カップル写真撮影サービスを提供するラブグラフ

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 スマホの普及と付属カメラの性能向上、セルフィー流行もあり、自分や家族、友人の写真を撮る機会は増えている。記念日も人生の節目も写真は自分で撮る人が増えている一方で、カップルのデート写真を撮影するサービスが登場し、人気を集めている。

「サービスを始めたころは友人に『リア充の写真なんて撮ってどうすんの』と言われました」というのは、カップルフォトサイト「Lovegraph(ラブグラフ)」を運営する株式会社ラブグラフの代表取締役、駒下純兵さんだ。

「他人の、しかもカップルの写真なんて誰が見たいの? とも最初は言われました。でも最近『全然知らんカップルの写真なのに、見ていてほっこりする』という感想をもらったんです。承認欲求とは違う、普通の感情に応えるサービスになっているんじゃないかと思います」

 ラブグラフのサービスは、カップルのデートにカメラマンが同行して1時間から2時間ほどかけて写真を撮るというもの。もともとカメラマンをしていた駒下さんが友人カップルの写真を撮りウェブサイトで公開したところ、普段の自然な写真をきれいに撮ってもらえると口コミで評判が広まった。仕事にするつもりなく2014年1月4日に始めたサービスだったが、拡大し続けるニーズに応えられるようにと2015年2月に株式会社化した。

「会社にしてからは信頼されやすくなったのか、ユーザーさんの年齢層も上がりました。ユーザーさんの中心的な層は18歳から25歳、大学生から社会人3年目くらいまでなのですが、先日は結婚25年目、銀婚式の記念の撮影をお願いされました」(前出・駒下さん)

 TwitterやFacebook、友人のLINEなどSNS経由でサービスを知った人が新たに撮影を依頼するケースが大半で、カメラマンを増員しながら今では月100件以上の依頼に応えている。SNSをよく閲覧している関東在住者からの依頼が多いが、旅行先で記念の撮影をとお願いされることもあり撮影地は京都など観光地も多い。

 ラブグラフのHPやSNSの公式ページをみると、撮影を依頼したカップルの写真が数多く掲載されていることにも驚かされる。

「撮影したカップルに掲載のお願いをすると9割くらいがOKです。撮ると、載るのが当たり前だと思っているようですね。追加料金で写真をイラストにするサービスもしているのですが、そちらも人気です。写真だと人に見せるのに照れくさいけれど、イラストなら大丈夫だと思っているみたいです」

 写真の撮影サービスといえば、子どもの写真を撮るスタジオアリスが少子化時代にも関わらず急成長していることで知られている。またカップル写真といえば、十代のユーザーが多い10秒動画サービス「MixChannel(ミックスチャンネル)」のスライドムービーがよく知られている。しかし、どちらもラブグラフのライバルではないと駒下さんは考えている。では、何がライバルなのか?

「自撮り棒です。誰でも写真を撮れる時代だけれど、家族で撮るとお父さんが写っていなかったり、スマホに残っている写真を見るとプリクラ風やわざとらしいポーズの写真だらけだったり。承認欲求を満たすための写真は10年後、20年後に思い出として振り返るものになりづらいです。ラブグラフは普通の感情、普通のよい思い出を残したい人のニーズに合っているのだと思います」(前出・駒下さん)

 結婚記念日の記念写真についてのアンケート調査で、やってみたいこととしてもっとも人気を集めたのは「普段の感じをナチュラルに撮影」(31.8%)だった(株式会社みんなのウェディング調べ)。また、自分の遺影写真は「普段着で笑顔の遺影」(56.8%)にしてほしいと望む人が大半だ(株式会社アスカネット調べ)。

 一昔前は、人生の節目には町の写真館へ行って記念写真を撮るものだった。これからは、折に触れ普段の感じの写真をプロカメラマンに撮影してもらい、思い出として残すものになるのかもしれない。