また、急性型から、慢性型に移行すると、はっきりした症状や季節性もなくなってくる。歩いたり、階段を上る動作だけで息苦しくなる呼吸困難の度合いが強くなっていくのだ。
 「夏型過敏性肺炎を根治するには、一にも二にも原因のカビを徹底的に除去するしかありません。医師が発生場所を調べて、患者さんには短期間、他の場所に移ってもらい、業者にリフォームしてもらうこと。家が古すぎて改装しようのない場合には、引っ越しをするケースさえあるので覚悟が必要です」(同)

 築20年以上の木造家屋はトリコスポロンが発生しやすいとされる。マンションでも湿度の高い3階くらいまでは要注意。加えて、木材だけではなく、枕の内容物に原因のカビが生えていた事例もあるという。
 「お風呂場や台所など、水に濡れる場所はこまめに拭き取ることが大事です。また、夏風邪の症状が長引く(2週間ほど)場合は、胸部X線、血液(抗体)検査や気管支鏡検査などで調べる必要があります。疑いがあればきちんと呼吸器専門医に診断してもらいましょう」(専門医)

 ここで、トリコスポロンが発生しやすい場所を列記しよう。
◆風呂場と脱衣所の間にある木の枠が腐っているケース。
◆台所の流し台の下の水漏れ場所。
◆洗濯機周囲の水漏れ場所(洗濯機下の防水カバーの裏側など)。
◆雨漏りや床下浸水の過去があれば、床板や畳の裏など。
 しかし、日頃から仕事の忙しさなどで十分な点検ができない人は、せめて「夏風邪か? →肺炎?」と自覚すべきだ。

 最後に、その疑うべき症状とはどんなものかを改めて復習しよう。
(1)微熱、咳、息苦しさ、倦怠感などの漠然とした風邪症状。
(2)咳はカラ咳で、夏の期間中、症状が続く。
(3)毎年、夏になると症状を繰り返す。
(4)自宅や会社など特定の場所にいると症状が強く出る。
(5)出張や旅行に出かけると症状が治まる。

 こうした点検で、症状に疑いが出れば、早めに呼吸器治療機関を受診すべきだ。
 「早い段階で治療を受ければ治りも早い。とにかく放置せず、線維化して重症になる前に対処するようにしましょう」(専門医)

 まだ湿度の高い梅雨の季節が続く。「たかが風邪」という思い込みはやめ、我が身をしっかりと守ろう。