オーストラリア戦の予想スタメン。決勝トーナメント1回戦のオランダ戦のメンバーと変更しない可能性が高い。

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 決勝トーナメント1回戦でオランダを退けたなでしこジャパンは、6月28日の5時(日本時間)、ベスト4の座を懸けてオーストラリアと対戦する。

【なでしこジャパン】W杯メンバー23人
 
 日本はバンクーバーからエドモントンに移動した24日は練習を行なわず、その翌日の日中は非公開練習で綿密にオーストラリア対策を練ったと見られる。
 
 ここまでの4試合が16時と19時の開始時間だった日本は、初めて14時にキックオフを迎える。これまでのバンクーバーやウィニペグより気温が高いエドモントンは、試合日も最高気温30度という予報が出ており、暑さ対策が求められるだろう。
 
 また、スタジアムごとに人工芝の感触が違っており、エドモントンで1試合を戦っているオーストラリアはその点で有利と言える。
 
 オーストラリア戦の日本の先発メンバーは、4日前のオランダ戦のメンバーと変更がない可能性が高い。FW菅澤優衣香、FW岩渕真奈はベンチスタートとなり、途中出場から攻撃に変化を加える役割を担うだろう。いずれにしても終始、試合を優位に進められたオランダ戦と比べ、チャンスの数は少なくなるはず。決定機を確実に決め切る集中力が求められる。
 佐々木則夫監督は「以前まで我々がアジアで戦ってきたオーストラリアでないことは確か。今大会で非常にレベルが上がってきている、可能性を持ったチーム。心して戦う」と、去年の女子アジアカップ決勝で1-0で下した相手に警戒心を強めている。
 
 佐々木監督就任後、オーストラリアとの対戦成績は6勝1分1敗と相性は良い。ただ、今大会のオーストラリアは非常に力強いサッカーを披露しており、グループリーグではアメリカ、スウェーデンらと同組の“死のグループ”を2位通過した。「強豪国に勝って来ているし自信がついているはず」と、女子アジアカップ決勝でゴールを決めたDF岩清水梓もその実力を認める。
 
 そしてこの一戦での最大のポイントが、オーストラリアの強力な攻撃陣をどう食い止めるかだ。今大会4得点のFWカイア・サイモン、大会中に代表100試合出場を達成したFWリサ・デバンナの強引なドリブルとパワフルなシュートは要注意となる。
 
 また、昨季なでしこリーグの伊賀でプレーし、今大会はゲームメーカーとして存在感を発揮して二度のプレーヤー・オブ・ザ・マッチを獲得したMFエリーズ・ケロンド=ナイトにも気を付けなくてはいけない。
 
「ボールを追ってくる1トップ(ミッシェル・ヘイマン)をGKと連係して長く走らせて体力を奪いたい。女子アジアカップでやられているデバンナのスピードへの対応も必要」と岩清水は対抗策を語る。
 
 この試合では守備の負担が増えそうな右SBの有吉佐織らを含めディフェンス陣には我慢強く対応することが求められる。
 4日前のオランダ戦については、MF宮間あやからは多くの反省の弁が出た。
 
「まだまだどの試合もピンチが多い。GKのビッグセーブは盛り上げるために大事だし、身体を張って守ることは私たちらしさだけど、それは極力減らさないと。シュートを打っているが、決定的なシーンは少ない」
 
 海外メディアは日本の戦いぶりを賞賛しているが、MF宇津木瑠美も冷静に「オランダ戦は特別良かったわけではない。いつも通りのサッカー」と、的を射たコメントを残している。
 
 オランダ戦の後、チームバスで宮間が「決勝トーナメントはここから」と選手全員に語ったこともあり、慢心は無いはず。それこそオランダ戦のイメージは一旦忘れるくらいの気持ちで臨むことが重要になるだろう。
 
 オランダ戦ほど自由にボールを運べないなかで、状態の良い味方をいち早く見つけてパスをつなげられるか。日本はオーストラリアの情報を多く持つが、それは相手も同じこと。アジアの盟友であり難敵でもあるオーストラリアを下して、ベスト4に駒を進めたい。
 
取材・文:馬見新拓郎(フリーライター)