日本のほうがひどい状態?(イメージ)

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 急激な高齢化に伴い、社会保障費の膨張が問題になっている。

 財務省によると、12年度の社会保障全体の給付費は109.5兆円。その内訳は年金53.8兆円、医療35.1兆円、介護8.4兆円、生活保護などその他12.2兆円となっている。

 65歳以上の要介護認定者数は12年度末で545.7万人。01年度末から258万人増加している。

 団塊世代全員が75歳以上の後期高齢者になる25年以降には2200万人、5人に1人が75歳以上という超高齢社会が到来すると推定される。医療、介護などの福祉サービスへの需要が高まり、社会保障費は25年度に148.9兆円にまで膨れ上がり(財務省)、社会保障財政のバランスが崩れると指摘する。それが「2025年問題」だ。

「それまでに国は、基礎的財政収支(プライマリーバランス、PB)を20年度に黒字化させるという目標を達成させたい。その赤字削減のやり玉にあがったのが社会保障費なのです」(淑徳大学総合福祉学部の結城康博教授) PBとは、借入金を除く税収などの歳入と、過去の借り入れに対する元利払いなどを除いた歳出との差のこと。日本は長引く景気低迷で、長年税収が伸びなかった。国の国家予算約96兆円のうち、税収などで賄っているのは6割程度。約4割は国債を投資家に買ってもらうなど借金に頼り、15年度のPBは16.4兆円の赤字だ。

 赤字は雪だるまのように増え続け、国債や借入金などを合わせた「国の借金」の残高は15年3月末時点で1053兆3572億円。世界一の借金大国で、ギリシャを抜いて断トツ。

 まさに今、ギリシャは財政危機に陥り、金融支援協議が正念場を迎えている。

 そのギリシャよりも「日本のほうがひどい状態」と言うのは、ニッセイ基礎研究所経済研究部チーフエコノミストの矢嶋康次氏。

「じつはギリシャはPBが黒字なのです。ところが、日本はPBが赤字なだけでなく、借金も1千兆円を超えている。その上、世界でも類を見ない超高齢社会に突入しています。医療と介護の質を保ちながら、どう給付を抑制させるのかが、喫緊の課題です」

 すべての高齢者を同じモノサシで測るのではなく、金融資産がある人と、ない人を線引きする必要があるという。

「そして、資産や所得が少ない人に対しては、介護難民に陥らないようにしなければならない」(矢嶋氏)

週刊朝日 2015年7月10日号より抜粋