じつはギリシャよりもひどい状況?

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 政治の低迷や財政改革の失敗で財政危機に陥ったギリシャ。

 根幹にあるのは政治の腐敗だ。そのギリシャとよく比較されるのが、日本だ。

「たしかに、ギリシャと日本は国の規模や産業構造が違いますが、『日本はまだ大丈夫』などと言っている場合ではありません」

 日本の将来を危惧するのは、『日本がギリシャになる日』(ビジネス社)の著者で、信州大学経済学部の真壁昭夫教授。

 現在、国債や借入金などを合わせた「国の借金」の残高は、15年3月末の時点で、1053兆円。対GDP比233.8%で世界トップ。これに対してギリシャの借金は3130億(約42兆円)、対GDP比170%超と、25分の1しかない。しかも、歳入と歳出との差「プライマリーバランス」(PB)は、日本は16.4兆円の赤字に対して、ギリシャは2年連続で黒字を達成した。

 日本は、じつは財政危機に陥ったギリシャよりもひどい状況なのだ。日本の財政状況は最悪なのにもかかわらず、なぜ財政危機に陥らないのか。そこには、日本独特の事情がある。

「第2次大戦後、勤勉な日本人はお金をためる習慣が身についています。ギリシャより財政状態は悪いのに、デフォルトに陥らないのは、国内に国の借金を上回る個人の金融資産があるからです」(真壁教授)

 日本銀行の資金循環統計によると、15年3月末の時点で、日本の家計に1708兆円もの資産がある。

 つまり、日本の場合、個人が蓄えたお金は、銀行や保険会社などを通して国債に投じられている。借金の7割がEU諸国の支援などで成り立っているギリシャとは違うのだ。

「とはいえ、未来永劫そういう状態が続くのかというと、そうでもない。個人の金融資産がなくなれば、海外の投資家からお金を借りなければならない状態になる」(同)

週刊朝日  2015年7月17日号より抜粋