「うるう秒」が7月1日に3年ぶり、平日では18年ぶりに実施された。なんとなく、うるう年の「秒」版と思っていたのだが、そうではないらしい。気になったので調べてみた。

そもそも、うるう秒は時間を計測する仕組み上の現象を調整するために挿入される「1秒」。一方、うるう年は暦法で定められていて、365日で1年というのを、4年ごとに366日(2月29日がある年)となる年をいう。

◎うるう秒とは?
ざっくり言うと、うるう秒は原子時計に基づく協定世界時(UTC)と、地球の自転に基づく世界時(UT1)を合わせるための調整。

というのは、その昔は地球の自転を基準にして「1日」の長さ(24時間)を決め、その24分の1を1時間、その60分の1を1分、その60分の1を1秒という具合に計測していた。
しかし、原子時計で正確な時間が測定できるようになると、実は地球の回転速度は一定ではないことがわかったのだ。

原子時計とは原子や分子が出すスペクトル線の周波数標準に基づく時計。
非常に高精度でズレも3000万年に1秒程度といわれる。そもそもすべての原子は固有の共鳴周波数を持ち、その共鳴周波数のマイクロ波だけを吸収したり、放出したりする。共鳴周波数は一定不変であることから、それを計測し基準にすることで正確な時間がわかるという仕組み。
1秒の基準となっているのは、セシウムの共鳴周波数だ。
ちなみに、クオーツ時計は水晶の振動を利用して1秒を測っている(クオーツは最高のもの、10桁の精度でも、100年に1秒程度はズレるという)。

そこで、地球の自転と原子時計の時刻の差が1秒に達するときに時刻の調整をしようということになり、行われるのが「うるう秒」というわけ。12月か6月の末日の最後の秒で行われる。
地球の自転が遅い場合は59分59秒のあとに59分60秒として1秒を挿入する。
逆に地球の自転が速いときは、59分58秒の次の59秒をとばして0分0秒にして1秒減らす。

地球の自転速度の変化という要素が入ってくるため、この先のうるう秒実施時期についてあらかじめ知ることはできないそう。
これは、地球の自転速度の変化を長期的に予想することが難しいためだ。

ちなみに、「IERS(International Earth Rotation Service)」という国際機関が地球自転の様子を監視し、近い将来に秒の挿入・削除が必要と予測されると各国の関係機関に通知する仕組み。日本では、総務省およびNICT(独立行政法人情報通信研究機構)が、法令に基づき標準時の通報に係る事務を行う。

◎どうして必要なのか?
でも、どうして合わせる必要があるのか?という疑問は残る。正確な時間が原子時計でわかるのであれば、そちらを使えばいいだけなのではないか?

原子時計だけを基準とすることができないのは、日常生活に用いる時刻は、昼と夜の区別、春分、秋分など天文現象と密接にかかわってくるからだ。
ズレが積もっていけば、いずれ天文現象とズレていく。それでは差し障りがあることから、日常生活に合うような原子時系、協定世界時(UTC)を作り、世界時と0.9秒以内に一致するようにした。そして、1秒のズレが発生するタイミングをうるう秒という仕組みで解消しているのだ。

このあたりはうるう年も同じ考え型といえる。うるう年も、日常生活に用いる暦が天文現象(実際の季節)とズレないための調整だからだ。

さて、2012年にうるう秒が挿入された際はウェブサイトがクラッシュしたり、航空機の離陸に混乱が生じるなどのトラブルがあったが、今回は大きなトラブルはなかったよう(前回を教訓にすでにパッチなり、対処がされていたということか?)。

また今回、パブリックビューイング、あるいは動画配信で「08:59:60を見よう」という動きもあったのが印象的だ。


大内孝子