なでしこの他に、1点差勝利だけで決勝にまで進んだチームは歴史上あるのか?

写真拡大

ドラマチックな幕切れで、女子ワールドカップ決勝への切符を見事掴み取ったなでしこジャパン。

悲願の連覇まで、あともう一歩だ。

1日に行われたイングランドとの準決勝、日本は試合終了間際のオウンゴールにより勝ちを拾った。これにより、2大会連続でアメリカと決勝で相見えることが決まった。

女子ワールドカップの歴史上、連覇を成し遂げたのはドイツの一例のみ。1991年に初回大会を迎えるなどまだ歴史は浅いが、なでしこの選手たちは偉大な記録を樹立するチャンスを手にしている。

さて、そんななでしこジャパンだが、今大会の決勝までの道のりは決して平坦なものではなかった。

勝ち上がりを詳しく見てみよう。

そう、ご覧の通りなでしこジャパンはグループステージ第1節から準決勝までの6試合全てを1点差勝利でモノにしているのだ。

6連勝ということはあっても、6戦全てを1点差で勝利するという勝ち上がりはなかなか見ないものである。アルガルヴェカップで9位に沈むなど不安の声が高まっていた日本だったが、その勝負強さは健在だった。

この事実については試合後にFIFAの大会公式Twitterも触れている。決勝戦の中継を担当する世界中のTV局も、きっとこの事実を伝えるはずだ。

では、主な国際トーナメントにおいて、なでしこジャパンのように全て1点差で決勝にまで辿り着いた勝負強いチームはこれまでの歴史上存在したのだろうか?

実際に調べてみることにした。

対象となるのはサッカー競技における2大トーナメント、ワールドカップとオリンピックである。これら2大コンペティションの中から、「全て1点差で決勝にまで進んだチーム」があるのかを探る。

もちろん、女子の大会は歴史が浅いため、男子の大会も調べている。しかし、ワールドカップやオリンピックでは各年度により出場チーム数やレギュレーションが異なっており、決勝トーナメントではなく決勝リーグを採用しているシーズンなどは除外している。

果たして結果はどうなのだろうか?調査の結果、おもしろい事実が判明した。

調べてみた結果、全ての試合を1点差で勝利し決勝にまで進んだチームは0チームだった。

しかし、それに非常に近いケースが数例あった。それらをご紹介しよう。

類似のケース1:1994年男子W杯のイタリア代表

準決勝:イタリア 2 - 1 ブルガリア
準々決勝:イタリア 2 - 1 スペイン
Round of 16:イタリア 2 - 1 ナイジェリア
GS第3節:イタリア 1 - 1 メキシコ
GS第2節:イタリア 1 - 0 ノルウェー
GS第1節:イタリア 0 - 1 アイルランド

1994年男子ワールドカップでのイタリア代表は、グループステージで1分1敗を喫するも、第2節とRoud of 16、準々決勝、準決勝の計4試合を1点差で勝利し決勝にまで勝ち上がった。

なお、決勝の対戦相手はブラジル。試合は0-0のまま決着がつかずPK戦に突入したが、そこから先はご存知の通り。

ロベルト・バッジョのあの有名なPK失敗により、イタリアは決勝で惜敗している。

類似のケース2:2010年男子W杯のオランダ代表

準決勝:オランダ 3 - 2 ウルグアイ
準々決勝:オランダ 2 - 1 ブラジル
Round of 16:オランダ 2 - 1 スロバキア
GS第3節:オランダ 2 - 1 カメルーン
GS第2節:オランダ 1 - 0 日本
GS第1節:オランダ 2 - 0 デンマーク

今回調べた全ケースのうち、なでしこの記録に最も近かった例の一つが2010年男子ワールドカップでのオランダ代表だった。

オランダは第1節のデンマーク戦を2点差で勝利する以外は、全て1点差勝利で決勝にまで進出している。

なお、決勝の対戦相手はスペイン。

決定機もあったオランダだが試合は0-0のまま90分が終了し、延長戦でアンドレス・イニエスタにゴールを許し優勝はならなかった。

類似のケース3:2010年男子W杯のスペイン代表

準決勝:スペイン 1 - 0 ドイツ
準々決勝:スペイン 1 - 0 パラグアイ
Round of 16:スペイン 1 - 0 ポルトガル
GS第3節:スペイン 2 -1 チリ
GS第2節:スペイン 2 - 0 ホンジュラス
GS第1節:スペイン 0 - 1 スイス

前述したそのオランダとファイナルを戦ったスペインも、実はこの大会で1点差の勝利が多かった。

グループステージ第3節のチリ戦以降は4試合連続で1点差勝ち。ユーロとの“スーパーダブル”を実現し世界最強の名を欲しいままにしたスペインだが、手堅い試合が目立ったようだ。

類似のケース4:2014年男子W杯のアルゼンチン代表

準決勝:アルゼンチン 0 - 0 オランダ(4-2 on penalty)
準々決勝:アルゼンチン 1 - 0 ベルギー
Round of 16:アルゼンチン 1 - 0 スイス
GS第3節:アルゼンチン 3 - 2 ナイジェリア
GS第2節:アルゼンチン 1 - 0 イラン
GS第1節:アルゼンチン 2 - 1 ボスニア・ヘルツェゴビナ

そして、2010年大会同様なでしこのこの記録に最も近かった例の二つ目が2014年男子ワールドカップでのアルゼンチンだ。

なんとアルゼンチンはこの大会、グループステージ第1節から準々決勝まで5試合連続で1点差勝利。準決勝はPK戦の末勝利したが、どちらが勝ってもおかしくはないシーソーゲームであった。

なお、決勝の対戦相手はドイツ。マリオ・ゲッツェに延長戦でゴールを許し、準優勝となった。

主な国際トーナメントにおいて、なでしこジャパンのように1点差勝利だけで決勝にまで進出したチームはなかったわけだが、こうした類似したケースが1990年以降になって出始めたというのは、やはり男女ともにレベルが上がってきたからであろうか。

先月行われたU-20男子ワールドカップでは、セルビアが4戦連続で延長戦を制し見事世界一の称号を得た。アンダー世代でも実力差はどんどん狭まっている傾向にあり、今後はなでしこジャパンのように全て1点差勝利で決勝にまで進出するチームが現れるかもしれない。

なでしこジャパンの連覇がかかった女子ワールドカップ2015の決勝、日本対アメリカの試合は日本時間6日(月)午前8時キックオフ予定。