Apple Musicで即パケ死の可能性は間違い? 意外と少ない通信量だがパケ死対策は必要

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「Apple Music」は、7月1日(日本時間)スタート後、スマホでの音楽の聴き方を一変させてしまうほどのインパクトがあった。ネット上でも、「聴きすぎて寝不足」「プレイリスト作るのが楽しい」などの書き込みを多く目にする。

しかし同時に、「通信量が心配」との声もあった。

実際、音楽の聞き放題サービスは、多くの通信量を消費する。
聞きすぎると、通信量の制限をこえて低速通信となる。いわゆる現代の「パケ死」になる可能性があるからだ。

では、「Apple Music」はどれぐらいの通信量を使うのだろうと、実際に検証してみた。

●「Apple Music」は意外と通信量が少ない?
「Apple Music」は、「AWA」など他社のサービスとは違い、音質(データ量)の変更ができない。
したがって、「今月は通信量使いすぎたから音質下げて乗り切ろう」といった使い方ができないのである。

また、ネット上の情報によると、「Apple Music」で利用されているビットレート(音質)は、256kbpsではないか?とも言われていることも、パケ死を危惧する要因となっている。

一般的にビットレートの数字は大きければ大きいほど音質がよくなる。反面、音楽データ量も大きい。
256kbpsの音楽は1秒間におおよそ32KBの通信を行うため、計算上は、1時間利用すると約115.2MBの通信量となるからだ。
1か月(1日2時間、20日間)利用したと仮定すると、約4.6GBと大量の通信量を使う計算となるのだ。

しかし、実際の「Apple Music」では、そこまで使われていないという結果となった。

●1時間あたり40MB〜60MB程度しか消費しない
今回、検証してみたのは、「ラジオ」と「プレイリスト」という2種類の聴き方である。

「ラジオ」は無料で聴ける反面、ビットレート(音質)を下げている可能性が考えられるため、別に検証してみた。
「プレイリスト」は目についた適当なプレイリストを選択している。

それぞれ1時間を3回、合計3時間ずつモバイルデータ通信での利用量を検証してみることとした。

その結果が以下となる。
・ラジオを1時間聴いた通信量

1回目:約48.4MB
2回目:約39MB
3回目:約34.2MB
3回平均:約40.5MB

・プレイリスト(楽曲)を1時間聴いた通信量

1回目:約46.2MB
2回目:約49.6MB
3回目:約59.2MB
3回平均:約51.7MB
このような結果が得られた。
ラジオが平均約40MBに較べて、プレイリスト(楽曲)は約51MBとなり、プレイリストのほうが2割ほど多くの通信量を消費するようである。

この結果を元にして1日2時間、20日間聴いた場合は以下のようになる。
ラジオ:約1.6GB
プレイリスト;約2.07GB
といった具合だ。

たとえば、通勤や通学で毎日2時間聴いた場合、プレイリストでは約2GBを消費する。
これが格安SIMの2GBや3GB契約、または大手ケータイキャリアの2GBまで高速通信できるパケット定額制では致命的な量になってしまうだろう。

理論上の計算値と比較して、実際の通信量は少ないことがわかった。
しかし、それでもスマホの通信契約によっては、無視できない通信量になることはわかった。
また、パケット通信を節約したい場合はラジオ利用が有効ということも判明した。

●Apple Musicでも通信量を節約する方法はある
「Apple Music」は、音質の操作ができないのが唯一の弱点ではある。
しかし、通信量を大幅節約する方法も用意されている。

それは、
・Wi-Fi利用
・楽曲のダウンロード

である。

Wi-Fi利用であれば、当然のことながらパケット通信量を気にすることなく、いくらでも音楽を楽しむことができる。
さらに、ダウンロード機能を使うことだ。iPhoneに楽曲をダウンロードしてしまえば、その楽曲の試聴時は通信を使わなくてもできる。
ダウンロードは、楽曲やアルバム横の「…」をタップすることで出てくる「オフラインで再生可能にする」を設定するだけでできる。


「オンラインで再生可能にする」は非常に重要なワザなので使いこなすべし

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気に入った曲や、自分用プレイリストがある場合は積極的にダウンロードしてしまうのが、「Apple Music」を使いこなすコツである。


布施 繁樹