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 人気お笑いコンビ、ピースの又吉直樹が書いた小説『火花』(文藝春秋)が、第153回芥川賞候補作にノミネートされたことが話題となっている。

 『火花』は「文學界」(同)2月号に一挙掲載されたもので、同誌は創刊以来初増刷を記録した。3月には単行本としても発売され、40万部を超えるベストセラーとなっている。

 さらに4月には、芥川賞と並ぶ純文学の文学賞として知られる、第28回三島由紀夫賞の候補作となったことでも知られる。

 今回のノミネートを受けて、ネット上では「単なる話題作り」「芥川賞も地に落ちた」といった否定的な意見がみられるが、芥川賞は現在も過去も、紛うことなき話題作りの賞であることは意外と知られていない。

「芥川賞は毎年1月と7月に発表され、翌月の『文藝春秋』に掲載されます。直木賞も同社発行の『オール讀物』に掲載されます。これはもともと、賞を作った菊池寛が、本が売れないといわれたニッパチ(2月と8月)の話題作りのために行ったものです。最初から、本を売るためのプロモーションとして始まったんです」(雑誌編集者)

 確かに、ここ10年ほどの芥川賞の歴史を振り返ってみても、何かと話題になる回が多い。綿矢りさと金原ひとみの19歳、20歳の同時受賞(第130回・2003年下半期)は、最年少記録を更新した。中国人作家、楊逸の受賞(第139回・08年上半期)は外国人初の受賞となった。朝吹真理子と西村賢太による2人同時受賞(第144回・10年下半期)は、対照的な姿が“美女と野獣”と形容された。75歳の黒田夏子による受賞(第148回・12年下半期)は、最年長記録となった。

「芥川賞は、基本的に新人作家に与えられる賞と規定されています。川上未映子(第138回・07年下半期)や、町田康(第123回・00年上半期)などは、ミュージシャン出身です。文芸畑一本ではなかった意外な人物が受賞するのも、芥川賞の特徴です。又吉の受賞も、十分ありえますね」(同)

 選考は7月16日に築地新喜楽で行われる。果たして、お笑い芸人初の芥川賞作家は誕生するのか? 結果を心して待ちたい。
(文=平田宏利)