化粧品に鉱物油フリーの表示が最近増えています。化粧品に石油が原料の油が含まれていないかどうかに関心が高まっている証拠ですが、鉱物油は本当に肌によくない油なのでしょうか? 化粧品に使われる油の性質と肌への影響について解説します。

鉱物油は油焼けの原因になるの?

鉱物油は石油を原料にして作られた油分で、ワセリン、パラフィンなどがあげられます。原料が安いために化粧品によく配合される成分。1970年代までは石油の精製技術が進んでいないために鉱物油には不純物が入ることがありました。それが原因で、鉱物油を使って紫外線が肌にあたると色素が沈着して「油焼け」になったことも。現在では技術の進歩により鉱物油は高い安全性をもっていることが分かっているので安心です。たとえば、ワセリンはお医者さんが手術で出血を止めるときに使っています。ところが、鉱物油は以前の悪いイメージがまだ残っており、石油が原料というとガソリンなど化学薬品を思い浮かべる人もいます。そのため、鉱物油フリーの表示が増えているのです。最近は鉱物油安全性を強調するために、ミネラルオイルと表示することもあります。

鉱物油は肌に浸透せずに油の膜を作って肌を保護するので、クレンジングクリーム、クレンジングオイル向き。酸化しにくいという利点があります。ただしデメリットとして、頻繁に使っていると毛穴がふさがれて、肌自体が皮脂を出す力を弱めて乾燥させるケースも。また、肌から油分を落とすには何度か洗顔するか、強力なクレンジング剤を使わなければならないのはめんどうですし、肌にも負担がかかります。また鉱物油には、栄養素はまったく含まれず、抗酸化成分もありません。

天然油成分は酸化しやすい

オリーブオイル、椿油、スクワランオイル、馬油などは天然油成分で肌の角質層に浸透しやすく、植物や動物がもつビタミン、ミネラル、フィトケミカルなどの栄養分を含んでいます。オレイン酸、パルミトレイン酸など強い抗酸化作用をもつものも。しかし天然油には、ローズヒップオイル、キウイシードオイルなど酸化しやすい成分もあるので、これらを含む化粧品は早めに使いきりましょう。どちらのオイルにもメリット・デメリットがあるので用途や肌質に応じて適切に使いこなせるようになるといいですね。


writer:松尾真佐代