誇り、感謝、涙――。女子W杯を戦い抜いた“なでしこ”たちの声
(自身のゴールについて)準々決勝、準決勝と再三、右からのクロスが来ていて、この試合では同じ右からのボールをゴールにつなげられたのは、大会を通してひとつのプロセスが成果として出せたと思います。
ただ、1点だけでは足りなかったし、そこは本当に自分自身がもっとレベルアップしなければいけないと思います。
大野 忍(FW)
全体的にチェイシングや守備面だけでなく、攻撃面の課題も出たかなと感じています。
雰囲気に飲まれちゃったと言うより、自分たちはセットプレーの怖さを知っていたのに、その形で案の定やられてしまった。1点入れられた後に修正し切れなかった点も問題でした。相手の勢いも結構ありました。
でも途中で自分たちがボールを持っている時間帯があったので、その時にしっかり点を決められたら、(流れは)もっと変わったのかな、と。
2ゴールを取れたのは良かった。アメリカの選手も慌ただしくなっていたはずです。
先のことは全然考えてなくて、とりあえずリーグ戦に集中したいですね。ここ(カナダ)で見せたようなプレーをリーグでも出していきたい。そうしないと、観に来てくれたお客さんが納得いかないと思うので。
(若手には)声をかけるだけで(彼女たちの)気持ちが変わると、海外でプレーしていた時に学びました。それを今大会は意識していました。
菅澤優衣香(FW)
負けているなか、得点を求められていたし、良い流れを作り出したかったけど、上手くいかず……。シュートチャンスがありながらも決め切れず、貢献できませんでした。
決定力は日本に必要とされることだし、もっと積極的に行く姿勢を強くしていかないといけないと思いました。
最後の円陣では、監督から「誇りを持って帰ろう」という言葉がありました。個人的にはまだまだと思う部分が大きかったし、課題が増えた大会でした。
帰国したら、なでしこリーグがあります。決定力を高められるように頑張りたいです。
佐々木則夫(監督)
大会を通じて、本当に多くの方に応援していただいて、ファイナルまでたどり着けました。もうひとつ勝っていればという気持ちもありますが、最後まで選手たちは走ってくれたと思います。僕自身も選手たちを誇りに思います。
(ビハインドを背負う展開のなか)相手もとにかく勝つために、勢いよく来ていましたから、自分たちのサッカーを見つめ直すだけでした。そういう意味では、選手たちは一生懸命に頑張ってくれていたので、信じて戦況を見ていました。
細かい点を含め、たくさんのことを積み上げてきましたが、とにかくファイナルまで来れたのは、まず成功だと僕は思っています。次は若い世代も入ってきて、さらにパワーアップすることが大事だと考えています。
今日は結果を出せませんでしたが、最後まで諦めないで走り切る姿は見せられたと思います。
この4年間は本当に、選手たちと楽しくサッカーを積み上げて来れて幸せでした。スタッフの皆さんも良くやってくれて感謝しています。
本当にありがとうございました。
安藤 梢(MF)
一度、日本に帰って、もう一度、この場所に戻って来られたのは、本当に凄いことだと思います。本当に最高の仲間が実現してくれて、監督やスタッフ、みんなに感謝したいです。
最後は勝って、みんな笑顔で終わりたかったですけど、やっぱりアメリカは強かった。日本はまだまだ力不足。自分たちがもっともっと、やらなければいけないということを教わりました。
仲間たちが戦っている姿を見て、自分がピッチに立てない悔しさはありました。その悔しさをリハビリにぶつけて、早く復帰して、元気な姿を見せたいです。
イワシ(岩清水)はすごく責任感が強い選手。身体を張って、ディフェンスリーダーとして、ここまで本当に身体を張って守ってきてくれた。だから、顔を上げてほしいと思って、すぐに声をかけました。
試合後、(宮間)あやからは「最後、勝てなくてごめんね」と言われました。自分は「ここまで連れてきてくれて、ありがとう」と返しました。
澤 穂希(MF)
失点の時間帯が早くて、予定外の展開でした。(途中出場は)ほとんどアップしないでピッチに入りました。
最後のワールドカップは、悔いなくやり切れました。悔しい気持ちがないと言えば嘘になりますけど、チームの団結力を感じました。みんながここ(決勝)まで連れてきてくれた。本当にみんな、持てる力をすべて出し切ったと思うし、これが今の自分たちの結果だと思います。
(リオ五輪に向けては)現役でやっている以上は狙います。ただ、新しいシーズンも始まりますし、少し休んでから考えたいです。