[U-16インターナショナルドリームカップ]強敵・フランスを3発撃破!!「戦う集団」U-16日本代表が全勝V!!

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[6.28 U-16インターナショナルドリームカップ第3節 U-16日本代表 3-1 U-16フランス代表 金鳥スタ]

 U-16日本代表、U-16フランス代表、U-16チリ代表、U-16コスタリカ代表の4チームがリーグ戦(総当たり1回戦)で優勝を争ったU-16インターナショナルドリームカップ2015JAPAN Presented by JFAは28日、リーグ戦最終節を行った。2戦2勝で首位の日本は2位・フランスと対戦。勝つか、PK戦に突入した時点で優勝の決まる日本は後半にFW中島元彦(C大阪U-18)、FW中村駿太(柏U-18)、MF齊藤未月(湘南ユース)がゴールを決めて3-1で勝ち、今年新設された大会で全勝Vを果たした。なお、大会MVPには日本のCB橋岡大樹(浦和ユース)が選出されている。

 フランスは間違いなく強敵だった。196cmの超大型CBダン・サガドゥー(パリSG)をはじめ、MFブバカリー・スマレ(パリSG)、MFミカエル・キュイザンス(ナンシー)ら実力者がズラリ。前半は相手のCB2枚の壁を攻略できず、中盤のトライアングルを軸としたパスワークからなかなかボールを奪うことができなかった。それでも戦う姿勢を前面に出した日本は相手の攻撃を跳ね返し、後半の3発によって勝利。森山佳郎監督は「『戦う集団』になってくれたというところですね。それぞれ大陸の違うサッカー大国。ワールドカップでこのグループに入ったら結構厳しいぞというグループだったと思うんですけど、ホームとは言え、選手たちがこういう経験を得て、本気で戦えば全然物怖じすることはない、世界の強豪相手にも互角に戦えるという手ごたえは掴んだと思う」と戦い抜いて優勝を果たした選手たちに目を細めていた。

 4-4-2システムを組んだ日本の先発はGK大迫敬介(広島ユース)。4バックは右から吉田歩未(市立船橋高)、橋岡、西山大雅(横浜FMユース)、田中康介(京都U-18)。中盤はゲーム主将の伊藤洋輝(磐田U-18)と齊藤のダブルボランチで右MFが藤本寛也(東京Vユース)、左MFが品田愛斗(F東京U-18)。2トップは加藤拓己(山梨学院高)と中村が務めた。

 前半は非常に拮抗した展開。日本は球際での勝負で劣ることが多かったが、それでも8分にPAへ縦に持ち込んだ中村が左足シュートを放ち、18分には中盤でのインターセプトから左サイドへ繋ぐと、田中のグラウンダークロスで抜け出した加藤が決定的な右足シュートを放つ。フランスも23分に右アーリークロスから決定機をつくり、32分には右サイドからのサイドチェンジで日本の背後を取って、最後はFWアドリアン・フロリー(サンテティエンヌ)が右足を振りぬく。だが日本は橋岡がこのシュートに対して頭からボールへ突っ込んでクリア。フランスに平均身長で約6cm劣る日本は特に高さ、強さで苦戦を強いられたものの、加藤や中村がDFに体を入れられても執拗にボールを追い続けていたほか、ボールを失いかけながらも強引に奪い返した齊藤が力強く前進して会場を沸かし、最終ラインでは橋岡が気迫のプレーで相手の攻撃を跳ね返していく。

 そして日本は0-0の後半開始から品田に代えて中島を投入。ここまで2戦連発、計3得点を挙げている中島が大仕事をしてのける。6分、ハーフウェーライン付近で西山からのパスを受けた中島は前を向いてドリブル開始。空いた前方のスペースへドリブルでスルスルと駆け上がると、そのまま右足シュートをゴール左隅へ突き刺した。C大阪U-18所属の中島にとってはC大阪トップチームのホームスタジアムで決めた会心の一撃。観衆3600人が詰めかけたバックスタンドが沸き上がり、そこへ向かって走り寄った背番号16はチームメートたちと喜びを分かち合った。

 フランスは直後に3人を入れ替えたが、勢いは日本。19分には中島の左FKをニアで伊藤が触ると、最終ラインとGKの間へ流れたボールにいち早く反応した中村が左足ダイレクトでゴールへねじ込んだ。20分に加藤をMF堀研太(横浜FMユース)へ代えたあと、26分にハンドで与えたPKをCBイブラヒム・コナテ(ソショー)に決められた日本は、さらにセカンドボールをフランスに回収されて押し込まれてしまう。だが、勝負どころでそれぞれの選手がハードワークを欠かさず、役割を果たす。藤本とMF新井光(長野U-18)を入れ替えた直後の32分には左クロスからFWミジアンヌ・マオリダ(リヨン)に抜け出されたが、GK大迫が至近距離からのシュートを弾き、ゴール方向に転がったボールもカバーしていた橋岡がスライディングでクリアして危機を免れた。

 そして伊藤をCB塩崎悠司(興國高)へスイッチした日本は43分、PAでの絶妙なターンで抜け出した中村が決定的な左足シュート。このシュートは相手GKの好守によって決められなかったが、橋岡が「すっごいきつかったんですけど、最後まで守りきれたのはいい結果だったと思います。最後体を投げ出すとかアグレッシブに戦うというのは(森山監督から)言われていた。(3試合通して)みんな統一してできたのは良かったと思います」と振り返ったように、自陣でそれぞれが身体を張って相手に決定機を作らせない日本は49分、カウンターから独走した西山がDFを引き付けてスルーパス。これを齊藤が右足でゴールへ沈めて勝利と優勝を決定づけた。

 今回のU-16日本代表は初招集選手が約半数というメンバー構成だったが、その初招集選手を含めて各選手が物怖じせずに、ハードワークし続けていた姿が印象的だった。そして強敵に真っ向勝負で挑んで、勝ち切って掴んだ優勝はそれぞれの大きな経験値になったはず。ただし、今大会はW杯、W杯予選のような大会ではなく、また日本は所属チームでは控えという高校1年生選手が多い。これからが大事。橋岡が「まだまだU-16で20歳にもなっていない。先はまだまだ全然ある。ここが最後じゃないので、ここで調子に乗らずに謙虚に努力していって、どんどん活躍していけたらいいと思います」と語ったように、この経験をそれぞれの次へのステップとする。

(取材・文 吉田太郎)