なでしこジャパン、準決勝の対戦相手イングランド女子代表を分析する

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2015年の女子ワールドカップ準決勝は日本時間2日午前8時キックオフとなる。

FIFAランク6位のイングランド女子代表だが、これまで国際大会の上位進出経験はほとんどない。1地域であるイングランドでは、女子サッカー最高峰のオリンピックには出場できないためだ。ロンドン五輪では「チームGB」として統合チームで臨んだがベスト8でカナダに敗れている。今大会のカナダ戦の勝利はロンドン五輪のリベンジでもあり、ノリにのっている状況だ。

マーク・サンプソン監督は「準決勝に進出したことで(男女合わせて)3度目のワールドカップベスト4」と語る。2011年、2007年と女子ワールドカップでもベスト8で敗退しており、ようやく1つの壁を乗り越えたと言える。

抱き合うサンプソン監督

今回は「未知の強豪」イングランド女子代表をOPTA協力の元で紹介しよう。

全員一丸で戦う

システムは固定されていない。4-3-3ベースであるが、試合によっては4-1-4-1や4-2-3-1といったマイナーチェンジを行って臨むことが多い。決勝トーナメントに入ってからはチャップマンをトップ下に置く4-2-3-1で固定されており、なでしこジャパン相手にも中盤を厚くした形で臨むのではないか?と考えられる。


カナダ戦のフォーメーション

日本代表と同じくチーム一丸となって戦うチームだ。これまで、第3GKのテルフォード以外22人のメンバーが試合に起用されているのは立派。その中で、5番のホートン、4番のウィリアムズ、11番のムーアの3人だけが全試合に出場している。チームの軸と考えて良いだろう。

伝統のキック&ラッシュ

戦術はイングランド伝統のキック&ラッシュであることには変わりがない。ポゼッションはこれまで平均45%とベスト8進出チームでは最も低い。パス成功率も高くない。一方で、ロングボールの割合は22%と参加国の中で最多となっている。とにかく、ロングボールを前にあててくるチームと言える。そこからこぼれ球を拾うなどしてドリブルで崩すというのが攻撃のパターンになる。

また、1vs1に非常に重きを置いている。キック&ラッシュの影響もあるが空中戦の回数が非常に多くこれも参加国最多の187となっている。1vs1の回数は600回以上を数え1試合あたり120回ダントツでトップである。


なでしこジャパンとイングランド女子代表の比較

日本代表の対策は?

こう考えると、日本代表は"高さ対策"を強いられる。ゴールキーパーのローテーションが再び見られるかも知れない。なでしこジャパンはこれまでゴールキーパーを対戦相手ごとに変えてきた。スイス戦では高さ対策として山根恵里奈を起用したが、実はスイスは空中戦の強さはあれど日本と同じぐらいショートパスをつないでくるチームだった。真価を問われる大一番になるかも知れない。

また、ロングボールが主体ということは中盤でのプレッシングを飛ばしてボールが上空を行き交う状況にあると言える。日本はこぼれ球を如何にして拾えるか?という課題がでてくるだろう。男子サッカーの世界でも、セリエAで3ボランチによる中盤のプレッシングが主流になったことから、それを回避するためのアンチ戦術(オフサイドトラップ、高いDFライン、サイドアタック重視で4-4-2のイングランド風)をとったキエーヴォが大躍進を遂げたという過去がある。額面通り受ければ、得意ではないタイプの相手と言えるが、そこは阪口、宇津木の世界に誇るダブルボランチが奮闘してくれると信じたい。

個のドリブルで崩すといえばオランダの3トップであったし、高さといえばオーストラリアやスイスがあがる。そうしたチームの良い所を持ち合わせたイングランド女子代表なかなかの強敵である。