「齢のせいか、夏場はだるくて…」と、この季節になるとそんな弱音をこぼしてしまう中高年男性は多いだろう。
 確かに「夏バテ」という言葉があるように、人間は暑い季節ほど疲労や倦怠感に襲われるものだ。
 「EDを発症しやすいのも夏なんです。特に現代社会は、外が猛暑である一方で、室内は冷房でキンキンに冷やされていて“温度差”が非常に激しい。すると、体温調整も難しくなり、体の動きが鈍くなったりヤル気が起きなくなったりする。当然、アッチも弱くなってしまうんです」
 こう語るのは、医学博士の志賀貢氏だ。

 夏場はイザという場面になっても普段通りの力が発揮しにくい季節といえるだろう。
 「かといって、精力アップのためのトレーニングはそれ相応に激しいため、夏には不向き。鍛えるつもりが逆に体を疲労させて、それこそ使い物にならなくなる。ならば、この時期は現状を維持するトレーニングを積むべきなんです」

 実は、ここがポイント。
 我々はすぐ「精力を高める」方法を実践しようとするが、現時点で完全な勃起不全でない限り、無理に体を酷使する必要もないのだ。
 夏は現状維持を狙う--。
 これこそ、夏のセックスに強くなる秘訣だったのだ。

 さっそく、その方法を今週から伝授してもらおう。
 「まず一つ知ってもらいたいのが、夏バテの一番の原因は脊髄の反射神経の疲労。どうしても温度差の激しい場所にいると、脊髄に負担がかかり、体がだるくなってしまうんです」

 これを解消することで、夏バテ回避=普段どおりの自分になれる。そのためには、脊髄をほぐすストレッチが有効的だという。
 「最も簡単なのは、バレーボールサイズほどの小さめのバランスボールを使う方法です。もし無ければ、硬めの枕でもOKです。仰向けになったあと、腰の少し上あたりにボールを入れてください」

 自分の腰と床の間にボールが入れば、当然、背骨が弓なりにしなる。これだけで脊髄がストレッチされるのだ。
 「ただし、背骨が硬くなっている方の場合、これもキツい可能性があります。その時は、ボールの空気を少し抜いてください(枕の場合、置く位置を調整する)腰を浮かせる高さを調整して、痛くない程度に体を反らせます」

 やってみればわかるが、痛いどころか背中が伸びて、とても気持ちいいはず。
 「起床後に行うのがベストですが、寝起きの体は硬くなっています。だから、決して無理のない高さで腰を浮かせて反らせること」

 脊髄にストレッチをかければ血行も良くなる。朝に行っておけば、その日一日が快適に過ごしやすいという。
 「少し慣れてきたら、体を反らせたとき、両腕も“伸び”をするように頭の上で伸ばしてみましょう。一段とストレッチ効果が出るので、体のコリ=だるさが取れるのです」

 この程度のストレッチなら体力を消耗することなど、全くない。夏場は体力作りより、EDを発症しやすい部分のケアに努めて乗り切るべきなのだ!

志賀貢
医学博士。内科医として診療する傍ら、260作以上の小説やエッセイを執筆。また、性感研究の第一人者で『かなりHな夜の教科書』(河出書房新社)など、医学的見地に基づいたSEX&口説き術にまつわる著書も多数。