来日中のシャシ・タルール国際連合広報担当事務次長は15日、国際連合大学で、「創立60周年を迎えた国連の意味」と題して講演を行った。

 タルール次長は冒頭、「国連は世界の人々に貢献するために設立された」と国連の存在意義を主張。60周年については「日本では還暦を祝う年ですが、国連は引退しない。今まで以上に世界に必要とされている」と語った。
 
 また国連が、99年のコソボ空爆や03年のイラク戦争を防げず批判されたことに対し、「国連は戦争の際は役に立たなかったかもしれないが、その後の平和構築には必要不可欠だ」として、行政の安定化や選挙監視など戦闘終了後に果たした役割を紹介。「国連はもちろん完璧ではない」としながらも、「これからも進んでいかねばならない」と結論付けた。

 講演の後、14日のマラッカ海峡の日本人船長ら誘拐事件やミャンマーの軍事政権、今後の国連改革についての質問が参加者から出され、同次長はその一つ一つに丁寧に答えていた。

 シャシ・タルール氏は1956年ロンドン生まれ。インドとアメリカで教育を受け、78年に国連難民高等弁務官事務所のスタッフとなった。01年1月より同職に就き、対外コミュニケーション戦略を担当している一方で小説家としても知られており、政治を風刺した『The Great Indian Novel』(89年)が有名。【了】