眈々と優勝を狙う各校!

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  センバツ準優勝の東海大四、春の北海道王者・北海、好投手・伊藤 大海を擁する駒大苫小牧が横一線だ。3枚の左腕がいる北照、投打においてレベルの高い札幌日大、エース・岡本 凜典が復活した札幌大谷にもチャンスは十分にある。

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東海大四ナイン

 3季連続甲子園出場を目指す東海大四が、絶好のクジを引き当てた。唯一、2回戦からの登場となる上、ゆとりのある日程となったことが、投打に大きなプラスとなる。

 センバツ準Vの立役者、エース・大澤 志意也(3年)は大舞台を経験して、心身ともに大きく成長した。札幌支部予選では3試合すべてに先発。初戦の北広島西戦では、ストレートにとことんこだわり4イニングを、続く札幌稲雲戦はコントロール重視の投球で3イニングを、代表決定戦の札幌平岡戦では完投を意識したマウンドさばきで8イニングをいずれも無失点と、完ぺきに近い投球を披露した。ただでさえ攻略の難しい右腕が、余裕をもって登板できるとなると、打ち崩すのはかなりの難題となるだろう。

 さらに打線にも日程が味方する。支部予選直前の練習で左手首を骨折していた邵 広基(3年)に復帰の光がみえてきた。センバツでは4番を任されていた主砲にとって、時間が何よりの薬となる。万全とはいかないまでも、邵が打線に加わることで厚みが増すことは間違いない。

 その東海大四を春の北海道大会で下した北照は、初戦で強豪・札幌日大と激突する。川端 翔(3年)、菅野渉(3年)、川村奨一朗(2年)の左腕トリオを中心とした守りから、攻撃のリズムを作っていく野球には、一段と磨きがかかってきた。小樽支部予選の代表決定戦では、小樽水産に対して7回まで2点のリードを許していたが、8回に同点に追いつくと9回、小泉理久(3年)の二塁打などであっさり2点を勝ち越した。

 この試合に先発した川端は、3失点しながらも浮足立つことはなく、最終的には15三振を奪い完投。春の全道大会では結果を残せなかった管野も、初戦で8回12奪三振と、きっちり仕上げてきた。

 一方の札幌日大は、春先から派手さはないが地力の違いをみせて、確実に南北海道大会にコマを進めた。ただ森本卓朗監督には、不気味な自信が漂っている。「すべて南北海道大会に合わせてきた。ここから調子は上がっていくしかない」とサラリ。この落ち着きの裏には、安定した左右2枚の投手陣がいる。右肘の不安から、春は1度もマウンドに上がることのなかったプロ注目の山本 龍之介(3年)は、札幌支部予選初戦の札幌静修戦に先発し、7回無失点。続く北広島戦では9回1イニングをピシャリと抑え、完全復調をアピールした。左腕・吉田 徹郎(3年)も代表決定戦の札幌白石戦で3安打完封と万全だ。少し不安だった内野陣は、三遊間を入れ替え、西野 維吹(3年)を遊撃に、吉田 真広(3年)を三塁に置いたことで落ち着いた。打線の状態も上向き傾向で、2002年春以来の甲子園を虎視眈々と狙っている。

 開幕戦で東海大四への挑戦権をかけて函館大有斗と戦う初出場の札幌山の手は、惣田進吾監督が今大会で勇退することを表明。ナインの奮起が期待される。知内は、これまで本別や留萌などの無名校を全道大会に導いてきたベテラン・本間茂裕新監督の手腕に注目が集まる。

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鎌仲 純平 (北海)

 春の全道大会を制した北海が、総合力で一歩リードしている。春は右肩痛で投げられなかった山本 樹(3年)が何とか間に合い、渡辺 幹理(3年)との2枚看板がそろった。春季北海道大会準決勝の北照戦で先発し、好投した2年生右腕の大西健斗、1番打者としてもチームを引っ張る柿沼和樹(3年)も控えており、投手層は厚い。

 打線は4番の鎌仲 純平主将(3年)が中心となる。プロ級のスイングスピードを誇り、長打力はもちろん、勝負強さも兼ね備えている。3番の丹野涼介(3年)が絶好調で、下位には一発長打を秘める佐藤佑樹(2年)を並べ、どこからでも得点のできる打線となっている。

 平川敦監督にとって、春の全道制覇は4度目。過去3度はいずれも夏の甲子園に結びつけることができなかった。昨秋の決勝で敗れた東海大四が、センバツ準優勝したことも強烈なモチベーションとなっている。

 その北海と春の北海道大会決勝で対戦した駒大苫小牧は、エースで主将の伊藤 大海(3年)が絶対的な存在だ。室蘭支部予選では、3試合すべてに先発して20イニング無失点。2回戦では、強打の鵡川打線を8回1死まで無安打投球で、1安打完封してみせた。「この夏は自信を持って臨めています。自分が思うところにコントロールできていますから。(南北海道大会では)連戦も避けられましたし一戦一戦、大事に戦っていきます」と、8年ぶりの夏切符獲得に向けて気合を入れる。松林憲吾、阿部光輝、阿部陽登の2年生トリオが、どこまで伊藤の負担を軽減できるかも、夏を勝ち抜くための大事な要素となる。

 初戦は札幌南との“札幌対決”となった札幌大谷は、右肘痛の癒えたエース・岡本 凜典(3年)が復活。1年秋には全道決勝までチームを導いた大型右腕のマウンドに注目が集まる。対する札幌南は、支部予選3試合すべて逆転勝ちと粘り強さが身上だ。

 北海と初戦でぶつかる北海道栄は、昨秋の悔しさをバネにチームを仕上げてきた。同じカードだった昨秋の北海道大会初戦、5−0とリードしながら5回に守備が乱れ9点を奪われ、苦杯を喫した。「あの試合を教訓にずっと練習してきた。同じ轍は踏みません」と渡辺伸一監督はリベンジに燃える。

 2年ぶりの南北海道大会となる札幌光星は、打線が好調なだけに左腕エース・本前郁也(3年)の出来がカギを握る。札幌支部予選では慎重になりすぎ、初回に失点してしまうケースが多くみられた。本来の投球が出来れば、駒大苫小牧とも好勝負になる。

ともにそつのない野球が売り物の函館ラ・サール、小樽潮陵との対決にも注目だ。

(文=京田 剛)

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