日本アルコン株式会社は、全国の20代〜50代のオフィスワーカーで、パソコンの使用頻度が高い、使い捨てソフトコンタクトレンズ(以下コンタクト)ユーザー300名を対象に、「ドライアイ」に関する意識調査を実施した。近年、パソコンやスマートフォンの普及や、オフィスでのエアコン使用で、現代人の目を取り巻く環境は過酷さを増している。一般的に冬場に比べ、夏場は気温や湿度が高いため乾燥とは無縁のように思われがちだが、今回の調査結果から、約7割もの人が夏でも「目の乾燥」に悩んでいることが判明した。同様に約7割が「目の乾燥が仕事の生産性や業務効率を下げる」と回答しているにもかかわらず、半数以上の人が何もしていない実態が明らかになった。

「ドライアイ」に関する意識調査

 何らかの乾燥対策を講じている人は約4割で、このうち約9割が目薬を使用していると回答。眼科受診は約1割、コンタクトを変更してみるという人は5%にすぎず、眼科受診、コンタクトに対する関心の低さが浮き彫りになった。また「目の乾燥が原因でコンタクトの装用をやめたい」と思ったことがある人が約4割にも上ることから、コンタクトレンズユーザーにとって乾燥は深刻な問題であることが伺える。

「ドライアイ」に関する意識調査

「ドライアイ」に関する意識調査

 一方、「乾燥感を軽減できるようなコンタクト」があればそれに変えたいという意向は約7割と、乾燥軽減への意欲の高さが顕わとなった。ドライアイの患者は約2000万人以上といわれている。仕事にも悪影響を及ぼすともいえる目の乾燥。ドライアイ研究の第一人者で最先端の研究を行っている横井則彦先生(京都府立医科大学)に最新の治験に基づき、すぐに役立つ夏場の対処法について以下のようにアドバイスしている。

◎横井則彦先生(京都府立医科大学)がすすめる夏場のドライアイ対策8か条

ドライアイにならないための日常生活での8つの工夫

1.エアコンの風が直接、目に当たらないようにする。
2.パソコンの画面は目より下にする。
3.パソコンなどは1時間作業をしたら、10分〜15分くらい目を休める。
4.目が疲れたら、目を暖める。
5.乾燥した部屋には加湿器や、濡れたタオルを置くなどの工夫をする。
6.目薬を効果的に使う。防腐剤の入っていない人工涙液タイプの目薬を選ぶ。
7.交感神経が緊張していると瞬きの回数が減り、涙の分泌が減少するため、ストレスと上手に付き合う。
8.コンタクトレンズの装用期間を守る。眼科を受診し、目の乾燥感と気になる症状を医師に申し出て、適切なレンズを処方してもらう。

 ドライアイとは、涙の量の減少または涙の質の低下が原因で、目の不快感や視機能の異常を生じる疾患。現代人の必需品である3つのコン(エアコン、パソコン、コンタクトレンズ)が普及した現代では、季節を問わず1年を通じて目が乾燥する環境におかれている。

 最新の研究では、ドライアイは一般的に、目の表面で涙が広がりにくくなることに加えて、まばたきの摩擦がドライアイ症状を引き起こす原因になることが分かってきている。特に、コンタクトレンズ装用においては、「目の表面とコンタクトとの摩擦」がドライアイ症状を悪化させる要因になっている。

 このような「摩擦を軽減させるカギ」は、表面が親水化され滑らかなコンタクト、潤滑性の高いコンタクトと言える。乾燥対策として目薬を使用している人が目立つが、市販薬のさしすぎで、かえって乾燥が助長されているケースもある。3つのコンを使用しないことが対策になるが、この時代そうもいかない。乾燥感のメカニズム解明とその対策に向け、コンタクトレンズの改良も昨今、急速に進んでいる。

涙の量、涙の質が大切

 涙は水層と油層で構成され、水層の中にムチンとよばれるたんぱく質が混じっている。油を出すマイボーム線の出口がつまると、涙の油が不足して涙の水分が蒸発しやすくなり、ムチンが不足しても、蒸発しやすくなる。そして、こうした涙の質の異常や、涙の水分量の不足は、ドライアイを招く。

目の乾燥を増長させる、3つのコン(エアコン・パソコン・コンタクトレンズ)

「ドライアイ」に関する意識調査

 高温多湿である日本において、エアコンのない時代は適度な外気の湿度が目を乾燥から守ってくれていたが、エアコンの普及で室内の乾燥が進んだ。また、パソコンの使用によって、モニター画面を見ている時間が長くなり、瞬きが減ることで、目の乾燥が助長され、目の疲労感にお悩みの方も増えてきた。

 また、コンタクトレンズを装用していると、涙の層に変化が起こり、瞬きの摩擦が増えて、ドライアイ症状が生じる。近年では、このような影響から、生活習慣や生活環境に関連したドライアイの患者が増えているという。

ドライアイを悪化させる新たな要因、結膜上皮障害について

 結膜の一部、Lidwiper(眼瞼結膜の皮膚側に近い部分)が、角膜や乾いたコンタクトとの瞬きの際の過剰な摩擦によって荒れてしまう障害はLid-wiper epitheliopathy(結膜上皮障害)と呼ばれている。コンタクトとの摩擦の場合、この摩擦を軽減させる対策としては、表面が親水化された潤滑性の高いコンタクトレンズ、人工涙液、ムチンなどの産生効果が期待できる処方点眼薬が利用できる。

目の乾燥を感じやすい人のコンタクトレンズの選び方

 ドライアイの症状には、主に目の乾燥感と瞬きで擦れる摩擦の症状があるが、コンタクトレンズ装用の場合は、レンズの周辺部が結膜を擦ったり、瞬きの際にまぶたの裏の結膜が擦れて生じる場合が多いと考えられる。含水率が高いコンタクトは、酸素をよく通し、柔軟で、装用感はより快適と考えられるが、ドライアイになると、レンズが酸素を通しにくくなり、かつ、レンズの中の水分が蒸発しやすくなるため、角膜に障害が生じたり、ドライアイ症状が強くなりやすくなる。

 そこで、素材そのものが酸素を通しやすく、含水率の低いシリコーンハイドロゲル素材の製品が症状の軽減におすすめ。さらに最近では、レンズ表面の摩擦軽減を考慮した製品も開発されているという。レンズ表面の潤滑性の高いコンタクトレンズを使用することで、乾燥の軽減が期待できそうだ。

 最後に、間違ったコンタクトレンズを選択すると、ドライアイの症状が強くなることもあるので、必ず眼科医による検査を受けることをおすすめする。

◎調査概要
調査名称  :「ドライアイ」に関する意識調査
調査エリア :全国
対象者数  :300名(男性150名/女性150名)
調査条件  :使い捨てソフトコンタクトレンズ装用者
       20歳〜59歳の男女
       仕事でオフィス内で過ごすことが多いオフィスワーカー
       1日平均4時間以上、パソコンを使用する人
調査期間  :2015年5月23日〜24日
調査方法  :インターネット調査