ヤン・ファーブルの個展がエスパス ルイ・ヴィトン東京で開催 - スカラベを用いたモザイク作品など

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ベルギー人現代アーティスト、ヤン・ファーブル(Jan Fabre)による個展「Tribute to Hieronymus Bosch in Congo (2011-2013)」が、エスパス ルイ・ヴィトン東京で開催される。期間は、2015年7月9日(木)から9月23日(水・祝)まで。

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革新的なヴィジュアルアーティストであり、また作家・演出家としても知られるヤン・ファーブル。会場には、昆虫のスカラベ(ブラジルタマムシ)の鞘翅(さやばね)※1を素材に用いて制作したシリーズ『Tribute to Hieronymus Bosch in Congo』より選ばれたモザイク作品に加え、骸骨や鳥を模した彫刻作品など全14点が展示される。

※1 一部の昆虫類で見られる翅の型の一つで、前翅がキチン質化し、硬くなったもの。 

作品の題材となったのは、彼の母国であるベルギーが19世紀にコンゴに対し行った苛烈な植民地政策の歴史だ。ベルギーの文明化が進む一方、コンゴは奴隷制度や金などの略奪行為、また賭博など搾取の対象となってしまった。ヤン・ファーブルは、同政策に隠されたこの“闇”を、スカラベの鞘翅を1枚1枚手作業で張り合わせたモザイク作品で表現した。

この作品シリーズを制作するにあたって彼がインスパイアされたのは、ルネサンス期の画家、ヒエロニムス・ボスが描いた三連画『地上の悦楽の園』。

たとえば、コンゴが植民地だった時代に実際に行われていた黒人への拷問行為を描いた作品「GAMBLE WITH DEATH, 2011(死をともなうギャンブル)」。ファーブルは、歴史上人の手によって実際に行われていた残虐な行為と、ボスがそれより数百年以上も前に描いた『地上の悦楽の園』で表現した残虐性に共通点を見出だした。

作品にスカラベの鞘翅を使用する理由は、彼の曾祖父にあたり、『ファーブル昆虫記』で知られるジャン・アンリ・ファーブルの影響が大きい。幼少時より実筆の書物などに触れてきたことで、昆虫モチーフへの興味へと繋がっていったのだという。

一枚の羽にはおよそ1,500の小さな面があるという。ガラスに囲まれた空間に射しこむ光を反射し、様々な色彩に輝く作品からは、その表層的な美しさだけでなく、作品の裏にある深い闇をも垣間見る事ができる。

【開催概要】
「Tribute to Hieronymus Bosch in Congo (2011-2013)」
開催期間:2015年7月9日(木)〜9月23日(水・祝)
会場:エスパス ルイ・ヴィトン東京
住所:東京都渋谷区神宮前5-7-5 ルイ・ヴィトン表参道ビル7階
TEL:03-5766-1094
開館時間:12:00〜20:00
休館日:無休
入場料:無料