NASA、冥王星探査機ニューホライズンズの通信不具合を復旧。原因はフライバイ関連のコマンド

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NASAが、冥王星へ接近中の探査機ニューホライズンズに発生していた通信不具合が回復したと発表しました。ニューホライズンズは一時的に通信途絶状態となった後、復旧はしたものの大幅に機能が制限されるセーフモードで動作していました。
 
 ニューホライズンズは、NASA が打ち上げた人類初の太陽系外天体探査機。2006年の打ち上げから9年を経て、ようやく最初の目的地である冥王星へたどりつこうとしています。冥王星の観測は今年1月からすでに始まっており、6月からは搭載するすべての観測機器で常時観測を継続しています。

7月5日、NASA はニューホライズンズと一時通信不能に陥ったことを発表しました。ほどなくして通信は回復したものの、最低限の機能のみが動作するセーフモード状態になっており、冥王星の観測も中断状態になっていました。

かろうじてテレメトリーデータは受信できたため、NASA はこれをもとに詳しい調査を開始しました。しかし、地球からおよそ49億kmも離れたニューホライズンズとの通信にかかる時間は、往復で約9時間。ニューホライズンズは冥王星の周回軌道に乗る予定はなく、最接近後は通過してしまいます。冥王星への最接近まではあと10日を切っており、一刻も早い回復が求められました。
 

ニューホライズンズが撮影した冥王星とその衛生カロン
 
NASA はまず探査機のハード/ソフトともに故障していないことを確認し、つづいてテレメトリーデータなどをもとに不具合が発生した原因の解析を進めました。

そして、NASAはその原因が冥王星への最接近とともに実施するフライバイ(探査する惑星の軌道に入らず、通過しながら惑星の撮影や実験を行うこと)に関するコマンドを送信したタイミングに起因することを確認しました。さらに今後しばらくは同種のコマンドを送信する予定はなく、冥王星探査に影響を及ぼす心配もないことを発表しました。

NASA の惑星科学部長ジム・グリーンは7月6日の発表で「現在は通常のオペレーションを回復しており、7月7日には観測も再開できる」としています。

ニューホライズンズは7月14日に冥王星およびその衛生カロンに最接近の予定。あまりに地球から遠く、通信速度も遅いため、測定したデータはいったん機体内に蓄積し、2016年春頃までかけて順次地球へと送信する計画です。

またニューホライズンズは冥王星を通過後は、太陽系外縁に位置するエッジワース・カイパーベルトに到達し、そこにある天体の観測を予定しています。