試合会場のユアスタは、かつて仙台を率いていた手倉森監督にとっては思い出の場所。「仙台というクラブに、監督として育ててもらった」と感謝を述べる。写真:小倉直樹(サッカーダイジェスト写真部)

写真拡大 (全3枚)

 U-22日本代表は7月1日、ユアテックスタジアム仙台(19時キックオフ)でU-22コスタリカ代表と対戦する。試合前日のトレーニングを終え、手倉森誠監督と主将の遠藤航が記者会見に臨んだ。
 
【リオ五輪1次予選】日本 1-0 マレーシア
 
手倉森誠監督
「アンダー22ジャパンは、今回のコスタリカ戦が1次予選を終えてから久々の活動になります。1次予選以降、選手はそれぞれのクラブで自分磨きをしてきた。それに対して今、(選手個々が)どのレベルにあるのかを知れるゲームになる。
 
 これから(チームを)どう構築していくかを考えるうえでも大事なゲームになる。もちろん、私にとってもテストだし、選手たちにとってもテストになる。そのテストにトライして、これからの課題、今までの成果をしっかり捉えたいと思っています。
 
 最終予選まであと半年、本大会まであと1年。そういう状況になってきて、ここからのチーム作りは、本格的により高みを意識した活動になっていかなければいけない。
 
 今日、ヨーロッパ勢のオリンピック出場を決めたゲームを見せました。ハイクオリティなサッカーで、我々はそこに辿り着かなければいけないという話もしたし、そこに辿り着くまでの活動のひとつとして、明日は重要な試合になるということを意識させたい。
 
 来年、世界を驚かせるべく、そしてその可能性があることを示したい」
 
遠藤 航
「(招集される)メンバーが少し変わりましたけど、そのなかでも明日はしっかり結果を残して、層の厚さを示せればと思っています。
 
 最終予選まで半年しかないので、そこに向けて『U-22は戦えるな』というところをみなさんにお見せしたい。来年のリオに向けて、テグさん(手倉森監督)からヨーロッパの映像を見せいただいたので、世界で戦うイメージは自分の中でできたつもりです。リオに向けて、明日は個人としてもチームとしても、戦えるところを見せていきたい」
 
――仙台は監督にとって大事な土地。その場所でどんな試合を見せたいか、どういった想いを込めてピッチに立つのか?
 
手倉森監督
「まず、ここ(国際試合開催時の会見場)で記者会見をするのが、仙台でACLに出た時以来。その時を今、懐かしんでいました。
 
 その時、実は、ここの電気が全部消えて、停電したんですよ。(今日は)停電がなくて、ひとつ安心しています(笑)。
 
 仙台というクラブに、僕自身も監督として育ててもらって、協会が僕のモチベーションを上げるべく、仙台で試合を開催してくれたことに対して本当に感謝しているし、東北・仙台によって、僕は代表監督をやらせてもらっていると思っています。
 
 恩返しのつもりで、この若き日本代表の選手たちの可能性を存分に示したい。
 
 みんな上手い選手が揃っているので、特に東北の子どもたちに、代表チームを身近に感じてもらって、何年か後にはそこに立てるんだという夢をぜひ抱いてもらえるような、そんなサッカーを見せられればと思っています」
――テストと仰いましたが、それはシステムなのか、選手の組み合わせなのか、クラブとは違うポジションで選手を試すのか。あるいは、それらすべてなのか?
 
手倉森監督
「鋭いですね。すべてです(笑)。
 
 まずは、これまでやってきたことが、しっかりと構築されていて、表現できるか。全員守備・全員攻撃、攻撃の優先順位、守備での約束事、柔軟性と割り切りの戦術の使い分け。タクティクスチョイスの部分がやれるかどうかをテストしたい。
 
 僕自身も久しぶりの采配です。ゲーム勘など自分のテストでもある。メンバー交代やシステム変更のタイミングなどありますが、まあ、僕が言わなくても選手がやれていれば、最高の試合になるだろうなと思っています。
 
 クラブでやっているのと違うポジションを試す選手もいるだろうし、そのへんは可能性を見極めていきたい。
 
 明日は、頭の中が相当疲れると思うので、(試合が)終わってからは喋れなくなると思います。よろしくお願いします(笑)」
 
――遠藤選手にお伺いします。ヨーロッパの映像を観て、現状のチームで、どういった部分が通用するのか、どういった部分がこれから伸ばさなければいけないか?
 
遠藤
「一人ひとりのフィジカル面の強さというか、見た目もそうですし、球際で戦う姿勢など、そういうところはドイツやポルトガルは当たり前のようにやっています。僕ら日本代表も、そこのレベルをもっと上げていかなければいけない。
 
 もっとも、僕たちがボールを持った時に、アングルを作ることとか、攻撃の組み立ての部分はイメージを持ってやってきました。
 
 そこで(ボールを持った時)の崩し、ボールを動かすところは通用するんじゃないかと思っています」
 
――メンバーが半分ぐらい入れ替わるなか、初招集や久々の選手にこれまでのコンセプトをどう植え付けていくのか。また、喜田や川口など、久々に招集した選手の印象は?
 
手倉森監督
「半分を入れ替えたことに対して、まだ最終予選までは競争があるんだ、と。その意思表示でもあります。
 
 今、名前が挙がった川口や喜田は、今回また一緒に活動してみて、逞しくなっているな、成長しているなという印象も受けています。
 
 コンセプトに関しては、残っている選手(コンスタントに招集されている選手)が伝えていってほしいと思っています。昨日も練習のなかで、僕がいろいろなテーマを持って、アイデアを与えているけど、それをやるのは自分たちだ、と。そうなった時にはコミュニケーションが必要だという話をしました。
 
 この短いキャンプのなかで、ずっとこの代表から外れないでいる選手たちが、彼ら(初招集や久々に招集された選手)と組んだ時、また新しい可能性を探るべく、コミュニケーションを取ってほしいと感じて、半分は残しています。
 
 これでまた(コンセプトが)浸透すれば、日本が持つ武器はさらに増えると思いますから、競争が激しくなることを願っています」
 
――多くの観客に囲まれての試合になると思いますが、国内でゲームができることについては?
 
手倉森監督
「果たして、多くの人の前でプレーできるのか(笑)。
 
 ぜひ、多くの方々に来てほしいですが、協会がなぜ仙台で試合をするのかということに対して、おそらく僕の仙台での人気を確かめるためだろうなと(笑)。
 
 この代表は国外での活動が多いチームなので、こうやってお披露目できる試合は本当に重要になってきます。出し惜しみせず、選手たちのアピールを期待したいし、堂々と戦う雄姿、パフォーマンスを日本の国民に示して、期待感を抱かせられればいい。
 
 サッカー熱に火を付けるために、この世代は重要なチームです。それを自覚した戦いをしたいと思います」
 
遠藤
「明日はお客さんがいっぱい入ってくれると信じていますので、(試合前日の)公式練習では、そのイメージを持って練習したいと思います。
 
 明日はホームで試合ができるということで、なかなかこういう機会はないですし、注目される試合だと思います。しっかり勝って、終わりたいし、監督も仰られたように、戦う気持ちだったり、最終予選に向けて、しっかりやっていけるところを見せたいです」
 
――改めて、コスタリカ代表の印象は? どういう戦いを見せたいか?
 
手倉森監督
「コスタリカの映像は、まだ選手たちには見せていないです。試合当日に見せようと思っています。
 
 ヨーロッパほど、組織面で機能的とは言えませんが、中南米の“本能的なサッカー”だな、と。フィジカルの強さやしなやかさがあって、ピッチの中でしか感じられないコンタクトは、(最終予選で)中東勢と戦うにあたり、(コスタリカは)格好な相手だというイメージがあります。
 
 本大会、最終予選を考えても、我々の戦い方を探れる試合になるだろうし、いろんな駆け引きがあるなか、やりたいことができない時の柔軟性や割り切りだったり、我々が高めようとしているコンビネーション、守から攻への速さが通用するのか。そこはどんどんトライしていきたいと思います」
 
取材・文:広島由寛(サッカーダイジェスト編集部)