なでしこが見据える決勝のその先…宮間「すべては連覇から始まる」

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 試合前日に会場となるスタジアムで行われる恒例の記者会見。女子W杯決勝前日の4日は日本女子代表(なでしこジャパン)の佐々木則夫監督に加え、主将のMF宮間あやとGK海堀あゆみが出席した。宮間と海堀は少しだけ髪型を整え、佐々木監督は相変わらずにこやかだったが、得意のジョークは控え目。報道陣で埋め尽くされた会見場は熱気に溢れ、決戦前日の空気が漂った。

 2連覇という夢のような結末に手が届くところまで来た。W杯の前哨戦とも言われる3月のアルガルベ杯では9位に終わるなど、苦戦も予想されながら決勝まで勝ち上がったことだけで賞賛に値する。だが、宮間の認識は違う。「すべては連覇から始まる」と常々話す彼女の目線は、もっと先を見ている。

「前回の優勝で女子サッカーにものすごく関心を持ってもらえるようになったが、このW杯前はまた国内リーグや女子サッカーへの関心が薄れてきていた。この大会で結果を出すことが、この先、女子サッカーを背負う選手やサッカーを始めようと思う少女に残せることかなと。女子サッカーをブームではなく、文化へ。ここで勝ってこそ、そのスタートが切れると思います」

 一過性の熱狂であれば、4年前にも経験した。もちろん関心を持ってもらうという意味では重要なことだ。だが、もっと重たいテーマを彼女たちは常に真剣に考えている。最年少のFW岩渕真奈も言う。「結果が出ている今を女子サッカーのピークにしないようにしたい」。今も結果を出し、今後も結果を出し続けること。そうしてこそ、女子サッカーが本当の意味で定着し、文化として根付く。それこそが彼女たちの共通する願いだ。

 11年ドイツ大会、12年ロンドン五輪に続いて、3大会連続で決勝の対戦相手はアメリカだ。佐々木監督は「明日はアメリカのほうが応援は多いのかな? でも、それをパワーに変えられるのが今のなでしこ」と、ブレない強さに胸を張る。

 未来のための今を勝ち取りに――。なでしこたちが大舞台に挑む。 

(取材・文 了戒美子)


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