もう一つ、中性脂肪と深い関係の病気とされる脂肪肝とアルコールについて触れよう。
 正常な肝臓には4〜5%の脂肪が存在し、糖質の代謝、脂肪の代謝、ホルモン代謝などの代謝機能を発揮するなど、多くの働きをしているのが肝臓だ。しかし、脂肪が増え過ぎて肝臓全体の30%以上脂肪が蓄積した状態になると、脂肪肝という病気になる。
 「肝臓はよく“沈黙の臓器”と、そのタフさを言われますが、脂肪が溜まり過ぎると肝細胞が代謝や解毒作用を十分に行えなくなる。肝臓がダウンしてしまえば体が重くなったりしますが、これは一種の“警告”と受け取るべきです。脂肪肝になると、食事直後に膨満感があったり、便秘や疲労感、吐き気を催すこともあります」(専門医)

 ただし、このような症状は脂肪肝だけに見られるものではなく、肝臓病の一般的な自覚症状とほとんど同じだという。また、脂肪肝になると肝臓は大きく腫れるが、体の外部からはなかなか見分けがつかない。そこで、右の肋骨の下あたりを手で強く押し勢いよく手を放す。そのとき内部に痛みを感じるようであれば、肝臓が腫れ上がっている状態だと言う。

 また、肝臓との関係ですぐ思い浮かぶのがアルコール。アルコールは、たしなむ程度であれば問題は無く、血行を良くし、食欲を増進させ、善玉コレステロールを増やすのに効果的だ。しかし、飲み過ぎたり急激に飲むと、とたんに体に与えるダメージが大きくなる。
 アルコールの飲み過ぎは、肝臓での中性脂肪の合成を促進するだけでなく、高脂血症や動脈硬化の原因となる。さらに飲み続けていれば中性脂肪が肝臓に溜まり、脂肪肝になる。
 「アルコール類は、麦や米などが原料になっているので、カロリーがとても高くなります。また、体内で1グラム約5キロカロリーのエネルギーになるので、ご飯に換算するとビール大瓶1本が約1膳半。清酒1合の場合は約1膳に相当します。多量の飲酒は、摂取エネルギーの過剰から肥満につながってしまう。さらに栄養障害、依存症、高脂血症へと進む最悪のコースをたどることになるのです」(前出・医療関係者)

 そこで専門医に、酒を飲む時に心掛けたい点を挙げてもらった。
 (1)「最初ちびちび」でいく=アルコールを飲んで酔いを感じるまでは約30分。この酔いを感じる前にどんどん飲んでしまうと、満足感が得られずについつい飲み過ぎてしまう。酒の肴をつまみながら、ゆっくりと飲むこと。
 (2)飲む前につまみを先に食べる=すきっ腹で飲むと腸での吸収が早くなり、血中のアルコール濃度が急上昇して血管や肝臓を傷めやすい。インゲン豆、おから、わらび、ヒジキなどは、腸によるアルコールの吸収を遅らせる。
 (3)主食を食べた後に玄米を食べる=ほんのり酔いが回り空腹感が落ちつたところで主菜、最後にご飯を食べる。ご飯は玄米がお薦め。肝臓を守るためにはポリフェノールやビタミンの他、亜鉛、ミネラル、タンパク質も摂ること。
 (4)ベストは無塩ナッツ&赤ワイン=赤ワインをちびちび飲む。おつまみは無塩ナッツやピーナツをポリポリ…。赤ワインは動脈硬化の原因でもあるLDLコレステロールの酸化を防ぐという。