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1950年の初婚年齢は夫25.9歳、妻23.0歳でしたが、年々上昇し、2010年では夫30.5歳、妻28.8歳、2011年では夫30.7歳、妻29.0歳になっています(厚生労働省)。ちなみに、アメリカは夫30.5歳、妻28.8歳で、日本とほとんど変わりません。

国立社会保障・人口問題研究所が実施した「第14回出生動向基本調査 結婚と出産に関する全国調査(独身者調査)」(2011年)によると、いずれは結婚しようと考える未婚者の割合は、男性は86.3%、女性は89.4%と、依然として高い水準にあります。(「一生結婚するつもりはない」とする未婚者は第9回調査以降、男性、女性ともに緩やかな増加傾向にあり、男性9.4%、女性6.8%となっています)。

初婚年齢が上がってきたのは、女性の社会進出や結婚に対する意識の変化(別に結婚しなくてもという意識)、さらに恋愛期間の長期化も原因です。1987年、恋愛期間は3.1年でしたが、2010年には4.4年になっているのです(国立社会保障・人口問題研究所)。交際期間が長くなることで結婚願望が薄れていくこともあるよう。

また、男性の場合は、昔から年をとっても若い女性を求める傾向が強いですが、あまりこだわっていると、若い女性の人口自体が減っているため、結婚できなくなる恐れもあります。くれぐれも、高望みはしないようにしましょう。

○女性で最も初婚が早いのは「福島県」(27.8歳)

女性で結婚が最も早いのは、福島県で27.8歳。ただし、同じ福島県でも地域によって初婚年齢は異なります。浜通りが最も結婚が早く、次いで中通り、会津の順。浜通りの女性が早いのは、情熱家で衝動的な人が多いから。会津は恋愛には慎重な人が多いためです。全県的にロマンチストが多く、恋愛中は相手に、詩や自分で作ったカーディガンなどを贈る人が少なくありません。福島は「人は結婚するのが当たり前ですか?」に対して、「はい」と答えた人が65.6%と全国一多いところなのです。

2位は熊本県、佐賀県、沖縄県、山形県で、28.3歳。熊本県は、昔は竹を割ったような九州男児に対し、控えめで忍耐強いタイプの女性が多かったのですが、最近は自立志向の女性が多数派に。結婚が早くなったのも女性の自立が影響していると思われます。佐賀県と山形県は保守的なところが残っていて、「結婚するのが当たり前ですか?」で7位、6位だったところでした。沖縄県はたくましく精神力の強い女性が多いところ。バイタリティも十分で行動力もあり、姉御肌のため世話好きで、「私がいなくては……」ということで結婚が早いのでしょう。

○女性で最も初婚が遅いのは「東京都」(30.1歳)

逆に結婚が最も遅いのは、東京都(30.1歳)。46位は神奈川県(29.6歳)で45位は京都府(29.3歳)。以上の3県は、いずれも大都市がある県。これらの地域の女性は仕事がデキるうえ、女性の能力を認めてくれる環境にあるだけに、「結婚より仕事に」なってしまうのと、いざ結婚となると男性を見る目が厳しくなるのでしょう。また、周りも晩婚だけに結婚を焦ることは少ないし、異性がたくさんいて選択肢が多いことも影響していると思われます。また、京都府の女性は駆け引きを楽しむところも影響しているのではないかと思います。

○男性で最も初婚が早いのは「福島県」(29.6歳)

男性で結婚するのが最も早いのは福島県で、29.6歳。2位は熊本県で29.7歳、ともに女性でも1位、2位でした。福島は結婚するのは当然と思っている人が多いから。熊本は昔は、「肥後もっこす」といわれたところ。これは、偏屈で頑固で、融通がきかないという意味ですが、結構気の小さいところも。気性は激しく、短気で強情だから、感情的になりやすい、男っぽい「九州男児」のイメージそのもの。陽気で表裏がなく、惚れると情熱的に口説くタイプが多いからでしょう。

3位は宮崎県で29.8歳。宮崎の男性は素朴で温和で正直で、誠実で真面目。人はいいのですが、「いもがらぼくと」と(「いもがらぼくとう」とも)いわれました。これは、里芋の茎で作った木刀のこと。見かけは頼もしく立派ですが、頼りにならない宮崎男性の気質を表す言葉でした。そのわりに恋愛は意外と積極的。

○女性で最も初婚が遅いのが「東京都」(31.9歳)

逆に遅いのは、東京都(31.9歳)、神奈川県(31.5歳)、長野県(31.1歳)の男性。東京と神奈川は女性と同順位。長野県は、地域によって気質が異なります。なかでも、北信(長野市など県北部)の男性は、とにかく真面目で几帳面。完璧主義者が多く、安易に妥協しないため晩婚になっているのでしょう。

<著者プロフィール>
矢野新一
(株)ナンバーワン戦略研究所所長。エリアマーケティングの第一人者で、かつ県民性研究の第一人者。「県民性博士」とも呼ばれている。県民性に関する著作は20冊にのぼる。最新刊は『石川県人と富山県人のえっホント?』(北国新聞社)。テレビ出演、雑誌の監修も多数。無料アプリ「ズバット県民性」やサイト「県民性ワールド」も人気。東京生まれ。横浜市西区育ち。

(矢野新一)